読むとお腹が減る渾身のレポートをさっそくお読みください!
今回は、福井の城もなかと出会う旅に、城めぐりをしながら行ってきました。
福井の城もなかというか、福井の越前大野城の城もなかと城もなかサブレに会いに行ってきました!
福井県にはかつて行ったことはあったのですが、越前大野城には初めての城攻めでした。なかなか福井県に行く機会もなかったので、大変貴重な旅となりました。
福井県には楽しい城がたくさんあるので、城もなかももっとたくさん生まれてくれればと期待しています。
今回の城と城もなかとの出会いは、もなかの皮に餡を挟んでいただくだけでなく、城の思い出を挟み込んで、何か、美味しさ、尊さ、幸せなどが詰め込まれたものだと感じる城攻め、城もなか道中となりました。
越前大野城の城もなか
1.「大野城最中」(八田屋)
手作りタイプの城もなかで、皮・餡子がそれぞれパッケージされ、天空の城の越前大野城の写真が美しく神秘的な帯紙で包まれています。
皮は定番の「三層角右寄り型」。
三層の天守(櫓)であり、石垣の角が、中央より右側によっているもなかの皮の型のひとつ。
型の凹凸は、シャープで細かいタイプ。
皮のみでパッケージされ、餡の水分が染み込む要素がないので、パリパリ中のパリパリ。皮だけでもパリパリと香ばしさで十分旨さを感じます。
箱買いしていれば心配いりませんが、パッケージが帯紙のみで直で餡子と皮のパッケージなので比較的簡素。
衝撃による皮の破損にご注意ください!
餡は、個別パッケージされた、四角の絞り出すタイプ。粒あん。
ねりねりねり! っと絞り出すと意外とボリュームあり。
あ-、これはみ出ちゃう系じゃね? って思って、グッと閉じ込める。
お見事。ピッタリもなかの皮は閉まる。
何か、いろんな城への想いや思い出が、この作業により封入され、大事なものになった気がする。
ありがとう。なんか感謝w
手作りタイプは、この封入作業やはみ出るはみ出ないドキドキもアトラクションとして楽しめる、エンターテインメントなもなかですね。
この手作りタイプは、人にあげる際にも選びやすい。
しっとりタイプが好きな人もいると思いますが、自分でしばらく餡を挟んでから放置し、熟成させることでしっとりタイプにもできます。
また、挟んですぐにたべれば、パリパリ全開を楽しむこともできるというわけで、もなかの好みに幅広く対応できます。
食べるだけでなく、自分で作ることから城もなかへの愛着をより噛み締めて食べていただけるという点もいい!
ただ、少々値がはります。やっぱりパッケージが余計にかかるからでしょうか。
パッケージといえば、今回は箱買いしたわけなんですが、この箱にも天空の城の越前大野城の美しい写真が使われており、ぱっと見、大野城最中をそのまま大きくしたような姿です。
と言ってもそれがわかるのは、個包装の大野城最中の姿を知っているからで、箱を開けてみないとわからない人には、そう思わないかもしれないなw
この大野城最中は、今回の旅で福井県のあとに他県でお城の保存会の方やお城好きの方と会う予定があったので、お土産として買わせていただきました!
子どもにも、女性にも評判が良かったです。さすがは、城もなか。心を掴むにくいやつ!
私も心を掴まれたひとりです。
お土産に、プレゼントに、ぜひ城もなかご検討ください!
今回、「大野城最中」を購入させていただいたのは、製造元の八田屋さんではなく、越前おおの結ステーションにある「越前おおの結楽座」さんです。
八田屋さんも割と近くにあるのですが、残念ながら私がおじゃましたときには、お店にはシャッターが降りていました。
製造元のお店が、店頭を開けて販売しているとは限らないし、最近はコロナや人手不足やなんやらで、お店の店頭販売をやっていないところもいくつか見てきたので、まぁ厳しい時代ですな……と思ったところでした。
とはいえ、越前大野城を攻略する人なら寄る可能性が高い「越前おおの結楽座」で買えるのは助かります。
ちなみにここでは、様々な越前大野城にまつわるお土産や地元の物が買えるので、日本酒「天空の城 越前大野城」も買えました。
八田屋さんには、ぜひともお邪魔したいので、リベンジ決定、越前大野城!
