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福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館へ行ってきました

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昨年10月にオープンした福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館へ行ってきました。

去年から行きたかったのもあるのですが、団員の瀬戸さんが現地でガイドをされているという話を聞いていたので、せっかく福井城重ね捺し御城印スタンプラリーの取材で福井にいくならとそのまま福井駅前に宿泊し、翌日訪問することにしました。
事前に取材の申請をして、カメラマンの山口さんにも同行してもらったのでバナーのようにツーショットの写真も撮ってもらえました。

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の紹介

一乗谷を訪問したことのある方なら、復原町並とともに福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館にも立ち寄られた方が多いと思います。ぼくが前回訪問したのは攻城団の記録によれば2010年のことですが、このときもタクシーに少し待っていただいて資料館を見学したのをおぼえています。
この資料館の向かいに建てられたのが福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館です。ちなみに現在、資料館は分館となっています。

建設の際の発掘調査で発見された川湊「一乗の入江」の一角と推定される遺構をそのまま露出展示するなど、いろんな点で最先端の博物館でした。
もちろん常設展には一乗谷朝倉氏遺跡で見つかった国指定重要文化財を多数含む約500点の出土品や城下町を再現した巨大ジオラマもあり、朝倉氏の歴史についてたっぷりと学べる展示内容となっています。
(さらに訪問時は特別展も開催中でした)

瀬戸さんに館内を案内してもらった

今回は博物館団体ガイド(4000円)に申し込んで対応していただきました。
このガイドは人数に関係なく定額なので、たとえば4人なら割り勘でひとり千円になります。いちおう20〜30人をこえるとガイド2名になるとか上限もあるそうですが、家族や友人で訪問する際は検討してみてもいいかと思います。
なお土日祝日は1日4回の無料ガイドも開催されているので、それに参加するのもいいですね。
(個人的には他の方もいるところでたくさん質問するのは気がひけるのでマンツーマンの有料ガイドのほうが安心です)

1階、最初のガイダンスエリアはビデオの上映からはじまります。
朝倉氏の歴史について紹介する内容ですが、あくまでも朝倉氏目線で語られているのでおもしろかったです。

そのとなりにはパネルで朝倉氏の年表や家系図が展示されています。

朝倉氏はどうしても織田信長に滅ぼされた悪役、弱小大名のイメージが強いかもしれませんが、そもそもは下剋上によって越前を支配した戦国大名であり、100年つづいた戦国大名家という点では小田原北条氏などと並び数少ない名門です。
当時の一乗谷には1万人をこえる人口がいたとされ、国内トップクラスの城下町だったとか。

また博物館の学芸員の仕事を紹介するコーナーもありました。
発掘調査をするだけでなく、出土品を分析したり、展示するために修復をおこなったりと、ぼくらが目にするまでにいろんな工程があることを知れました。

その奥にあるのがこの博物館の特長のひとつでもある「遺構展示室」です。


石敷遺構をそのまま露出展示するという最新の展示方法は全国から学芸員の方が見学に来られるほどで、素人目にも貴重なものを見せてもらってる感動がありました。

照明を落としたり、空調を外気温にあわせたり、展示室内は暗くて寒いのですが、これも苔や虫などを防いで遺構を守るためにやっているそうです。
毎日細かく記録を取られているので、今後きっと増えるだろうこうした露出展示の基礎データになるのでしょうね。

ここまでが1階でした。
出土品がひとつも展示されてなかったのですが、じつは理由があって洪水などの被害でダメージを受けないように、出土品はすべて2階に展示しているそうです。
(かつて向かいの資料館で被害にあった教訓を活かしたとのこと)

ただ訪問するだけだとどうしてこういうフロア構成になっているのかとわざわざ考えたりしないと思いますが、ガイドをお願いすると個々の理由についても教えてもらえるのでいいですね。

2階の展示は盛りだくさん

ということで2階に上がってきました。最初は基本展示室(常設展)です。
最初にある大きな復元イラストは今後の発掘調査の内容を反映してどんどん書き換えていくとか。

フロア内には大量の出土品が展示され、パネルでの解説も充実しています。

そしてこの博物館がすごいのはすべて撮影可能だということです。
(個人の趣味の範囲での公開であれば取材申請をしなくても撮影は可能です)

ここに紹介しているのはほんの一部なので残りはぜひ訪問して自分の目で見てください。

ぼくが大好きなジオラマもあります。

30分の1のスケールで再現された城下町のジオラマは、これまでの発掘調査や研究の成果や徹底した歴史考証をもとにつくられており、建物だけでなくそこで暮らした人々も人形を使って表現されています。

瀬戸さんに教えてもらったことで驚いたのがこの石灯籠です。

金箔が貼られていたそうで、いまでも一部だけ残っているのですが、わかりますか。

このいかにも高価な石灯籠ですが、じつは城下町の入口にあったそうです。
オープンな場所に置いてあっても誰も盗まなかったことが、当時の一乗谷の裕福さや治安の良さを示していると。

これだけの展示を見ただけでもお腹いっぱいなのですが、さらに隣の展示室がすごいです。
ここには5代当主・朝倉義景が暮らした朝倉館の一部が原寸大で復元されています。博物館内に建物がそのまま建てられているなんてびっくりですね。

もちろん焼けてしまったので、室内の障壁画などは想像復元なのですが、朝倉氏のお抱え絵師であった曾我派の絵を模写しています。

そんなこだわりのある原寸再現ですが、復原町並の向かいにある一乗谷朝倉氏遺跡の訪問前に見学しておくべきです。
というのもこの花壇を見ておいたほうがいいからです。この笏谷石で囲われた花壇は来客が見る側は整形された石で囲われています。反対側だけ不整形なのは水はけを考えてのことらしいです。

これが現地の花壇です。来客が見るのと反対側ですね。

ちなみにこの花壇の花はすべて造花で、生花だと虫が入り込んで隣の出土品などに被害が出るかもしれないからとのことでした。これほどまでに細心の注意を払って計画・設計されているんですね。

庭園の石も3D測量でデータを取っているので完全に同じ形になっているとか。

特別展示室では特別展「東山文化と朝倉文化」が開催中でした。
点数は多くないものの、雲龍堆黒香合(サントリー美術館蔵)や、牧谿筆「芦雁図」(個人蔵)など貴重な唐物が展示されていました。
(ここも一部をのぞいて撮影OKです)

news.kojodan.jp

ランチ後は復原町並へ

ひととおり館内を案内してもらったので、瀬戸さんとミュージアムカフェ「CARAMON」でランチをしました。

瀬戸さんが考案したという「宗滴カレー」をみんなで食べましたが、とてもおいしかったです。

その後、瀬戸さんとわかれてぼくと山口さんは復原町並へ向かいました。
復原町並へは無料の送迎バスが運行されているので便利です。レンタサイクルもあるので、バスの時間によっては利用するといいと思います。

バスは車内もおしゃれです。

この日は復原町並、そして一乗谷朝倉氏遺跡を40分ほど見学しました。

今回は夕方のサンダーバードで京都に戻らなければならなかったので、山城は登れなかったのですが、博物館だけで数時間は楽しめるので、復原町並を見学して、山城まで行こうと思うと一泊二日で計画したほうがいいと思います。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館のみなさん、ガイドをしてくれた瀬戸さん、ありがとうございました。
朝倉氏についてもっと知りたくなったので、また勉強しに行きたいと思います。

asakura-museum.pref.fukui.lg.jp

kojodan.jp

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