かつて豊臣秀吉が洛中をぐるっと22.5kmにわたって囲っていた御土居ですが、いまでも京都市内にはいくつか部分的に残っています。
いちばん有名なのは北野天満宮の中にあるもので、ここは以前見学したことがあります。
北野天満宮の御土居はかなり間近で見ることができるのですが、市内各所に残された御土居は国の史跡ということもあり、フェンスで囲われていて近づくことはできません。
こんなふうに立入禁止になっています。
でも用紙に名前を書くだけで、この中に誰でも入れるってご存知でした?
ぼくも先日教えてもらったばかりなのですが、さっそく出かけてきました。
鷹ヶ峰にある光悦堂へGO
上の立入禁止の写真はちょうど北端(正確には北西隅)にあたる鷹ヶ峰の御土居です。
この眼の前にある和菓子屋さん「光悦堂」でお願いをすれば南京錠の鍵をお借りすることができるんです。
ご主人にひと声かけて、用紙に名前と連絡先を書くだけです。
立入禁止区域に誰の付き添いもなく勝手に入るのはドキドキしますが、お借りした鍵で門を開きます。
土塁の高さは5m以上はあったように思いますが、こちらが外側、つまり「洛外」にあたります。
けっこう広いスペースなのですが、おそらくこれがそのまま御土居の外側の空堀なのでしょう。
謎の石組み。
もちろん当時のものではないのでしょうが、なんなのかわかりませんでした。
土塁の上にも登れるので、登ってみました。
時期的に草ボーボーだったので奥まで行くのは断念しましたが、隣のアパートの屋根とだいたい同じ高さだということがわかります。
道路側を見るとこんな感じ。前に見えてるのが光悦堂さんです。
奥に見えてる山は比叡山。
見学時間は10分程度でしたが、貴重な体験ができました。
御土居の規模がすごいことは数字や地図上では理解していましたが、こうして自分の目で見てしかもじっさいに登ってみて高さを実感できたのはよかったです。
洛中と洛外の境界ですから、どうしても市内の中心部からは距離もあるし、アクセスもよくないのですが、近くに「鷹峯上ノ町」バス停があるのでクルマがなくても大丈夫です。
京都駅からだと地下鉄で北大路駅まで出て、そこから市バス・北1号系統に乗ればOKです。阪急を使う方は大宮駅から市バス・6号系統に乗れば行けます。
ほんとうに誰でも見学できますので、お店の定休日(木曜日)だけチェックして出かけてくださいね。
御土居餅もオススメ!
光悦堂さんの名物がその名も「御土居餅」です。
御土居餅の存在自体は以前、京都市考古資料館を訪問した際に館長から教えていただいていたのですが、まさかここでつながるとは。
こしあんの豆大福でとてもおいしかったです。
じっさいにはわらび餅とかほかにもいろいろ買って帰ったんですけど。
ちなみに光悦堂の前の道をそのまままっすぐ坂をのぼっていくと、悟りの窓・迷いの窓で有名な源光庵があります。
(残念ながら2021年まで拝観休止)