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四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」のプレス内覧会に参加してきました

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本日4月22日(土)から京都文化博物館ではじまる四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」のプレス内覧会が昨日開催され、ありがたいことに攻城団もお声がけいただいたので参加してきました。

ぼくが好きな狩野山楽の絵もたくさんあって個人的にも非常におもしろく感じましたし、これはぜひみんなにも見に来てほしいと思いました(ちなみに東京のサントリー美術館でも2024年1月末から東京展として開催予定です)。
いつものように大量の写真を撮ってきたのですが、今回はあえてポイントを絞って紹介しますので、つづきはぜひ会場でご覧ください!

長益は主君を見捨てて逃げた卑怯者なのか?

1582年(天正10年)に起きた本能寺の変の際、織田信長の弟である織田長益(のちの有楽斎)は信長の嫡男・信忠と行動をともにしていましたが、信忠は自害した一方で、長益は生き延びています。
この史実自体は広く知られていますし、またこのエピソードから長益を「逃げた男」とネガティブな印象で語られることも多いですよね。でもそれは正しい評価なんだろうか、というのが本展のポイントのひとつです。

というのもこの特別展が開催されるきっかけが正伝永源院のご住職・真神さんたちの有楽斎の名誉回復を願ってのことだからです。
内覧会の前に真神さんの挨拶があり、そこで「長益のネガティブなイメージを払拭したい。彼はたんに逃亡したのではなく、織田家の血筋を残すための決断をしたんじゃないか」とおっしゃっていました。その真偽はわからないのですが、今回の特別展に向けて京都文化博物館で調査された結果、どうやらこの悪評は江戸時代初期に書かれた『義残後覚(ぎざんこうかく)』が初出らしいのです。

加賀中央図書館が所有するものが第1部に展示されています。

「織田家の悪口に満ちている本」と西山学芸員は紹介されていましたが、Wikipediaにも「豊臣秀吉に関しては絶賛に近い形で紹介されるが、織田信長については酷評されている」と紹介されてますね。
ゲームでは謎のキャラクターとしてよく出てくる幻術師・果心居士の記述もあるようで、たしかにうさんくさい系の本のようです。

現代でもフェイクニュースが拡散して、その訂正記事はまったく読まれず、まちがった情報だけが広まり定着してしまうことはよくありますが、徳川家康が織田家で悲惨な人質時代を起こしたエピソードのように、この長益の悪評も創作話が引用されまくった結果、数百年後には事実として語られてしまったことのひとつなのかもしれません。

しかし「逃げの源吾(長益の名は源吾)」と伝わる長益がもし本当に卑怯者なのであれば、彼はその後、秀吉や家康から相手にされることもなかったでしょうし、武士の社会で立場を守ることもできなかったはずです。
つまり逆説的ではあるけれど長益のその後の活躍は、彼の行動が当時の価値観において非難や軽蔑の対象ではなかったことを証明しているとも言えます。

――というような理解のもと、長益がどんな人たちと交流し、どんな役割を果たしたかについての展示がつづきます。

やっぱりすごい「蓮鷺図襖」

第3部からは織田有楽斎時代、つまり武士としてよりも茶人や文化人としての彼を紹介する展示となっています。
有楽斎がつくった国宝の茶室「如庵」は千利休好みの「待庵」、小堀遠州好みの「密庵」とともに国宝三茶室のひとつですが、その扁額(犬山にあるものではなく正伝永源院に伝わるもの)や、多くの茶道具が展示されています。

千利休や武野紹鴎が作った茶杓もあれば、有楽斎自らがつくった「落葉」と名付けられた茶杓も展示されていました。

また茶碗のコーナーには「有楽井戸」と呼ばれる大井戸茶碗のほか、徳川美術館やマスプロ美術館から借りてきた有楽好みの茶碗が展示されています。

そしてこの特別展の目玉はなんといっても狩野山楽が描いた「蓮鷺図襖」でしょう。
チラシにも使われている、このインパクトのある金碧障壁画は豪華で美しいのでぜひ間近で見てほしいです。ちょうど椅子もあるのでしばらく座って見るのがいいですね。

ぼくは2022年3月の「京の冬の旅」で正伝永源院が特別公開された際に「蓮鷺図襖」を見ましたが、今回は室中と同じ配置で展示されています。
有賀学芸員に案内された際、その演出の素晴らしさに自然と「すごい」と口にしてました。

そして最後の第5部は現在の正伝永源院ということで、現役の茶道具などが展示されています。
茶事に関する秘伝のマニュアルとも言える「正傳集」なども必見です。

ということで、ポイントを絞って紹介しましたが、これはほんの一部です。
書状も茶道具も障壁画もまだまだたくさん展示されていますので、残りは会場でご覧になってください。
図録も売ってたのでお帰りの際はぜひ!

動画レポート

画像が粗くて申し訳ないですが、動画レポートです。学芸員のみなさんの説明も聞こえますのでぜひどうぞ。


www.youtube.com

招待券プレゼント

この特別展「大名茶人 織田有楽斎」のペア招待券を抽選で2名の方にプレゼントしますので、ふるってご応募ください。

プレゼントの応募受付は終了しました。

news.kojodan.jp

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