今度こそ。
営業時間 9:00~17:30 / 定休日 12/29〜1/2 / 電話 0779-69-9200
営業時間 8:30~17:30 / 定休日 不定休 / 電話 0779-66-2482
2.「天空の城もなか」(お菓子のひろせ)
皮は、こちらも定番の三層角右寄り型。
ただ皮の凹凸の粗さ細かさは、粗めなタイプ。
さらにもなかの皮の中央には、縦に色違いの帯が入っている。
何度もこの帯見ているが、製造工程を見たり、専門家に聞かないと、なぜできるのかの謎が解けない……。城もなかではない、別のタイプのもなかでも見たことがあるから、多分もなかの皮を作る時の何かなんだろう。
うーむ、謎は尽きぬ。
パッケージにはまたしても天空の城の越前大野城の美しい写真が。
この写真が越前大野城の宣材写真なのだろう。
でもよくよく見るとトリミングの範囲の問題なのか、ちょっと違う写真のような気もする。
とはいえ、越前大野城=天空の城、雲海または霧の取り巻く山城の姿は、間違いなく、城の顔となる画のようです。
透明で桜吹雪のパッケージを天空の城の写真が隠しており、チラ見せ効果なのか、少し見える石垣、お城もなかの足元が、気を引くパッケージ。
衝立や簾のような、日本らしい目隠しとその僅かな空間から見せる気配を感じる、というものに通じそうな気がしました。
あんは粒あんにマーガリン!!
あんこにマーガリンは合うよね-。悪魔的な取り合わせを城もなかで実現している。
小倉マーガリンのパンとかめちゃくちゃ好きなので、ついに城もなかで形にしてくるものに出会ったかと、興奮しました。
皮が八田屋さんの「大野城最中」といっしょなので、同じ感覚でいたら、この驚きを隠すことができませんでした。
人は見かけによらず、城もなかも見かけによらずですね。
失礼いたしました。
これも比較するものでもないけれど、えびすや丸山菓子店のと比較すると、若干ペ-スト状の具合がこちらのほうが高く、2枚の皮で作られる空間全体にあんが広がっている。
お菓子のひろせさんは、越前大野城からは少し離れた住宅地の中にある地元のお菓子屋さん系のお店です。春日通り商店街にあります。
詳しくないので有名なのか知らないのですが、杉とけやきが同じ場所で大きく育った良縁の樹のある春日神社よりさらに南にあります。
越前大野駅の方が近いかも。
こちらのお店で驚いたのは、城もなかが冷蔵ケースに入れられていたことです。
なかなか見ないな、暑いからかなと思っていたのですが、城もなかを食べてみてその理由がわかったわけです。
もなかのあんは、あんことマーガリンのコンビネーションだということで、マーガリンが溶けきってしまわないようにという配慮だったのかなと。
もちろんこんな暑い日々で、傷みを軽減、防止している効果もあるとは思いますが。
よく駄菓子屋でアイスクリームが入ってる上から覗き込んで取るタイプの冷蔵ケースに、ビニールのロールカーテンで蓋がされているという、その形もまた手作り感があるほのぼのする陳列でした。
冷んやりしているので、その場で食べてもアイスもなかに近い、美味しさと涼しさがあったかもしれません。今度は試してみたいです。
ちなみにたくさんの種類のあるクリームのどら焼きが有名なお店です。
営業時間 9:00~19:00 (日曜日は、17:00まで) / 定休日 木曜日 / 電話 0779-66-2693
越前大野城への城攻め
天空の城というだけあって、小高い山の上にある。
麓からもしっかり見えるので、そこまで長くきつい道のりではないが、なかなかいい運動になる。
夏の暑い時期でしたが、木々が生い茂る中にそびえ立つ越前大野城のかっこよさは、夏の城の勇猛さを感じました。
特に私の大好きな、石垣と苔が写真を見ても分かる通り、かなりの主張で存在しています。
これは石垣なのか? もしかして苔玉が積まれているのでは? と思うほどw
これをみているだけでも、暑さを忘れる。
流石に日向で見てると熱中症なっちゃうので、木陰から眺める苔むす石垣と堂々たる越前大野城。
また天空の城は、城からの眺めも最高でした。
その他の越前大野城の城菓子
1.お菓子のひろせさんの「天空の城ランタン」
一見、城もなかのような風貌をしている。
さらにパッケージは、お菓子のひろせさんの城もなかそっくりだ、というか同じパッケージだ!w
「天空のおしろ最中」って書いてある。
しかし驚くなかれ、裏を返すと……。
なんと! アーモンドがキャラメルでコーティングされている、フロランタンが詰まっているじゃないか!!
擬態している……擬態城菓子だ! これは!
城もなかとパッケージのまま混ぜられたら、なかなか難しいゲームになる。
厚みが違うから触るとわかっちゃうけど。
初めて見たこの新たな城菓子、城もなかの派生菓子の新種族。なんだか新大陸に冒険に来た気分。
さらに気づく。
フロランタン、フロランタン……。
シロランタン、城ランタン!!!
