城郭の内外には土塀などの塀が立てられ、曲輪を囲ったり城郭全体を囲ったりしていました。
その土塀には骨組みのあるものとないものがあります。
今回はこの土塀の種類について見てみましょう。
骨組みのある土塀
城の一般的な土塀(どべい)は、壁の内側に土台や柱といった骨組みを持つものが多く、いわゆる塗塀(ぬりべい)というものです。
土台や柱が骨組みとなり、柱と柱の間を小舞(こまい)を結んでそこに土を塗って仕上げるものです。
骨組みのない土塀
骨組みのない土塀には構築方法によって、築地塀(ついじべい)と練塀(ねりべい)に分けられます。
築地塀(ついじべい)
築地塀は奈良時代から、大寺院の周囲を囲む塀に使われたり、貴族の邸宅の周囲などにも建てられました。
近世になって城内に作られたもので、現存しているものはほとんどありません。
築地塀の原料は砂と粘土を混ぜた土砂です。
木の板で型枠を作りそこに土砂を数cm入れて棒で固めます。
さらに数cm入れて固めます。
これを繰り返し行なっていくことを版築(はんちく)と言います。
これを繰り返して型枠を外すと厚さ1m 高さ3mもの土塀が出来上がります。
頑丈にできますが、時間と労力がとてもかかる作り方です。
練塀(ねりべい)
練塀は古い瓦や小石を粘土で接着しながら積み上げていく作り方です。
最後に土壁を塗ります。
築地塀に比べて労力がかからないため、近世の城郭ではこの練塀なども多く使われました。
骨組みがないため、壁の厚さは築地塀よりも薄く30cm程度だったようです。
まとめ
土塀の種類には骨組みのあるものとないものさらに骨組みのないものは築地塀と練塀があります。
塀についても注目してみると面白いですね。
という事で、あまり知られていない土塀の種類についてのお話でした。
じゃあね🖐️
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