2月6日に「読売新聞」が報じた、訪日外国人客らから「歩きにくい」と声が上がっていることを理由に二条城の砂利道を舗装するという記事に対して、京都市元離宮二条城事務所が声明を出されています。
PDFで配信されているので、以下に全文引用します。
二条城におけるバリアフリーの取組
~車イスやベビーカーのための砂利敷き通路の一部改良について~二条城の通路は,大部分が砂利敷きとなっているため,車イスやベビーカーの車輪が砂利に埋まって走行しにくく,高齢者やお子様連れ方にたいへんなご負担をおかけしております。雨天時には,水たまりができるという悪条件も重なります。
そこで,通路の砂利敷きの一部を改良することを計画し,今年度から地下の埋設物等の状況について調査に着手しており,来年度,基礎調査を実施するための経費を予算案に盛り込んでおります(一部報道で,訪日観光客のためという趣旨の記事がありましたが,そうした事情はありません。)。
砂利道の改良にあたっては,砂利道全面をアスファルト舗装するといったことではなく,二条城の有する歴史や文化を尊重し,景観を大切にしながら進めたいと考えており,文化庁や有識者の意見をお聞きしながら進めてまいります。
今後とも,貴重な国民の財産である二条城を大切に維持・継承してまいりますので,ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。平成31年2月12日
京都市元離宮二条城事務所http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo/310212oshirase.pdf
当初報じられた
- 砂利敷きを(全面的に)舗装する
- 外国人観光客の苦情に応えるため
がいずれも否定されています。
(記事には「全面的に」とはありませんが、SNSの反響の多くはそう受け取られていたのでカッコつきで書きました)
なお以下が大きな騒動となった記事です。
京都市は、世界遺産・二条城(京都市中京区)敷地内の砂利道を舗装する方針を決めた。訪日外国人客らから「歩きにくい」との声が上がっていたためで、130年以上続く砂利敷きを見直す。新年度予算案に調査費900万円を計上する。
攻城団では当初からこのニュースには懐疑的だったため取り上げていませんでした。
SNSで話題になっていた際に、電話で問い合わせて「一部の見直しを検討している段階」と回答されたと投稿されている方を見つけていたからです。ただし裏取りができていなかったため、そのことを書くことも公平性の観点からしませんでした。
(もう少し余力ができたら、こういうケースでちゃんと直接取材をしましょうと社内では話しています)
誤報を流した「読売新聞」はおそらく訂正しないでしょうし、残念ながら「ほんとうはこうだったんだよ」という情報はインパクトが薄いため、なかなか拡散しない実態もありますので、できるだけ積極的にシェアしていただければと思います。