明石城
明石城

[兵庫県][播磨] 兵庫県明石市明石公園1-27


  • 平均評価:★★★☆☆ 3.44(74位)
  • 見学時間:1時間1分(73位)
  • 攻城人数:3143(30位)

巽櫓

巽櫓は本丸の南東端に築かれた3重櫓です。
この櫓は船上城から移築されたと伝わっており、船上城の天守だった可能性もあります。

その規模は、桁行五間(9.03m)、梁間四間(7.88m)、高さ七間一寸(12.53m)、240トンで、各階の高さは3m弱となっています。
本瓦葺、妻部を東西に置く入母屋造りで南を向いています。

巽櫓の各面の特長

南面第一層の軒先に華麗な唐破風、第二層の軒先に柔らかな千鳥破風を据え、第三層の軒先を強い直線でおさめている
東面第三層の妻に対して、第一層に千鳥破風を置き、第二層は直線としている
西面東面のつくり方と変わらないが、第二層、第三層には窓がない
北面城内に向かう面で第二層、第三層には西面と同じく窓がなく、第一層には入口がある

巽櫓の主要寸法

1階 2階 3階
桁行 9.03m 7.21m 5.54m
梁間 7.88m 6.06m 4.39m
軒の出 1.21m 1.21m 1.21m
軒高※2・3階は柱盤上端より 2.73m 2.92m 2.86m
棟高 12.53m
平面積 71.16m2 43.69m2 24.32m2 139.17m2
軒面積 99.17m2 66.01m2 41.32m2 206.51m2
屋根面積 102.96m2 84.22m2 75.32m2 262.5m2

いわゆる「現存櫓」ですが、築城時のままではなく、1628年(寛永5年)または1631年(寛永8年)に焼失して再建されたものです。
築城時は西の坤櫓、北の艮櫓と多聞櫓で接続されていましたが、焼失後に土塀に変更され、明治期には解体されていました。
その後、阪神・淡路大震災後に資料が発見されたため、長さ81.6m、高さ2.3mの土塀が復元されました。

巽櫓と土塀[明石城]
提供:明石観光協会 | 巽櫓と土塀[明石城]

なお重要文化財に指定されているのは現存部分のみであり、境界線を確認することができます。

巽櫓内部(一階)[明石城]
提供:明石観光協会 | 巽櫓内部(一階)[明石城]
巽櫓内部(三階)[明石城]
提供:明石観光協会 | 巽櫓内部(三階)[明石城]

建材には松材が多く使われています。
1982年(昭和57年)の大改修で柱や垂木、梁等の木材はすべて統一された規格品による建築物で、廃材などは使われていないことが明らかになりました。
おそらくは1631年(寛永8年)の焼失後に、当時の最新技術で新築されたと思われます。

阪神・淡路大震災後は曳屋工法で修復され、のちの弘前城天守などの工事の先例となっています。
現在も積み直された石垣を確認することができます。

   

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