先週の土曜日、4月20日に和歌山城で城たび〈ストリートミュージアムで巡る和歌山城ツアー〉を開催してきました。
今回は黒まめさんが幹事と自らガイドをつとめてくれました。ありがとうございます。
恒例となったZoomを使っての事前ミーティング、ルームでの交流を経ての開催となりましたが、徐々に「城たびの基本形」ができてきたかなと感じています。
コミュニティありきの現地ツアーというか、この方向性でさらに改善を加えていければ満足度の高いイベントになりそうですね。
なお今回は新しい試みとして、黒まめさんの提案でスマホのVRアプリ「ストリートミュージアム」を使って和歌山城内を散策する企画でした。
和歌山城は現存門もありますが、多くの櫓や土塀などは失われているのでCGで当時の様子を再確認しながら見学するのは良い試みだなと思いました。今後、建築遺構が残っていない城址での開催でも活用できそうです。
当日は13時スタートで、集合場所はわかやま歴史館です。
前日から和歌山入りしている人もいたり、当日宿泊する人もいたり、ぼくのように日帰りで参加する人もいたりと土曜の午後開催は集まりやすそうです。
黒まめさん手製の資料も最初に配られました。
まずは今回の企画における強力なアイテムになる「ストリートミュージアム」を起動できるか、みんなで確認します。
(インストールについては事前ミーティングで確認済み)
こんな感じでスマホ内に江戸時代の和歌山城がCGで再現されます。
余談ですが、「ポケモンGO」のような現実世界の中にCGを重ねて表示するのをAR(Augmented Reality:拡張現実)と呼び、この「ストリートミュージアム」のように全体をCGで表現するのをVR(Virtual Reality:仮想現実)と呼ぶそうです。
準備ができたので、さっそく出発です。
最初は吹上口へ。
いきなり天守に向かわないのは城たびなら当然ですが、いいですね。
いまは芝生の広場があって、奥に石垣と鳥居があるだけですが、VRで確認しています。
こんなふうにスマホを向けると当時の様子が見えるのでおもしろいです。
お城めぐりの経験が増えて多少詳しくなると、土塀や建築物などを想像できるようになりますが、VRアプリを使えば初心者でも同じように(あるいはそれ以上に正確に)イメージできるのでいいなと思いました。
芝生の部分には水堀があり、城内に船で物資を運び入れる際に使われていたそうです。
和歌山城は羽柴秀長の頃から、江戸時代の御三家時代まで長い歴史があるので、野面積みから切込接ぎまで多様な石垣を見ることができます。
西の丸庭園へ。
ここでもVRで確認しました。
西の丸エリアも建物はないのですが、VRと黒まめさんの案内で当時の様子をイメージできました。
紀州徳川家初代・徳川頼宣が隠居所として造営したが、けっきょく隠居所として使ったのは頼宣だけだったそうです。
能舞台もあったそうですよ。
御橋廊下を渡ります。2006年(平成18年)に復元された藩主専用の橋です。
橋を渡ると二の丸、大奥があったあたりになります。
大奥とは言え、正室は江戸住まいなので側室しかいなかったという解説も言われてみればそりゃそうかなんですが、当時をイメージするのに助かりました。
「奥」から「表」へ向かって歩きます。
平山城特有というか、城下のあちこちから天守が見えるのはいいですね。
和歌山城の表御殿はかなり立派なものだったようで、明治時代に大坂城に移築され「紀州御殿」と呼ばれていたそうです。
(ただしGHQに接収されたのち失火により焼失したとか)
古写真が残っているので、黒まめさんが資料を見せてくれました。
その御殿ももちろんVRで確認できます。雰囲気的には二条城の二の丸御殿に似てますね。
下の写真、井戸の奥に見えているのが着見櫓(つきみやぐら)です。
このトラが二代目なのも知らなかったです。
大手門へ向かいます。
ここでも古写真の資料を見せてもらったりしながら復元された大手門と見比べます。
着見櫓や土塀も復元されるといいですね。
再び城内へ。
土塁があれば登るでしょう、雁木(がんぎ)があればなおのこと登るよね、ということでみんなで登りました。
(もちろん禁止されてないことを確認した上で)
このあたりは多聞櫓があったのでかなり幅も広いです。
さらに驚いたのは堀幅です。家に帰って地図上で測ったら70m以上ありました。