これはダジャレを効かせた菓子じゃねーか! とネーミングの面白さにも気づく。
城もなかサブレに類似するタイプだが、フロランタンはサブレなどのクッキー生地にアーモンドなどのナッツ類をキャラメルでコーティングしたものらしいので、この城ランタンの場合は、クッキー生地の代わりとして城もなか皮を用いていることになる。
若干もなか皮では、クッキーやサブレのようなボリュームがないので多少物足りなさを感じるものの、これはこれで和洋折衷、パリパリ感はクッキーやサブレを勝り、アーモンドのポリポリ感、両者の個々の香ばしさが、キャラメルコーティングでうまくまとまっている。
新感覚、ニュータイプのお菓子。まだまだ今後の進化も期待できそう。
なおこちらの城ランタンは、越前おおの結ステーションにある「越前おおの結楽座」さんでも購入可能でした。
2.お菓子のひろせさんの「大麦ちょこ(OH!麦ちょこ)」
こちらもお菓子のひろせさんのお菓子。
お菓子のひろせさんの発想力や商品開発にかける思いには頭が下がります。
こちらも一見、城もなか。
でもさっきの城ランタンに比べれば、擬態具合はまだまだです。
なんせパッケージに、麦ちょこと書いてある。いくら城もなかの皮で擬態しても、これじゃモロバレですよ。
とはいえ、この新種族の発見も新しい出会いの嬉しい気持ちが爆発する。
城もなかの皮を裏返すと……。
やっぱり麦チョコだ!!
大麦の粒が綺麗に並んでいる。
城もなかの皮に、ふんわりした気泡が多い軽めのチョコが詰められていてそこに、麦が散りばめられている。
チョコも大麦も、独特の香ばしさを持ち、軽く、サクサクしていて、同じく軽く香ばしくパリパリの城もなかの皮と合わさって、楽しいハーモニーが聞こえる。
こちらもネーミングはダジャレか? と考えてみても「OH!」の部分が「おお」で、麦と合わさり「おお麦」=「大麦」――まぁなんか、本当にこれだけなのか……もっと深い絡みがあるのではと疑ってしまう。
誰か新しい解釈、意味を見つけた方は教えてください。
なおこちらの商品も越前おおの結ステーションにある「越前おおの結楽座」さんでも購入可能でした。
3.松田陽明堂さんの「天空のサブレモナカ」
三層角正面型の皮の片面にスライスアーモンド味のサブレが詰まったオレンジパッケージと、くるみ味のサブレの詰まったホワイトパッケージがある。
皮は小田原のもなか皮のお店で、城もなかの生産者でもあられる種秀さんから仕入れておられることが一発でわかる特徴的なモデル。
サブレが詰まっているというか、溢れている。
サブレが皮の枠をはみ出しているのは、初めて見るタイプ。サブレが城を飲み込んでいこうとしているような、怪獣映画を観ているような壮大な気分になる。
裏返すともうサブレにしか見えない。
とはいえ、サブレはゴンゴンに詰まっている訳ではなく適度な空間を持っているため軽く、食べても重たくならない。越前大野城の雲海を城もなかの皮にサブレで閉じ込めているようだ。
アーモンドスライスもくるみもナッツ類が好きなので、とても嬉しい味付けトッピング。
サクサクサブレと、パリパリもなか皮に、ポリポリナッツという、サクパリポリは、これまでも何度か登場したコンビネーション。
ある意味、あんこだけでない城もなかや城もなか派生の進化系の定番となりつつあるのでしょうか。サクパリポリ……。
パッケージの天空の城を模したイラスト、雲にのる城がかわいい。
松田陽明堂さんは、大野市陽明中学校の向かいにあります。
越前大野駅から見ると真北にあり、越前大野城に行く途中には寄れないので、ここを目指して行く必要があります。
越前大野駅から越前大野城へ行くのと同じくらいの距離があります。
私がお邪魔した時の話ですが、店頭を見ると城サブレらしいものがない……。
おお、まさかこれは、かつては販売していたけどやめちゃったパターンか? 観光目的の人はこっちに来ないだろうからなー。
いや待て、外の看板には「さぶれ最中」とあったような……もしかして、城の形をやめたのか?
そうでないとすると、じゃあもう売り切れた?
今までもそういうのあったからあり得なくない……めちゃくちゃ人気やんか! 侮った……なんてひとりであれこれモヤモヤして、少しやっちまったと思っていると、奥からお店の人が大量の天空のサブレモナカを運んでこられた!
