大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で「北条(の)時政」と「の」が入ることに違和感をおぼえる方が多いようですが、どうもこの時代は氏(うじ)にも苗字にも「の」をつけて読んだり書いたりしていたそうです。
数年前に「真田丸」で秀吉が「豊臣(の)秀吉」と名乗っており、このときに「の」が入るのは源平藤橘に代表される氏(うじ)だけで、豊臣も正親町天皇から秀吉に下賜された氏(うじ)なので「の」が入ると教わったものだから余計にややこしいのですが、まあ厳格なルールに基づいて呼び合っていたわけじゃないというのは歴史を振り返れば当然という気もしますね。
(それに同じ脚本家である三谷さんがそのへんを確認せずに書いてるわけがない)
それはさておき、先日おこなわれた共通テストの日本史Bを腕試しに解いてみたのですが、その最初の問題がまさに「の」が入るかどうかについての問題でした。
姓(せい)と苗字(名字)はちがうということを解説した上で、北条政子は「苗字(名字)+名(個人名)」だから「の」が入らないという内容でした。
大河ドラマを意識しての出題ではないと思いますが、じつにタイムリーですね。そしてじっさいには苗字にも「の」が入ることがあったとしても、教科書・共通テストとしては苗字に「の」はつけないという回答にするのも理解できます。
たぶん徳川家康とかもうちょっと時代があとの人を例にしたほうが無難だったかもしれませんが、そのあとに小野妹子と北条政子の比較から「子」という字がかつては男性名に使われていたという問題があるのでしょうがないかな。
(もっとも本人が「北条政子」を名乗った記録はないそうですが)
攻城団では教科書の読みあわせ勉強会をやってます
ちなみに今回の共通テスト、ぼくの合計点は75点でけっして自慢できるほどの高得点ではないのですが、自分としては成長を感じることができる結果でした。
というのも攻城団では2019年夏から毎月Zoomを利用して(当初は隔月ペースで対面、コロナ禍以降はZoomで)「日本史の知識をアップデートするための勉強会」を開催していて、その最初の勉強会で腕試しとして解いてみた平成30年度の試験が40点しか取れなかったのです。
2年半で35点アップ!
(早くまた対面での勉強会を再開できるといいなあ)
勉強会ではまだ戦国時代と江戸時代の初期しかやってないので(教科書をゆっくり読み合わせていくスタンスです)室町時代以前と江戸中期以降についての問題は勘で答えたのがたまたま当たってただけなんですけどね。
でも問題文をちゃんと読めば消去法で選択肢をひとつかふたつに絞り込める問題が多かったので、焦らなければある程度は点が取れる良問だと感じました。
この勉強会は「授業じゃないから」「テストのためじゃないから」を前提にしているので、教科書一冊を何年かけてもいいし(2時間で数行しか進まないことも!)、参加者が疑問に感じて事前に調べてきたことを共有することを重視しています。
教科書の1ページ目からやらず、いちばんなじみのある戦国時代からはじめたのもそのひとつなのですが、せっかく大河ドラマが鎌倉時代なので、次次回からはページを戻って「中世」の最初からやろうと思っています。
オブザーバー的に榎本先生にも参加していただいているので、わからないところは教えていただけるし、攻城団の団員であれば誰でも参加できますので興味のある方は一度ルームをのぞいてみてください。
(参加にあたって教科書は各自購入してください)
おまけ
最後に冒頭の「の」と同じくややこしい「織田氏」と「織田家」のような氏と家のちがいについても前にまとめたのでご参考まで。