那珂川町観光協会の山口さんにレポートを書いていただきましたのでぜひお読みください。
歴史遺産ウォーク in 那珂川「二つの山城跡と菩提寺を巡る歴史ツアー 〜いざ、武茂氏の山城『武茂城』&『台の館』へ〜」
2月と3月にかけて、栃木県那珂川町観光協会主催で「二つの山城跡と菩提寺を巡る歴史ツアー」が開催されました。
このツアーは武茂氏の山城「武茂城址」と松野氏の居館「台の館跡」をめぐりながら、両氏の菩提寺である「乾徳寺」と「松林寺」を訪ねる「歴史遺産ツアー」のひとつとしで行われました。旅のナビゲータを“山城ガールむつみ先生”が務め、町の学芸員がサポートとして同行しました。モニターツアーのため参加者の方は10名ほどでしたが、終始和やかに行われました。
今回、このツアーを企画しました山城めぐり初心者の観光協会・山口がレポートいたします。
3月4日、天候に恵まれ町の施設「広重美術館」駐車場に集合し、観光協会よりオープニングガイダンスが行われ、ナビゲータを務める“山城ガールむつみ先生“よりツアー概要が紹介されました。
まずは町指定史跡「台の館」を目指します。
ここ台の館は松野氏の居館と言われ、那珂川とその支流、城間川の合流地点の北側の河岸段丘上に築かれたそうです。現在は畑になっていますが、周辺には雛壇状の地形がみてとれました。城館の中心だったと思われる区画は、綺麗な方形になっていて、周囲には土塁が確認できます。かつては土塁を囲むように堀が掘られていたと思われ、みなさん興奮状態でした。
次に松野氏の菩提寺である「松林寺」へ。
松林寺は曹洞宗の寺院で、1590年(天正18年)に創建されたと。松林寺の裏山は松野城跡となっていて、「城間」の谷を挟んで松野南城と松野北城と呼ばれる城郭が築かれています。現地にその遺構が残っていて、みなさん興味津々でした。
あるき回りお腹がペコペコ、お楽しみの昼食の時間。
奇岩で有名な御前岩の近くにある「御前岩物産センター」へ。
こちらでは地元産の食材を使った「お殿様御膳」を。お殿様気分になるほど贅沢な昼食。八溝特産の蕎麦や湯葉、ホンモロコや温泉とらふぐを使った手の込んだ食事を堪能。男性でもお腹いっぱいになりました。
お腹いっぱいになったので、今日のメイン「武茂城址」と「乾徳寺」へ。
武茂城は、乾徳寺を中心として東西に城郭が築かれていて、それぞれ武茂西城、武茂東城ともよばれていたといわれます。とくに西城は遺構が良好に残り、土塁、空堀、虎口などが確認できました。
武茂東城の南側に根古屋が形成されていたとされ、家臣屋敷があったと考えられていますが、現在は人跡未踏の竹やぶとなっていました。むつみ先生いわく、こんな素晴らしい城跡は大変貴重であると。何もないと思っていたら大間違いだそうで、参加者の方々は大興奮でした。
乾徳寺は曹洞宗寺院で、武茂城の大手門と伝わる門が山門となったと言われ、由緒ある風情のある山門でした。
そして乾徳寺の参道が武茂城の大手道と考えられていると聞いて、普段より心なしか気を引き締めて歩きました。また、乾徳寺は武茂氏の菩提寺で、境内には武茂一族の廟所があり、時代の流れを感じました。
最後に、参加記念に非売品である御城印をプレゼント。みなさんとても喜ばれ、次のツアーを期待されておりました。
山城の宝庫、那珂川町。観光協会では、第2段、第3段と企画していきたいと思います。
ぜひみなさん参加して山城を楽しんで下さい。
ツアーの開催確認は那珂川町観光協会HPまで。
最後に、山城ガールむつみ先生のコメントを頂きました。
那珂川町は中世の趣を残す素晴らしい地域です。
古くから那珂川が水上交通の大動脈となり、さらには近くを通る東山道が陸上交通の幹線道路となりました。そのため、古墳や奈良時代の産金などバラエティ豊かな歴史が埋もれています。
中世になると、宇都宮氏、那須氏、佐竹氏の勢力の境目のため、山城もたくさん築かれました。
今回のツアーでは、宇都宮一族の武茂氏の武茂城、松野氏の台の館などを歩きました。特に武茂城は見事で、土塁や空堀など良好に残る遺構を堪能しました。
もっとたくさんの方に那珂川町の魅力を知って欲しいなと思います。ぜひ、那珂川町に足をお運び下さい。
今後、ツアーなど拡大できるように観光協会さんと山城と歴史の掘り起こしをしたいと思います。
機会あれば、ツアーにも是非お越し下さい。
ツアーレポはこちらから。
http://yamajirogirl623.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-f1b263.html