これだけ並んでいると圧巻。美しさを感じます。
でもほんまよかったよ! 気分が下がりそうになってたところに、この押し寄せる出会いには気分がトランポリンのように跳ね上がりました!
ちなみにこれがお店の外にあった看板。
サクサクが止まらない〜というキャッチコピーがまさにそのとおり。
ハイブリッド和スイーツという表現にも、そういう言い方あるんだと勉強になりました。
営業時間 8:00~20:00 / 定休日 不定休 / 電話 0779-66-5388
4.亀寿堂さんの「亀山城」
もなかのようでもなかでない、饅頭のようで饅頭でない。食感を含め、大変珍しいお菓子でした。
今まで食べた経験がない。
食感も味も風味さえ、結構伝統菓子的なオーラをまといつつ、これってなんていうお菓子のジャンル? っていうタイプのお菓子。
いつも誰かに助けを求めてばかりですが、こういうお菓子をなんていうのかマジ知りたいです!!
誰か教えてください。
ひとまず「もなか」ではないかなと、饅頭の一種として処理してますが、饅頭の概念すら明らかに超えた種族に間違いないので、一体なんていうお菓子なのか……。
ちなみに菓子名である「亀山城」は越前大野城の別名です。それゆえ、越前大野城の城菓子です。
越前大野城のほうがなんとなく一般受けしそうなのに、あえてこのネーミングというこだわりにも心を動かされます。
食べてみた感想的には、砂糖にコーティングされたその皮がしっとりザラッとした独特の食感。
中にあるあんこをしっかり守っている。
パリパリ感はなく、どちらかというとシットリ系。上品さはピカイチ。
お洒落な高級感漂うパッケージ。
「亀山城」と書いてあるんだろうが、達筆すぎてちょっと学のない私には「山」しか判別できず。
「虎山体」と読んでしまうw 漢字、書体は難しいぜ。
なおこのパッケージ、一枚の紙になっており、仕掛けがあります。
広げると内側に越前大野城が隠れているのです。
粋な演出。そしてパッケージの細部までこだわりと手を抜かない精神が感じられて感動しました。
営業時間 8:30~20:00 / 定休日 不定休 / 電話 0779-66-4417
おわりに
今回は福井県の越前大野城に着目して、城もなかを探る旅に行ってきました。福井県では他に城もなかが確認できていないので、福井県唯一の城もなか産地といっても過言ではないでしょう。
しかしその唯一の城もなかの産地は、贈答用の手作り城もなかから、よく見るタイプの城もなかの装いでありながら、サプライズを含む城もなかや、フロランタンや麦チョコという新顔の城もなかの派生種、上品な未確認和菓子の城菓子と、新天地で新しい文化や物事に触れて感じる刺激的な新発見の嵐。
三層角右寄り型の城もなか皮は共通ながらもさまざまな展開が生まれているところにも面白さがあります。
皮は三層角右寄り型が必須のコンテストのような、街全体の一体感も感じられます。意図してないかもしれませんが。
というわけで充実の越前大野城の旅となりました。
もちろん越前大野城の素晴らしさ、心への染み込み方など、素晴らしい城めぐり体験でしたが、これだけのまったく違う種類の城もなか、城菓子たちとの出会いは、かけがえのない唯一無二の経験です。
新しい種族の城菓子、城もなかの派生には、今後の新しい潮流の要となるかもとの期待に胸を躍らせています。
今後の展開に乞うご期待です! 城だけでなく、城もなかの動向にも注目してもらえるとありがたいです。
暑い時期の城攻めで、移動や探索には体力勝負な面もありますが、城跡でのアドレナリンの分泌の場面場面が、たまらなく楽しい。城跡にいる興奮の城熱により、涼しい風が余計に気持ち良く感じます。
やめられないなぁと思いました。
その上で、城もなかとの出会いが、また城めぐりを充実したものへと格上げしてくれます。
また未知なる城もなかを求めて、そして城もなかの進化論も書けそうなほどの新たな派生の発見を楽しみに、お土産に持ち帰った城もなかを片手に、あれやこれやと城めぐりのルート検索に励みたいと思います。
ぜひ、みなさんも、福井県唯一の城もなかの街をご堪能くださいませ。
この記事をご覧になった皆様が、城もなかを通じて、城が愛される地域文化に触れるきっかけとなり、あらたな次元の城めぐりの世界が広がればと思っております。
それでは、
城めぐりのおともに「城もなか」を!
よき「城もなか」との出会いがありますことを祈っています。
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