いま新しいバッジのためのデータを整理しています。
『真田丸』ではまもなく攻められて滅ぼされそうな北条氏にゆかりのあるお城を集めたバッジです(乗っかれるところは乗っかります!)。
五代にわたって関東に勢力を伸ばしたので、それはもういろんなお城が出てきます。
北条早雲が今川家の客将として興国寺城の城主となったのが1487年(長享元年)、そこから伊豆・相模を制圧していきます。玉縄城を築いたり、三浦氏の三崎城を攻めたり。
息子の氏綱、孫の氏康はさらに勢力を広げ、武蔵・江戸城を勢力下に置き、さらに河越城や国府台城など現在の埼玉県や千葉県にまで進出します。ちなみに小田原城を本城にするのは氏綱の代からです。
さらに「食べる分だけ、汁をかける。少しずつ少しずつ。わしの食べ方じゃ。北条の国盗り、ゆっくり味わおうではないか」と汁かけ飯を食べる氏政とその息子・氏直の時代には最大版図となる関八州240万石を支配していました。
ただ増える一方だったかというとそうでもないんです。
上杉謙信がちょいちょい関東に出張ってきて、せっかく攻め取った城を奪回されたりして、取ったり取られたりとまるで「押しくらまんじゅう」みたいに勢力図が変化します。
武田氏との関係も甲相駿三国同盟を結んだと思えば、信玄が駿河に侵攻したことにブチ切れて断絶してますしね。佐竹氏や里見氏ともドンパチやってますし、もうWikipediaを読んでるだけでおもしろいのなんの。
北条五代の話を大河ドラマにしようという運動もあるみたいですが、一年で終わらせるのはもったいないくらいいろんなエピソードがありますね。
ぼくももっといろいろ知りたいので「北条氏がいかにして関東を制覇していったか」をテーマにしたセミナーとかやりたいですね。
その反面(?)、バッジの対象城の選定にはかなり迷いました。
居城だけとなると早雲の韮山城と、氏綱以降の小田原城のふたつしかありませんし、生まれた城や亡くなった城を加えても早雲が生まれた高越城が増えるくらいです(氏直は大坂で亡くなってますが)。
なので関東一円に覇権を唱えるにいたった、いくつかの軍事行動(ようは合戦)の舞台となったお城や、関八州を統治するにあたって築いたり改修したりした支城なども含めていこうと考えました。
ただそうするとちょっと多いかなって感じの量になったので、バッジとして公開する前に一度みなさんに見ていただいて、過不足などのチェックをお願いできればうれしいです。
「この城が入ってないのはおかしい」「この城は関係なくはないけど薄いからはずしていいと思う」というような感想をぜひコメント欄かメールでお聞かせください。
以下が暫定版のリストです。ざっくりですが時系列順に並んでいます。
城名(住所) | 北条氏とのかかわり |
高越城(岡山県井原市) | 伊勢新九郎盛時(後の北条早雲)が生まれ、青年期まで過ごした城 |
興国寺城(静岡県沼津市) | 今川氏の客将であった伊勢新九郎盛時(北条早雲)が、今川氏の家督争いでの活躍によりこの城を与えられた |
韮山城(静岡県伊豆の国市) | 堀越公方・足利茶々丸を攻め滅ぼした北条早雲が居城とした。早雲が死去した城でもある |
小田原城(神奈川県小田原市) | 1495年(明応4年)、北条早雲が大森藤頼から奪い、旧構を大幅に拡張した(攻略年については諸説あり) |
深根城(静岡県下田市) | 1498年(明応7年)、伊豆を平定しようとする北条早雲に最後まで抵抗した城 |
相模岡崎城(神奈川県平塚市) | 1512年(永正9)に北条早雲に攻められ落城 |
住吉城(神奈川県逗子市) | 岡崎城を追われた三浦義同・義意父子が立て籠るが早雲に陥とされた |
玉縄城(神奈川県鎌倉市) | 1512年(永正9)10月、三崎城の三浦氏を攻略するため三浦半島の付け根にあたる鎌倉に築いた |
