攻城団ブログ

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城葱さんの「城もなか」道中記【岩村編】

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「城もなか」を求めて全国を飛び回る城葱さんが今回向かったのはおつやの方のエピソードで知られる岩村城の城下町。
表御門や太鼓櫓が復元されるなど、情緒あふれる城下町はドラマのロケにも使われるなど人気観光地になっています。地元ではカステラが有名とのことですが、もちろん我らが「城もなか」も存在感を発揮しています。しかも意外なコラボ餡を使ってました。
おいしそうな写真とあわせてじっくり楽しんでください!!

今回は岐阜県の岩村の城もなかと出会う旅に、城めぐりをしながら行ってきました。

岩村の城というと、言うまでもなく、圧巻の6段石垣で有名な岩村城です。
この6段の石垣のほか、岩村城下町の古い街並みの食べ歩きもまた観光名所として賑わうお城。
そこに城もなか界のニューコラボレーションでおもしろい城もなかが誕生したという情報を聞きつけまして、それはぜひ行かねばーといってきたわけです。

ちょうど2022年の山城サミットの開催地が恵那市ということで、山城サミットへの参加も兼ねた岐阜・岩村への遠征となりました。
地元の特産品を使った、その地域、その城ならではの城もなかは今までも、小豆にりんごや柿、栗などなどありましたが、このコラボは、そうきたかーという斬新な組み合わせ。

今回の城と城もなかとの出会いは、独創的な新風のコラボレーションが世の中へ醸し出す、城もなかのコラボの可能性をビシビシと感じるものとなりました。

岩村城の城もなか

1.「岩村城(岩村城もなか)」(かめや菓子舗)

1個150円

皮は、三層正面型。
むむ! なんかこの型見たことあるような気もするが、よく見る正面型の小田原城モデルではない!
独特な皮のオリジナリティとこだわりに、ビビッときました。
一層目から三層目まで屋根先が末広がりに並ぶ、比較的バランスの良い形状で、岩村城の石垣もしっかり石のひとつひとつを表現しています。
切妻破風の小窓が印象的!

パッケージは、柔らかな印象と肌触りの紙のような袋に、岩村城の毛筆文字がカッコいい。
御城印みたいです。
左上にうっすらピンクで、岩村城の太鼓櫓? と思われるイラストがあり、またピンク文字で右側に、井戸に蛇骨投入して霞が城を包んだ伝説が紹介されている。
ピンクの色彩は可愛らしく、幻想的な霞のイメージにもいいが、ぱっと見では見にくい。霞のために見えにくいという演出なのかもしれない。

あんは、あま酒あん。
これは今までに登場したことのない新しいタイプのコラボあん。
あんにフルーツやくるみや栗という山の幸を組み合わせるのはあるが、あま酒という飲み物を合わせるのは初めてです。
この斬新な挑戦にも拍手喝采だけど、代表銘柄「女城主」で有名な地元の名蔵元「岩村醸造」とのコラボっていうところが見事。地域の産物と手を取り合って、岩村城を通して地域を活性化しようとされているのが、脈々と動き続けている城下町の一端を垣間見たようで、嬉しくなる。
城下町は、城だけでは成り立たず、町の停滞しないチャレンジとジャンルを問わず織りなす協働精神が、活気を繋いでいくのだなぁと感じたところです。

岩村醸造さんのあま酒を使用して、かめや菓子舗さんが自家製あま酒あんに仕上げたとのこと。
色味が白っぽいので白あんベースにあま酒を混ぜ込んでいるのだろうか(ここは想像)。

あま酒の風味や香りが漂い、あんにもしっかりブレンドされている感じ。甘すぎず、いつものあんこの甘さとはまた違うほんのり控えめな甘さも粋です。あま酒の発酵食品系の美容と健康に良さそうな感じがしました。
お店の雰囲気も、女性客が多く、女性意識の城もなかでしょうか。
あんまりあま酒を飲む習慣がないので、あま酒をよく飲まれる方、大好きだーという方の感想も伺ってみたいです。

買ったところは、かめや菓子舗です。
岩村駅から岩村城に至る途中、岩村城の城下町にあり、城攻めの帰りに寄るのに非常に都合の良い立地で大変助かります。
ここでお店を開いてくれて、ありがとうございます。

お店に入ると奥に、古民家風の喫茶のイートインのコーナーが見え、お洒落な空気が漂ってます。岩村城もなかは手前のお菓子コーナー一角に、籠に入れられお出迎えしてくれます。
こちらで買って、イートインでコーヒー、お抹茶などと一緒に食べるのも良さそうです。

