熊本城には天守とは別に6基の五階櫓があったそうです。
そのうち、唯一現存しているのがこの3重6階(地下1階)の宇土櫓です。
五階櫓の中でも「三の天守」とも呼ばれており、高さ約19メートルもあります。これは熊本城では大小天守をのぞいて最大の櫓です。現存する天守と比べても、姫路城、松本城、松江城の天守に次いで4番目の高さとなっています。
ちなみにこれは天守から見た宇土櫓です。
以前は「宇土城の天守を移築した」と伝えられていたのですが、1927年(昭和2年)の解体修理の際には移築の痕跡が見られず、現在は否定されています。
加藤清正が創建した初代天守ではないかという見方もあるそうです。
内部は撮影も可能です。
武者走りも。
銃眼(鉄砲狭間)
敵が攻めてきた場合、中から鉄砲を撃つための装置です。矢を射るための矢狭間は形が少し異なりますが、同じ目的です。
熊本城では長方形を主としていたようですが、他の城郭では円形や三角形のものなどいろいろな形のものがあります。武者走り
戦闘時には、おし寄せる敵に対して素早く対応するために、原則として櫓の城外側には必ず廊下が設けられます。このような廊下のことを武者走りといいます。Gunports (loopholes)
These are devices through which defenders could shoot use guns to shoot at attacking enemies. Loopholes through which arrows are shot are different in shapes, but used much in the same way.Mushabashiri
External corridors of towers tha enable quickly attacks on advancing enemies during battles.
こういう時代の生々しさを感じる櫓はいいですね。
最上階には廻縁もあって、天守をのぞむことができます。
宇土櫓はほんとうにオススメです。
熊本城を攻めた際にはぜったいに立ち寄りましょう!
宇土櫓(うとやぐら) (重要文化財)
熊本城内に残る唯一の多層櫓で、外観は三層、内部は五階に地下を備えている。古くから小西行長の宇土城天守を移築したものと伝えられ、宇土櫓の呼び名の起りとされた。しかし、解体修理の調査などから、熊本城内で創建された櫓であることが明らかとなった。
木材は主にマツを使い、他に栂(つが)・楠(くす)・栗(くり)等も使用している。黒光りした手斧(ちょうな)痕の残る柱には歴史の重みが実感できる。屋根瓦は全部で四万六千枚にも達し、その中には四百年の歳月に耐えた加藤家の桔梗(ききょう)紋を持つ瓦も残っている。
明治十年(一八七七)二月十九日の城内火災では、折からの強い西風で風上に位置したことから、幸運にも難を逃れた。昭和六十年から五年がかりで修理を行い、平成元年十月から一般公開している。Uto Turret (Important Cultural Property)
The only original multi-layered turret remaining on the grounds of Kumamoto Castle, Uto Turret has three exterior layers and an interior with five floors and basement. The turret is mainly composed pine wood. As many as 46,000 tiles in total are used on the roof. It underwent repair in 1985 and was reopened to the public in October, 1989.