江戸時代の戦のない世の中になると、外壁も新しいものが登場してきました。
それは技術の革新もありますが、天守の格式を高めるという目的もあったようです。
今回はそれらを見ていきたいと思います。
銅板、鉄板貼り
まずは、外壁に銅板や鉄板を使ったものです。
江戸城の天守は銅板張りとしていたと考えられ、将軍の権威を示すには十分すぎるほど高価なものでした。
鉄板を張ったものには福山城天守があります。
これは砲弾を防ぐためにつけられたと言われています。
全国的にもとても珍しい例です。
海鼠壁(なまこかべ)
さらに、瓦を使った海鼠壁(なまこかべ)というものもあります。
瓦を壁に張り付け瓦と瓦の継ぎ目を漆喰(しっくい)で目地を盛り上げる作り方です。
その盛り上げた形がナマコに似ているため、海鼠壁と呼ばれています。
▲ 金沢城の復元された海鼠壁。とても素晴らしい意匠で、加賀百万石を醸し出している。
大壁造(おおかべづくり)と真壁造(しんかべづくり)
天守の外壁で柱を見せない構造を大壁造(おおかべづくり)と呼びます。
一方で柱を見せるものを真壁造り(しんかべづくり)と呼びます。
大壁造が基本ですが、真壁造りは寺社建築の意匠であり格式が高いのが特徴なため、天守の格式を高める目的で使われました。
犬山城天守や広島城天守の最上階は、柱や長押(なげし)を見せる真壁造りになっています。
▲ 最上階は柱や長押がむき出しになった”真壁造”の広島城天守
まとめ
天守やその他の建物の外壁にはさまざまな種類や仕上げがあることが分かりましたね。
ということで、城郭の外壁は意匠をとっても大事にするんだね、というお話でした。
じゃあね🖐️
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