岩村城下町には他にもたくさん菓子屋があり、町全体的にカステラが有名です。
かめや菓子舗さんにも名物カステラがあり、それを目当てのお客さんも多いみたい。ぜひカステラとともに城もなかも看板菓子になってロングセラーを期待したいところです。
(自分は抹茶セットを店内でいただきました。お客さんはひっきりなしで、岩村城もなかもちょこちょこ売れてました。なんだか嬉しいw)

かめや菓子舗(岐阜県恵那市岩村町291)
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 月曜日 / 電話 0573-43-2208

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そのほかの岩村城の城菓子

※城菓子
お城にちなんだお菓子のこと。お菓子の名前に城の名前がついているものや、お城をイメージしたものや、お城にまつわる逸話などから着想を得て制作されたものなどがある。城もなかも城菓子の一つである。

かめや菓子舗さんの「もなかフロランタン」

1個300円

かめや菓子舗さんの城もなかのそばに、城もなかの形をしたお菓子を見つける。
城もなかのフロランタン!
最近の城もなかの新展開として、城もなかのもなかを活かした和洋折衷のお菓子が生まれている傾向がありますけど、その流れのひとつです。
特にかめや菓子舗さんは、カステラが有名ということでそもそも和洋折衷しやすい環境にあったのではないかと思うところです。

フロランタンについて念のためおらさいしておくと、サブレなどのクッキー生地にアーモンドなどのナッツ類をキャラメルでコーティングしたものです。
城もなかのフロランタンの場合は、クッキー生地の代わりとして城もなか皮を用いています。
そのため、若干もなか皮では、クッキーやサブレのようなボリュームがないので多少物足りなさを感じるものの、パリパリ感はクッキーやサブレに勝り、アーモンドのポリポリ感、両者の個々の香ばしさが、キャラメルコーティングでまとめられているという感じです。

かめや菓子舗さんのフロランタンが特徴的なのは、まずぱっと見、城もなかの派生のお菓子とわからないところ。
岩村城のこの城もなかフロランタンは、城もなかであることを隠すような形になっています。

越前大野城にあった城もなかのフロランタン「天空の城ランタン」は、この逆で、あたかも城もなかのように見えて裏返すと実はフロランタンっていうパターンでした。

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フロランタンのキャラメルコーティング面が外向きでかつ、パッケージには城もなかをイメージさせる部分が皆無です。
また城もなかの表面を背中合わせにしてあるので、よくよく見ないと城もなかを使っているっていうことに気づけない。

店頭でも「もなかフロランタン」としか記載がありません。

城もなかのお店だからもなかは城もなかだろうという推察と、城もなかの裏側の輪郭と微かにのぞく城もなかの表面を見つけ出す観察眼が必要でしょう。

また、城もなかのフロランタンとして他と比較すると、このフロランタンは、もなかが白い。白い城もなかを使っています。
そしてそのコントラストもあるのか、フロランタン部分のキャラメル感が黒っぽく、アーモンドキャラメル部分でコーティングされている感があります。

【参考】比較対象としての越前大野城の「天空の城ランタン」

あま酒あんの城もなか「岩村城」と、和洋折衷の城もなかのフロランタン「もなかフロランタン」。
かめや菓子舗さんでは、この2色の城もなかを味わっていただけると、より一層城もなかの新世界を見ることができるのではないでしょうか。

松浦軒本店さんの「太鼓櫓」

1個110円

名前からもお分かりのとおり、岩村城の太鼓櫓をモチーフにしたお菓子。
ぱっと見、数年前からわりと見るようになったカヌレにも似た形状ですが、ガッツリ和菓子です。
太鼓櫓というネーミングは、この形状に太鼓櫓を投影してのものなのか。

特徴的な形状をした粒あんの焼きまんじゅうの頂点にくるみが埋め込まれている。そのくるみがいい仕事をしています。
パッケージは、柔らかな紙の包みで、ザ・和菓子感がある。太鼓櫓という菓子名に加え、「霧の山城」とキャッチコピーがついています。

松浦軒本店(岐阜県恵那市岩村町246)
営業時間 8:30~18:30※ / 定休日 不定 / 電話 0573-43-2541
※営業終了時間は要確認

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松浦軒本店さんの「霧ヶ城」

1個180円

同じく松浦軒本店さんのお菓子で、岩村城の別名「霧ヶ城」の名前を持つ城菓子もあります。
こちらも純和菓子かと思いきや、江戸時代の製法を伝承しているカステラの名店でもある松浦軒本店さんらしく、洋風なお菓子です。
くるみ、松の実、レーズン、白ごま、隠し味にリンゴが入っている月餅饅頭。

