攻城団からのお知らせ

城がたり〈よくわかる小牧山城〉を開催しました

12月14日(土)の午後に「城がたり〈よくわかる小牧山城〉」を開催しました。
今回の幹事はtoproadさんがつとめてくれました。ありがとうございます。

来月開催する「城たび〈三英傑ゆかりの城!小牧山城ガイドツアー〉」の応募促進を兼ねての開催でしたが、ありがたいことにすでに「城たび」は定員に達してキャンセル待ちになっています。
(キャンセル待ち、次回開催希望者が多ければきっとまた開催してもらえると思うのでリンク先のフォームから申し込んでおいてください)

当日の様子

今回はtoproadさんが小牧市役所と調整してくださって学芸員の鈴木さんに小牧山城の発掘調査の成果などを話していただきました。
小牧山城を訪問したことのある方ならわかると思うのですが、もうずっと発掘調査をしてるんですよね。鈴木さんは若いのですべての調査に立ち会ったわけではないのですが、これまでにわかったことを丁寧に説明していただき、とても勉強になりました。

ぼくがおもしろいなと思ったのは、土塁の築き方で家康が改修したことを推定した部分です。
通常、土塁は版築工法といって板などで囲いをした上で少しずつ土を盛っては築き固め、さらに土を盛って築いて固めます。ただ小牧山城の一部の土塁は版築工法ではなく、大量の土を一気に盛って最後に一度だけ築き固めていることが断面からわかったと。
これは急造したことを意味していて、つまり小牧・長久手の戦いで時間がない中で土塁を慌てて造ったということになります。

また小牧山自体は岩山ですがチャートなので、石垣に使われている花崗岩は近くの岩崎山から運んだそうです。
ただこの岩崎山には小牧・長久手の戦いのときは羽柴方の砦があったので、当然家康が石を運び出すことはできません。つまり花崗岩の石垣=信長が築かせた石垣ということになります。

小牧山城は信長が築いてから4年、あとは小牧・長久手の戦いでのごく短期間しか使われていないため文献的な史料はほとんど残っていないのですが、土や石といういまも現地に残っているものから多くのことがわかるのだなと興味深く聞いてました。

とくに小牧山城の場合、神君・家康が秀吉に勝利した記念すべき地として「御勝利御開運の御陣跡」と尾張藩が入山禁止にしていたので遺構が手つかずで残ったことが大きいですね。
鈴木さんは近世城郭を築くには規模が小さいのもあったとおっしゃってましたが、こうした幸運に加えて、尾張徳川家の当主徳川義親によって国に寄付された際に「このまま残すこと」と条件をつけたことも現在の保存整備につながっているのでしょうね。

ほかにも見落としがちな石垣の刻印(丸に十字)など、いろいろ教えてもらったので来年1月に小牧山城を訪問するのが楽しみです。
質問もたくさん出たのできっと講師の鈴木さんも喜んでくださったと思います。

終わりに

今回はじめて「城がたり」の講師を外部から招聘したわけですが、(意外と?)引き受けていただけるということがわかったのでみなさんも参加できなかった講演会などの講師に依頼をして「城がたり」を開催してみませんか?
じっさいに講演会を開催しようと思ったら、ふつうは会場の手配とか大変ですけど、オンライン開催なら講師のお時間だけ調整できればOKです。もちろん講演料をお支払いする必要がある場合はみんなで割り勘すればいいので、幹事が自腹で負担する必要はありません。

城たび・城がたりの動機は「自分が行きたい」「自分が聞きたい」であるべきだとぼくは思っているので、ぜひみなさんが聞いてみたい方のオンライン講演会を攻城団の看板を使って実現していただければうれしいです。
(「攻城団? なにそれ」と断られるかもしれませんが)

もちろん自分が学んだことを共有する発表会も大歓迎なので、ちょっとでも興味のある方はお気軽にご相談ください。
toproadさんはじめ、幹事経験者もサポートしてくれますので安心です。

団員ブログ

幹事のtoproadさんがレポートを書いてくれました。

文中にも出てきた花崗岩の切り出し場であった「岩崎山」に、はつみんさんがさっそく行ってきたそうです。

開催お知らせメール

もし城がたり「よくわかる小牧山城」【オンライン】が次回開催されたら参加したいという方はご登録ください。
別日程での開催が決まった際にメールでご案内いたします。

登録には攻城団の登録が必要です
現在の登録者
ばやしワタナベさすけのりたけ朝田丸yoryo(現在6人)
   
サポーター募集
攻城団は無料で利用できますが、その運営にはたくさんのお金がかかります。5年後も10年後もその先も維持するために、このサイトを気に入ってくださった方はぜひご支援ください。何卒よろしくお願いいたします。 サポーター制度のご案内
この記事のURLとタイトルをコピーする
これからあなたが訪問するお城をライフワークとして記録していきませんか?(過去に訪問したお城も記録できます)新規登録(登録は無料です)

最新記事

城たび〈三英傑ゆかりの城!小牧山城ガイドツアー〉を開催しました

  • 城たび
  • 開催レポート

1月19日(日)に城たび〈三英傑ゆかりの城!小牧山城ガイドツアー〉を開催しました。いまも現地では発掘調査が続いてますが、「土の城」から「石の城」への転換点とも言える小牧山城をたっぷり案内していただきました。参加できなかった方のために当日の様子をレポートします!

つづきを読む

城活ノートを公開しました

  • お知らせ

「最近のひとこと」のようにカジュアルに攻城時の思い出などを投稿できる「城活ノート」を公開しました。

つづきを読む

攻城団レポート(2024年12月)

  • 月次レポート

毎月恒例の月次レポートを公開します。タイムラインを眺めていると、さっそく多くの団員が城初めの攻城をしているようですね。2025年も攻城団をよろしくお願いいたします!

つづきを読む

スマホ版メニューをスライド対応しました

  • お知らせ

攻城団をスマホで閲覧する際に最下部に表示されるメニューをスライド対応しました。これまでよりたくさんのメニューが並んでいるので、目的のページへアクセスしやすくなりました。

つづきを読む

城がたり〈よくわかる小牧山城〉を開催しました

  • 城がたり
  • 開催レポート

先週土曜日に「攻城団歴史講座・城がたり〈よくわかる小牧山城〉」を開催しました。今回は小牧市の学芸員・鈴木さんを講師にお招きして、発掘調査を通じてわかってきた小牧山城と城下町のことを教えていただきました。とてもおもしろかったです。

つづきを読む

記事の検索

あなたのお城巡りをより便利に快適に、そして楽しくするためにぜひ登録してください。

新規登録(登録は無料です)

フォローしませんか

攻城団のアカウントをフォローすれば、SNS経由で最新記事の情報を受け取ることができます。
(フォローするのに攻城団の登録は不要です)

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する

トップへ
戻る