お城関係の本を見たり、現地の案内板やカタログを見たりすると、「五重六階」とか「三重三階」と書かれているのを目にします。
この重とか階というのは何を表しているのでしょうか?
ちなみに犬山城天守は「三重四階地下二階」です。
では、これが何を表しているのかをほかの現存天守なども一緒に見てみましょう。
「重」は屋根の数、「階」は内部の階数
天守は三重以上の高層建築です。
この「重」というのは屋根の数を表しています。
つまり外から見たとき、屋根がいくつ積み上げられているかというのが「重」です。
「層」と書かれたものも目にすることがありますが、建築の世界では「重」を使うそうです。
そして「階」というのは内部の階数を表しています。
このことから例えば「三重三階」と言えば、外の屋根が三重で、中の階が三階ということを表します。
もう一つ「五重六階」と言えば、外の屋根が五重で中の階が六階ということを表しています。
望楼型天守と層塔型天守の重と階
天守の形は2種類あります。
望楼型天守と層塔型天守です。
この二つについて、それぞれ重と階がどうなるのかを見てみましょう。
望楼型天守の場合
望楼型天守の場合は内部に屋根裏階を持つことが多いため、重と階が一致しないことも多いです。
しかし、重と階が一致する例もあります。
望楼型天守である姫路城は五重六階、同じく望楼型天守である広島城は五重五階です。
層塔型天守の場合
層塔型天守の場合は一重目を特に高く建てることが多いため、重と階が一致しないこともあります。
逆に三重の層塔型天守は、重と階が一致する例が多く見られます。
例えば小田原城天守は三重四階です。
逆に名古屋城天守は五重五階です。
犬山城天守は三重四階建て
では、犬山城天守の場合を見てみましょう。
犬山城天守は望楼型天守です。
そして外の屋根の数は三重です。
内部の階数は四階です。
さらに石垣の部分は地下になっており地下二階です。
つまり犬山城天守は「三重四階地下二階」建てということになります。
どこの部分が3階なのか?
ではどこの部分が3階なのかということについて見ていきます。
二階までは重と階が一致しています。
そして二階には大入母屋屋根があり天井がとても高くなっています。
この屋根裏に階を設けて作られているのが三重です。
破風の間とも呼ばれるところです。
次回犬山城天守に行く時はここもチェックポイントですね。
現存12天守は何重何階?
他の天守がどうなっているのか、現存12天守を例に見ていきましょう。
下の一覧表をご覧ください。
最も高層なのは松本城天守、姫路城天守、松江城天守で、五重六階建てです。
重と階の不一致が大きいのは、高知城天守です。
丸亀城などは重と階が一致した層塔型天守です。
逆に彦根城は望楼型天守ですが、重と階が一致している例です。
まとめ
外の屋根の数と中の階数とをそれぞれ表して、◯重◯階と表すことがよくわかりましたね。
ということで、天守の重と階がどういう意味なのかということと、犬山城天守が三重四階地下二階建てというお話でした。
じゃあね🖐️
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