お城めぐりをはじめて、「日本100名城」の存在を知ると「チャシ」や「グスク」という言葉に出会うことになります。
ものすごく簡単に説明すると、「チャシ」は北海道(蝦夷)のアイヌ民族による城、「グスク」は沖縄(琉球)の琉球民族による城のことです。文化圏が異なるため、城の成立過程や、その形態も異なっています。
チャシ
「チャシ」とは、アイヌ語で砦・館・柵・柵囲いといった意味を持つ言葉です。
チャシは室町時代から江戸時代に築かれており、その建造の目的は、濠を掘り木柵や土塁をめぐらして館や砦として利用する場合と、宗教的行事や会合を行う祭場的な場としての利用に大別されます。
チャシの種類は、丘先式・面崖式・丘頂式・平地式・孤島式などがあり、1992年(平成4年)時点では526基のチャシコツ(チャシ跡)が確認されているものの、総数は不明です。
「日本100名城」には「根室半島チャシ跡群」として北海道根室市にある24か所のチャシ跡が選ばれています(攻城団のバッジでは「ヲンネモトチャシ」を登録)。
松前藩に忙殺されたアイヌ民族の英雄「シャクシャイン」の最後の砦としても知られるシベチャリチャシやホイナシリチャシなどは「シベチャリ川流域チャシ群」として国の史跡に指定されています。
グスク
「グ」が石、「スク」が囲った場所を意味しています。 漢字では「城」という文字をあてており、たとえば「首里城」は「しゅりじょう」とも「しゅりグスク」とも読みます。
沖縄の信仰の聖地として「御嶽(うたき)」がありますが、グスクも単なる軍事拠点ではなく、聖域であったという説、または御嶽を中心に発達した集落であったという説があります。
ゆるやかなカーブを描いた曲線系の石垣が特徴で、石垣には軽くて軟らかく、加工も容易な琉球石灰岩が使われています。
グスクの正確な数は不明ですが、200〜300くらいはあるといわれており、12世紀〜15世紀くらいに築かれました。
首里城のほか、今帰仁城、座喜味城、勝連城、中城城は「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、2000年(平成12年)に日本で11件目の世界遺産として登録されました。
このうち首里城、今帰仁城、中城城の3つのグスクは「日本100名城」にも選ばれています。その後、座喜味城と勝連城が「続日本100名城」に選ばれました。
簡単に検索できます
攻城団に登録されているチャシとグスクは「いろんな検索」のページから簡単に検索することができます。
グスク チャシ と書かれたボタンをクリック(タップ)するだけで一覧が表示されます。
チャシやグスクは日本のお城とはまたちがった魅力がありますし、その成立背景などの歴史も学び甲斐があると思います。
「日本100名城」にチャレンジすれば必ずまわることになりますので、どうせならただ訪問してスタンプを押すだけじゃなく、いろいろ調べてから攻めたいですね。