城への出入り口を守る門の扉は、とても頑丈にできていました。
城の門扉(もんぴ)の構造については、いろいろな本などでもあまり説明がないかと思いますので、今回は城門の門扉の構造について簡単に説明してみたいと思います。
構造
門扉(もんぴ)の構造は基本的にはどの扉も同じです。
つまり、框(かまち)という四方の枠に縦格子(たてごうし)をはめ込んで、横に貫(ぬき)を通して固定します。
表面には厚い板を張って扉とします。
格子が縦なので板は横向きに張ります。
特に厳重にしたい門には、扉の表面に短冊状の鉄板を隙間なく打ちつけます。
このような門を鉄門と呼びます。
さらに、隙間を空けて鉄板を張ったものを筋鉄門(すじがねもん)、銅板を張ったものを銅門(どうもん・あかがねもん)と言います。
門扉の取り付け
門扉は肘壺(ひじつぼ)と呼ばれる金具を使って門に取り付けられます。
肘壺は肘金(ひじがね)と壺金(つぼがね)の二つからなります。
壺金は扉に、肘金は鏡柱に付けられます。
肘金の突き出た先には乳金物(ちちがねもの)というまんじゅう型の金物で隠されます。
鏡柱は門の正面を長辺とする長方形をしていますが、それは肘金を通すためにそのような形になっています。
壺金は扉1枚につき2から3箇所に取り付けられ、肘金の芯棒を壺金の穴に通して扉を釣ります。
この回転によって扉の開け閉めができるようになるのです。
門の戸締りには閂(かんぬき)が使われます。
まとめ
門扉の構造について見てみました。
あまり門扉に注目してみることはないと思いますが、今度お城巡りをした時には門の扉についても注目してみるととても面白いと思います。
ということで、あまり語られることのない門扉の構造についてのお話でした。
じゃあね🖐️
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