小さな一口サイズのお菓子の中に山の旨味がこれでもかと詰まっていて、見かけによらない味深い城菓子です。
どことなく菓子表面を上から見ると花のようにも見えなくない、ちょっとお洒落な感じもします。

大黒屋商店さんの「お城煎平衛」

1袋330円

岩村城へ向かう城下町にある大黒屋商店さんのオリジナル商品として、店頭で販売されている手焼き味噌風味の煎餅。
何より特徴的な岩村城の石垣のイラストが「岩村城」という文字とともに焼印されていて、愛らしい岩村城オリジナル商品となっています。
煎餅の形も変わっていて、薄く丸いものを折りたたんだような扇型をしている。
また一袋でかなりの量が入っていて、ひとりで買うとなかなか食べ切るのに苦労するので、ぜひシェアするなどしてほしいと思います。
(食べきりサイズがほしいですねー)
袋に入っている商品名を書いた紙が目を引きます。

大黒屋商店さんは、団子の五平餅で有名なので、ぜひ五平餅をいただきながら、この煎餅もお土産に。
なお製造は、中津川の駅の近くにある小倉せんべい店でされているようです。

大黒屋商店(岐阜県恵那市岩村町本町310-2)
営業時間 9:00~16:00※ / 定休日 不定 / 電話 0573-43-2502
※営業終了時間は要確認

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岩村城への城攻め

岩村城といえば、石垣。山城の石垣ということで、苔むす石垣の高さがすごい!!
とにかく苔むす石垣の段々がすごいんです。そしてこれが好きなんですよね。

山城サミット2022恵那の開催に合わせて、混み合わない前日に行ったんですが、同様のことを考える城好きさんや、おじさまおぼさまの集団もいらしたので団体観光先としての人気も高いということですね。
城下町でも楽しめそうだし、ちょっと歩いて歴史や石垣に癒され、城下町でぶらり腹を満たす。考えただけで楽しいツアー!

岩村城にはこれまで3回くらい来ているような気がしますが、かつてあった電柱電線みたいな人工物がなくなり、逆に顔出し看板など新しく設置させれているものもあり、城も長い時を鎮座しているだけではなく、どんどん動いているのだと気付かされました。
同じ城に時期をおいて、季節を変えて来てみると新しい発見があるのも楽しいところですね。

かつての城もなか

今回、岩村での城もなか道中では、下調べでは城もなかの気配を感じていたものの、じっさいにお店に伺ったら入手不可能となっていた城もなかにまたも出会ってしまいました(涙)

三久さんというお菓子屋さんでかつて製造されていましたが、今はもう作っていないそうです。
いちおうお店に行って確認してきましたが、製造休止ではなく、終了したとのこと。
栗きんとんの有名なお店で、せっかくなので、城もなかが席を譲った名物栗きんとんもいただきましたが、たしかにこれは美味い。こちらに注力されたいと言うのもわからなくもない。

以前から栗きんとんの時期は忙しいので、夏から正月までは販売休止と聞いていましたが、ついにという感じです。栗の甘露煮入りの栗きんとん名店ならではこだわりの逸品と思っていたので、残念です。
また何かのきっかけで復活したらいいなぁと願うばかりです。
復活の目撃情報などお待ちしています!!

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おわりに

今回は、岩村城の城もなかに出会ってきました。
変わり種のもなかあんとして、新たなジャンルを開拓する「あま酒あん」については、新進気鋭で、今後の波及や展開が楽しみな発見でした。

これからも岩村城の城もなかを支える、あま酒あんの城もなかが、岩村城だけでなく、この周辺にある多くの名城の城もなか誕生の火付け役となってくれることを願うばかりです。

これからも想像を超える城もなかが生まれてくればいいなぁと思うとともに、生み出す発想をお持ちの職人さんたちに感銘を受けるばかりです。
やっぱりすごいね、日本の職人さんたち。

さて、これからも愛すべき城もなかを求めて、そして老舗異業種のコラボの結晶として誕生した城もなかのみなぎる城下町の底力を感じ、刺激を受けながら、攻めたい新たな城の探索に励みたいと思います。

みなさんも、老舗の新時代のコラボレーション城もなかを、ぜひご堪能くださいませ。
ご覧になった皆様が、城もなかを通じて、城が愛される地域文化に触れるきっかけとなり、あらたな次元の城めぐりの世界が広がればと思っております。

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城めぐりのおともに「城もなか」を!
よき「城もなか」との出会いがありますことを祈っています。

ぜひみなさんも城もなかや城菓子の感想をTwitterなどでつぶやいてくださいね!

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