攻城団からのお知らせ

城たび〈三英傑ゆかりの城!小牧山城ガイドツアー〉を開催しました

先週末の1月19日(日)に小牧山城で城たび〈三英傑ゆかりの城!小牧山城ガイドツアー〉を開催してきました。

今回はtoproadさんが幹事をつとめてくれました。ありがとうございます。

当日の様子

toproadさんがぼくより早く、当日中にレポートを書いてくれているので、ツアーの詳細はそちらでご確認ください。

いちおうぼくもざっとレポートしておきますが、朝9時から山麓の「れきしるこまき」で受付開始、9時半スタートで、12時過ぎに山頂の「小牧山歴史館」でツアーは終了。
そこから歴史館を各々自由見学してもらって、ランチを兼ねた懇親会へ向かうという流れでした。

ぼく自身、小牧山城には約10年ぶりの訪問でしたが、当時はれきしるこまきもなく、小牧山歴史館もまだ「小牧市歴史館」という名称でした。
小牧市歴史館前も発掘調査中で、この10年の間に「信長はすでに小牧山城の時点で石垣造りに着手していた」ことなどさまざまなことが判明しています。
(詳しい話は城がたりで鈴木学芸員に伺いました)

そのいくつかは大河ドラマ「どうする家康」にも反映されており、以下の虎口は小牧・長久手の戦いの際に徳川軍が城を出る際に使われたとされています。

また城がたりのレポートにも書いたように、土塁の断面から版築工法を用いることなく急造されたことがわかったこともあらためて現地で見ることでより深く理解することができました。

内側が約30度、外側が約40度といったこともガイドの川﨑さんから説明していただきましたが、ただの数字もリアルな土塁を前にして聞くととてもよくわかります。

またこの日は小牧山城を訪問したことのある団員でもほとんどノーチェックだと思われる、城の西側を歩きました。

ぼくも10年前に来たときはすぐに山頂を目指したので、山麓や中腹部を周回することはなかったのですが、土塁や空堀などもちゃんと残っています。

市役所前には復元土塁ができています。これも10年前にはなかったので初めて見ました。

たしか8mとおっしゃってたと思いますが、こういうスケール感は自分の目で見てこそですね。

石切場と思われる場所も案内していただきました。
立入禁止区域ではないのですが、少し脇道に入るのでほとんどの方は気づかないと思います。

小牧山はチャートなので、いわゆる矢穴で割ることはしないそうです。
そのためここが本当に石切り場だったか、痕跡が不明瞭なので断定できないそうですが、人工的な平地があることからその可能性は高いだろうと三浦先生がおっしゃっていたとのことでした。

竹田城(兵庫県)はじめ、多くの山城の石垣は地産地消されることが多いので、小牧山城も小牧山で石を調達していたと考えられます。

そのチャートの岩盤上に築かれた石垣がこちらです。
ここをいま小牧山城ではいちばん推してるようですが、10年前にはなかったのでぼくも感動しました。

おそらく多くの方は小牧山城で資料館に入らずに2時間半も見るところはあるのかと思われるかもしれませんが、専門のガイドに案内していただくとまだまだ時間が足りないくらいでした。

今回歩いたコースをざっとGoogleマップに落とし込みました。
おおよそ反時計回りに小牧山を一周して、大手道に沿って山頂の小牧山歴史館へ向かいます。歩数だと1万歩弱でした。
特に西側は森の中を歩いたので、ルートは目視を優先してください。いちおう藪の中ではなくすべて視認できるルートなので迷うことはないと思います。

再開催を希望される方は末尾のフォームで希望を出しておいてください。

感想など

昨年末の「城がたり」開催、そして「お城EXPO」に参加された方は平山先生らのセミナーでも「小牧・長久手の戦い」がテーマだったそうなので、参加者によって濃淡はあれど約1ヶ月にわたって小牧山城のことを考えたのではないでしょうか。
こんなふうに集中的にひとつのお城について調べたり、学んだりするのはとてもおもしろいなとあらためて感じました。

攻城団を始めた頃、何度か「観光に予習と復習を」という話をしたことがあるのですが、いまは「城がたり」で予習ができて、「城たび」当日はフィールドワーク(実習)ができてと、当時の理想が実現しつつあります。
とくに今回はtoproadさんが小牧市の協力を得られるよう交渉してきてくださったので、学芸員から再診の調査結果を踏まえた解説を聞くことができてとても勉強になりました。

当日も城がたりで教わった「本来、小牧山にはない石(花崗岩)=岩崎山から運んだ石」を見るのが楽しみでしたが、たぶんみんなも同じだったと思います。

石のサイズや刻印など、写真で見るのとはぜんぜんちがいますからね。

城がたりのレポートにも書いたとおり、この石を運んだ岩崎山は「小牧・長久手の戦い」の際は羽柴方の陣地だったため家康が運ぶことは不可能で、つまりは信長による築城時に運び込まれたと考えられます。
そういう石が運ばれたタイミングなども含む城の歴史を学び、自分の目で確認するという体験は、お城めぐりという趣味を通じて教養をレベルアップさせてくれます。

そしていまは団員ブログにレポートを書くことで予習・実習に続いて復習もできるようになりました。
今回は(幹事のtoproadさん以外)まだ誰も参加レポートを書いてませんが、ぜひ自分が学んだこと、自分が感じたことをブログに書いて、みんなと共有してください。
お互いに影響しあって、お城の新しい魅力を知り、未訪問のお城はもちろん、過去に行ったことのあるお城を再訪したくなるようになっていくとすごくいいなと思います。

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