松本城の堀幅が鉄砲の射程距離を想定した50mで江戸城もだいたい同じ、名古屋城の西北隅櫓あたりの堀幅が約60mなので、これだけの堀幅は珍しいし、和歌山城の見どころのひとつじゃないかな。
スマホで計測できないか、いろいろアプリで試してて写真を撮るのを忘れてましたが、場所はこのへんです。
ぜひ土塁の上からと、城外からと両方チェックしてみてください(できれば撮影も!)。
ツアーはまだまだ続きます。
和歌山城の貴重な現存遺構でもある岡口門へ。
みんなもうすっかりVRアプリにも慣れてきました。
いまは門しかないですが、こうして当時の様子を再現すると隅櫓や多聞櫓も備えた頑強な門であったことがよくわかります。
ここで記念撮影。
かつてはここが大手だったこともあり、天守も見える良い場所ですね。
また城内へ(城内・城外と書いてますが、どこまでを城「内」とするかは微妙なところなのであまり気にしないでください)。
とここまで山麓をうろうろして門を出たり入ったりしてきましたが、いよいよ天守へ向かいます。
あらためて和歌山城の城域の広さを実感できました。
表坂を登ると、松の丸櫓台へ。
動物園を下に見ながら進みます。
本丸表門、中の門などこのあたりもVRで再現できます。
和歌山城のフォトスポット、本丸御殿跡へ向かいます。
いよいよ天守へ。この時点ですでに2時間以上経過してます。
余談ですが、わかやま歴史館と天守の共通券は天守のみの入場券と同じ金額なので時間に余裕のある方はぜひ共通券を買ってわかやま歴史館を見学することをオススメします。
鯱の頭にシャンプーハットみたいなのが載ってるとみんなで見上げている様子。
天守を見学後、最後の記念撮影。
この場所からだと超広角(iPhoneだと0.5)で撮影すると連立式天守を収めやすいです。
新裏坂を下山します。
最後に追廻門を見学しました。
黒まめさんから幕末に「追廻門外の変」という事件があったと教えてもらいました。
今回歩いたコースをマップに描き入れておきましたので参考にしてください。
ぼくのスマートウォッチによれば約8000歩でした。
再開催を希望される方は末尾のフォームで希望を出しておいてください。
人数が集まればきっと黒まめさんがまた企画してくれると思います。
これで3ヶ月連続、3回目の城たびです。引きこもりがちなぼくが毎月お城に出かけるいいきっかけになっていて助かってます。
いずれはこのレポートも幹事や参加者にお願いして、参加するだけになったら負担がさらに下がっていいですね。
レンタサイクルを使ったり、VRアプリを使ったり、いろんな試みを企画して実践できているのもいいなと思っていて、ほかのお城で城たびを開催する際のヒントになりそうなアイデアが増えています。
参加者の協力的な姿勢もすごく良くて、あらためてツアーイベントはみんなで作り上げるものだよなと感じました。
もし自分も地元のお城で幹事をしてみたいと思われてる方はぜひご相談ください。
(前回の厳島のように旅行先でガイドを依頼するために仲間を募りたいという方も歓迎します)
人数が集まるか不安の方もいるかもしれませんが、たぶん5人から10人くらいが適正人数で、わりと集まってくれるんじゃかと思います。仮にタイミングがあわずに集まらなくても時期を変えてまた開催すれば実現できる可能性は高いでしょうし、なんなら参加者募集を兼ねて「城がたり」を開催して興味を持ってもらうところからサポートします。
とりあえずこれで予定されている城たびは小休止となります。
首都圏での開催を検討している話も聞いていますが、エリアに関係なくできるだけぼくも継続して参加しますので、まずはメールやルーム、あるいはオンライン評定で相談してください。
ぼくも年内には二条城のガイドツアーを再開するつもりです!
もし攻城団ツアーズ・城たび〈ストリートミュージアムで巡る和歌山城ツアー〉が次回開催されたら参加したいという方はご登録ください。
別日程での開催が決まった際にメールでご案内いたします。
toproadさんが城がたり「よくわかる小牧山城」を企画してくれました。愛知県小牧市と調整してくださり、学芸員の方にZoomで話していただけることになりました。小牧山城の歴史、発掘調査の成果など、いろんな話が聞けると思いますのでぜひご参加ください。
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