稲荷曲輪は本丸の西側に位置する東西56m、南北122mの規模の曲輪で、築城時は「西の丸」と呼ばれていました。
「稲荷曲輪」の名は北端に稲荷の祠があったことから名付けられたとされます。
石垣の高さは南が四間半(8.2m)、西が三間四尺(6.67m)、北が二間四尺(4.8m)となっています。
東側は本丸に隣接しており、その高低差は約9mあります。
北西隅に「文ノ櫓」、南西隅に「正ノ櫓」とふたつの二重櫓があり、北方の「万ノ門」から北の丸に通じていました。
1952年(昭和27年)に演舞場が建てられたものの、1968年(昭和43年)に取り壊されました。現在は木が植えられており、本丸北側の「見ノ門」から南帯郭へつづく遊歩道が整備されています。