北海道には中世の城に相当するものとして、アイヌ民族が作ったチャシというものがあります。
アイヌ独特の文化に基づくチャシについて、今回は学んでいきましょう。
チャシはアイヌの城
チャシというのはアイヌ語で「囲い」という意味です。
アイヌの人々が造った城砦(じょうさい)で、北海道、千島列島、樺太などにに約500あります。
築造年代は16~18世紀と言われています。
チャシは自然地形をうまく利用しており、山や丘などの高い場所に築かれています。
また、壕や土塁、崖などで区画された造りです。
お城として使われた以外にも聖域、祭祀・祭礼や談合の場として使われていたことも多かったようです。
実際の用途はとても多様だったと考えられています。
城として有名なチャシはシベチャリチャシ(北海道新ひだか町)です。
1669年(寛文9年)には和人(アイヌ以外の日本人)の横暴に対してアイヌ民族の一人シャクシャインが起こしたシャクシャインの乱で使われたことで有名です。
チャシの形態
チャシは4つの形式に分類されます。
丘先式、面崖式、丘頂式、孤島式です。
- 丘先式
- 面崖式
- 丘頂式
- 孤島式
根室半島には岬や丘の一端を溝で区切って造られる面崖式(めんがいしき)が一般的で、オンネモトチャシ(北海道根室市)が有名です。
日本100名城にも選ばれたチャシ
北海道には500箇所を超えるチャシがあったと言われています。
根室市内には32か所のチャシが確認されており、そのうちの24か所が「根室半島チャシ跡群」として国指定史跡になっています。
また、日本100名城にも選ばれています。
日本100名城のNo.1に選ばれているのがこの根室チャシ跡群です。
道東に行った際にはぜひこのチャシ群を見に足を運んでみてください。
なかなか行けないという方には、素晴らしい動画を見つけましたのでコチラをご紹介します。
まとめ
北海道には中世の城に相当するアイヌ民族のチャシというものがあります。
チャシはお城として使われるだけではなく、祭祀・祭礼、談判場にするなど色々な用途に使われていたようです。
ということで、北海道の独特な形をしたチャシについてのお話でした。
じゃあね🖐️
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