静岡市は駿府城公園の近くにあった市立小学校の跡地で戦国時代末期の道路と武家屋敷の痕跡とみられる遺構が出土したと発表しました。戦国時代の町並みの遺構が見つかるのは全国的にも珍しいとのこと。
この場所には現在、古文書や絵図を展示し、徳川家康の一生や駿府のまちの変遷を紹介する歴史文化施設(フィールドミュージアム)の建設が予定されており、そのための調査で見つかったそうです。
徳川家康が晩年を過ごした駿府城(静岡市葵区)の跡地に隣接する旧青葉小跡地で戦国時代末期の武家屋敷跡とみられる石垣と道路が出土した。静岡市の田辺信宏市長が12日の定例記者会見で発表した。市によると、戦国期の道路と武家屋敷跡が残っている遺構は、特別史跡一乗谷朝倉氏遺跡(福井市)や二条城(京都市)など数件しか確認されておらず、戦国時代の城下町の様子をうかがわせる貴重な遺構だという。
(中略)
滋賀県立大の中井均教授は、道路沿いの石垣に敷地内への入り口がないことから「重臣クラスの屋敷地だったといえる」と指摘。天正18(1590)年に入城した一氏もしくは、13(1585)年に築城を開始したと記録の残る五カ国領有時代の家康の重臣が住んでいたとみられる。
遺構は地下約1mから幅約2.7mの道路とその両側の石垣が見つかったそうです。
なおこの発見を受けて、田辺信宏市長は「施設を訪れた方がこの道を歩けるようになったらいい」と定例記者会見で述べ、遺構を保存しつつ施設の一部として展示する方針を示しています。
当初、歴史文化施設は12月から工事の着工予定でしたが、設計変更が必要なため、2021年秋の開館予定は遅れる見通しです。
また今月20日の10時と13時半から2回にわけて現場説明会が開催されます。