残念ながら開催にはいたらなかった「福井県の名城めぐりバスツアー」ですが、あのとき作家の藤咲あゆな先生から参加を呼びかけるコメントをいただきました。
なにかお礼をと思ってぼくらがお役に立てることがないかと連絡したところ、ちょうど新刊が発売されるタイミングだったこともあり、その紹介をさせていただくことにしました。
「幕末姫―葵の章―」というタイトルで、江戸時代の終盤、徳川将軍でいうと13代・家定、14代・家茂、そして15代・慶喜の三人の将軍に嫁いだ女性たちのお話です。
ちょうどいまの大河ドラマ「西郷どん」にも篤姫が登場していますが、この動乱期、しかも落ち目といってもいい徳川将軍家に嫁ぐというのはさぞかし大変だったと思うんですよね。
ちなみに本書は子ども向けとありますが、歴史を学ぶのに年齢なんて関係ないですし、むしろ人物名などにすべて読み仮名がふってあるのでぼくは「ありがたいなあ」と思いながら読んでます。
歴史は出来事の年表を丸暗記することではなく、その時代に生きた人々を想像し理解することだと思うので、そのとっかかりとしてもすごくオススメです。
最後に、藤咲先生からのメッセージをご紹介しますね。
(サイン本プレゼントの応募フォームはその下にあります)
なお、プレゼントの抽選まで待てない!」という方やサイン本は大事に取っておきたいので読む用には別途購入するという方はこちらからどうぞ。
みなさん、こんにちは。作家の藤咲あゆなです(私も団員ですが登録名はナイショです。ごめんなさい!)。
福井県の名城めぐりツアー......流れてしまって、とても残念でした(泣)。いつかまた機会があれば参加したく思います!
さて、前回、ツアーへの呼びかけをさせていただいた際、「全国各地へ取材に行くときに、攻城団にアップされた皆様のデータに大変お世話になっています」ということを書いたのですが、今後も皆様への恩返しと攻城団の一団員としてサイトを盛り上げるお手伝いをしたいなと思い、団長さまのご厚意で今回、本の内容を紹介する機会をいただきました!
恥ずかしながら、ここで2月23日に発売になった新刊の宣伝をさせてくださいませ。
「幕末姫―葵の章―」(集英社みらい文庫刊)
これは「戦国姫」シリーズの姉妹版にあたります。今年は明治維新150周年ということで、全国の子どもたちに、戦国だけでなく幕末の歴史に親しんでほしいと考えて企画し、出版する運びとなりました~~。あ、もちろん、大人の方にも楽しんでいただけますよ!「葵の章」というサブタイトルでピンときた方がほとんどかと思いますが、この本は徳川幕府の3人のお姫様を主人公としたオムニバスになっています。それでは、それぞれのお姫様を簡単に紹介させていただきますね。
「篤姫」
ご存じ、大河ドラマ「篤姫」で知名度が急上昇したお姫様。もとは薩摩の島津分家の姫(藩主・島津斉彬の従妹にあたります)ですが、第13代将軍・徳川家定の正室となり、倒幕後も徳川家を支えた〝烈婦〟です。気が強いと言われる彼女ですが、「ペリー再来航」や「嘉永の大火」や「安政大地震」などで、嫁ぐ日が何度も延ばされ、嫁いだあとは身体の弱い家定の後継者を誰にするかという「将軍継嗣問題」に巻き込まれ、何度も何度も泣く思いをしています。そんな彼女でしたが、次第に徳川の妻として強く生きていくようになりました。この本では徳川幕府が滅亡したのちも徳川を支え続けた彼女の人生に迫ります。「和宮」
公武合体政策のために第14代将軍・家茂に嫁いだ皇女。こちらも大変、有名なお姫様ですね。和宮は最初はいやいや嫁ぎましたが、次第に家茂と打ち解け、仲睦まじくなっていきます。篤姫とも最初のうちは対立することが多かったですが、家茂の三度にわたる上洛、家茂の死、そして、討幕の嵐が吹き荒れる中で篤姫とともに難局にあたり、固い絆を築いていきます。家茂との夫婦愛も見どころですが、徳川幕府を守るために、篤姫とともにどのように力を尽くしたかをぜひ知ってほしいです。「徳川美賀子」
徳川幕府最後の将軍、第15代・徳川慶喜に嫁いだ公家のお姫様。慶喜と婚約していた姫があばた顔になり、その身代わりとして嫁ぐことになりましたが、篤姫と同じく御所が炎上した「嘉永の大火」で輿入れが一度、延びています。やっと嫁いだと思ったら、今度は義理の祖母・徳信院直子(祖母といっても慶喜との年齢差はわずか7つ)と慶喜の「恋人同然」の仲の良さに嫉妬を覚える日々が続き、ついには自殺まではかり......。「篤姫」と「和宮」と違い、夫との夫婦仲はなんだか微妙ですが、徳川幕府滅亡の影にこういうお姫様もいたのだということを知ってほしくて書きました。あとがきでは、家茂の元婚約者だった公家の姫「徳川則子」も紹介しています。彼女は家茂が将軍になったのち、紀州藩主に嫁ぎ、徳川幕府滅亡の影で気丈に生きた姫のひとりです。
そのほか、複雑な幕末の流れを簡単に知ることのできる「早わかり激動の幕末」や和宮の成長とともに行われた数々の行事を紹介した「宮中は儀式だらけ?」などのコラムも満載。
「幕末姫―葵の章―」。よかったら、お手にとってご覧くださいませ~~。
......あ、最後にひとつ。肝心なことを忘れていました。この本に出てくるお城は「鶴丸城(鹿児島城)」、「江戸城」、「二条城」くらいで、詳しい描写などはほとんどありません(笑)。お姫様がメインなので、その点はご了承くださいね~~!