三崎城(神奈川県三浦市) | 三浦氏の最後の城。1516年(永正13年)、三浦氏を滅ぼしたことで早雲は相模全域を平定した |
江戸城(東京都千代田区) | 大永4年(1524年)、扇谷上杉氏を破った北条氏綱の支配下に入る |
岩槻城(埼玉県さいたま市) | 太田資正(三楽斎)の居城。1564年(永禄7年)、資正の留守中に嫡子・太田氏資を氏康が内応させ攻略 |
蕨城(埼玉県蕨市) | 1524年(大永4年)、氏綱によって攻略。その後、上杉朝興に奪回されるが、1546年(天文15年)に氏康が上杉朝定を河越城の戦いで破り、渋川義堯は北条氏麾下に入る |
河越城(埼玉県川越市) | 1537年(天文6年)に朝興が死去して、上杉朝定が跡を継ぐと、氏綱は武蔵に出陣して攻略 |
葛西城(東京都葛飾区) | 1525年(大永5年)3月、氏綱により攻略。一時期、上杉朝定に奪回されるが、1538年(天文7年)2月に再度攻略。下総国への重要な進出拠点 |
国府台城(千葉県市川市) | 1538年(天文7年)と1564年(永禄7年)、二度にわたる国府台合戦の舞台となった。第一次国府台合戦では小弓公方を滅ぼした |
小机城(神奈川県横浜市) | 氏綱の手により修復され、家臣の笠原信為が城主として配置され、小机衆が組織された |
小弓城(千葉県千葉市) | 1538年(天文7年)、小弓公方・足利義明は第一次国府台合戦で戦死。氏綱に占領される |
平井城(群馬県藤岡市) | 関東管領・上杉憲政の居城。1551年(天文20年)、氏康が攻略 |
古河城(茨城県古河市) | 永禄年間に北条氏の関東支配が確定的になると、北条氏の支配下となり佐竹氏や結城氏らに対抗するため、氏照のもとで城の整備・拡充が進められる |
栗橋城(茨城県猿島郡) | 永禄年間に北条氏が城を接収(城主は野田景範)、氏照の北関東攻略の拠点となった |
武蔵松山城(埼玉県比企郡) | 河越城を失った上杉朝定の居城となったが、1545年(天文14年)に河越夜戦で扇谷上杉氏が滅亡すると氏康の手に渡った |
宇都宮城(栃木県宇都宮市) | 1557年(弘治3年)、宇都宮家臣・芳賀高定の宇都宮城奪還に協力 |
滝山城(東京都八王子市) | 大石定久の養子となった氏康の三男・氏照が城主となり、城の大改修を実施した |
浄福寺城(東京都八王子市) | 1561年(永禄4年)7月に氏康が三田氏を攻めた際に本営を置いた |
津久井城(神奈川県相模原市) | 武田軍にそなえる最前線の城として、内藤氏ら津久井衆に守らせた |
佐貫城(千葉県富津市) | 1545年(天文14年)以降、何度か占領して里見氏との争奪の舞台となる |
久留里城(千葉県君津市) | 1564年(永禄7年)年、北条軍の上総侵攻により城は一時陥落したが、その後、再び里見氏が奪還 |
鉢形城(埼玉県大里郡) | 1564年(永禄7年) 、氏康の四男・氏邦が入城し、北関東支配の拠点となった |
蒲原城(静岡県静岡市) | 北条幻庵の子、氏信(綱重)、長順兄弟を派遣して城郭を改修させたが、武田軍に攻められ落城、討ち死にした |
深沢城(静岡県御殿場市) | 1570年(元亀元年)に氏康・氏政父子が38,000の軍勢で攻略し占拠、北条綱成を城主として配置したが、武田信玄に奪われた |
山中城(静岡県三島市) | 永禄年間に氏康が築城。本拠地小田原の西の防衛を担う最重要拠点だったが、小田原征伐では半日で落城 |
関宿城(千葉県野田市) | 関東の中心部における最重要拠点として、1565年(永禄8年)〜1574年(天正2年)にかけて3度に渡る関宿合戦の末、攻略 |
祇園城(栃木県小山市) | 1576年(天正4年)に小山秀綱が降伏して開城し、北条氏の手によって改修され、北関東攻略の拠点となった |
