鴻ノ池(現在は「剛ノ池」)は明石城本丸の北に位置する、城内最大の池です。もともとこの場所にあった自然池を築城の際に利用しています。
外堀の機能を持ち、その面積は約一万坪(2.9ha)と現在の明石公園全体の5.8%を占めていますが、築城当時はもっと大きな池でした。かつては最深部は約八間ありました。
現在のテニスコート東側などにある土盛りがその名残りで、当時はその上に土塀があったと推定されています。
「鴻ノ池」は最終兵器だった?
この鴻ノ池は水堀としての役割もありながら、敵に攻められた際には堰を切って城下を水浸しにする最終兵器としての役割もあったようです(本丸は池の水面よりも高いので水から守られる)。一度も使われることはなかったのですが、西国大名に対する鉄壁の防衛ラインとしての明石城の存在を伺わせる逸話です。