伊豆長浜城(静岡県沼津市) | 北条水軍の根拠地。1580年(天正8年)に武田水軍とおこなわれた「駿河湾海戦」における前線基地 |
下田城(静岡県下田市) | 小田原水軍の根拠地。小田原征伐では加藤嘉明らの率いる淡路水軍に攻められた |
伊豆丸山城(静岡県伊豆市) | 富永氏の支城で、北条水軍の一翼を担う城のひとつ。氏政が武田氏にそなえて改修させた |
若神子城(山梨県北杜市) | 1582年(天正10年)6月の天正壬午の乱では、甲斐へ侵攻した氏直が本陣を置き、徳川家康に対峙した |
松井田城(群馬県安中市) | 1582年(天正10年)、大道寺政繁が城代となり城を改修した。小田原征伐では前田利家、上杉景勝、真田昌幸らを中心とする北国勢に攻められた |
沼田城(群馬県沼田市) | 1589年(天正17年)、豊臣秀吉の裁定により真田氏から北条氏に領有権が移り、猪俣邦憲が再び城代となる |
名胡桃城(群馬県利根郡) | 1589年(天正17年)に名胡桃城事件の舞台となった城 |
八王子城(東京都八王子市) | 滝山城に代わる関東西部の軍事拠点として、1590年(天正18年)に氏照が築城 |
石垣山城(神奈川県小田原市) | 豊臣秀吉が1590年(天正18年)の小田原征伐の際に陣城として築城 |
Wikipediaやいろんなお城めぐりをされている方のサイトやブログのほか、小田原市のサイトなども参考にしました。
「北条五代ゆかりの城めぐり」というような名称のバッジにしようと思っていますので、あくまでも基準は「ゆかりがあるか」です。5人の誰かが城主になったかどうかの厳密性は問いません。
(ただ石垣山城みたいなのはどう扱うべきかいまも迷っています)
あとバッジのそもそもの狙いとしては「必ずしもメジャーではないお城にも注目が集まるきっかけにしたい(その城を訪問する人を増やしたい)」ということがあるので、有名かどうかも無視していただいてけっこうです。
ぼくのほうでも北条氏関連の本を何冊か読んで精査してみようと思っていますが、みなさんの意見も参考にしたいのでフィードバックをお願いします!
(オススメの本があればそれもぜひ教えてください)
どうも「箱根十城」なんてのもあるみたいですね。
これは北条氏康が永禄年間に箱根連山に築いた支城群のことを指すみたいですけど、これもバッジにできそうです。
たぶん以下でまちがいないと思うのですが、こちらのチェックをお願いできれば助かります!
toproadさんが城がたり「よくわかる小牧山城」を企画してくれました。愛知県小牧市と調整してくださり、学芸員の方にZoomで話していただけることになりました。小牧山城の歴史、発掘調査の成果など、いろんな話が聞けると思いますのでぜひご参加ください。
つづきを読む昨年に続いて第6回目となる団員総会を開催したのでレポートを書きました。今年は去年と同じ会場でしたが、内容はかなりアップデートしています。とくに「お城ビンゴ」は盛り上がったので、今後の定番ゲームにしていきたいですね。来年はさらに多くの団員と集まりたいです。
つづきを読む美濃守護・土岐氏の庶流である久々利氏の居城、久々利城にも攻城団のチラシを置いていただきました。可児郷土歴史館と久々利地区センター、さらに可児市観光交流館で入手可能です。
つづきを読む小栗信濃守によって築かれた本陣山城(御嵩城)にも攻城団のチラシを置いていただきました。「東美濃の山城を制覇せよ!」キャンペーンの缶バッジ受取場所でもある、御嶽宿わいわい館で入手できます。
つづきを読む土岐明智氏の居城であり、戦国時代にはその一族である妻木氏の居城になった妻木城にも攻城団のチラシを置いていただきました。もとてらす東美濃で入手できます。
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