江戸時代の地図をまるでGoogleマップのように自由に操作できる、オンラインの地図サービス「れきちず」のベータ版が8月27日(水)に公開されました。
移動、拡大縮小など慣れ親しんだ操作感で江戸の街を俯瞰することができます。
江戸時代後期(1800〜1840年ごろ、文化・文政・天保年間)を想定した地図とのことで、もちろん「東京」ではなく「江戸」となっており、各街道には宿場町などが表示されています。
東京湾は近現代に大きく埋め立てられていますが、もちろんこの当時はお台場も羽田空港もなく、海岸線の変化もよくわかります。
ちなみに江戸時代、江戸から追放を意味する「江戸払い」の刑があったそうですが、地図にある通り品川や新宿は最初の宿場町(=江戸の外)なので、品川に行けば「もう江戸じゃないから」と言い逃れできたそうです。
(榎本先生によれば、じっさいには旅支度をするだけで「出ていく意思あり」として許されたとか)
当時の「江戸」が現代の「東京」よりだいぶ範囲が狭いことがよくわかるエピソードですね。
制作者インタビュー
この素敵なサービス「れきちず」を制作された加藤さんにメールでインタビューさせていただきました。
Q.なぜ江戸時代後期を選ばれたのですか?
伊能忠敬らの作った「大日本沿海輿地全図」の頃の現代風マップを作りたいと思ったのがきっかけです。
内陸部を含めた全国の正確な地図が作られ始めた明治から時間がそこまで経っておらず、近代を除いた他の時代に比べると比較的復元しやすかったというのもあります。
Q.どういうところが大変でしたか?
江戸時代の当時の絵図を読み取り、様々な文献を参照しながら道路や地名、海岸線などを描くことに苦労しました。
加えて関東という広い領域を制作するのも大変でした。まだ関東すら途中ではありますが、今後他の地方も制作すると考えると気が遠くなります(笑)
Q.どんなふうに使ってほしいですか?
地図や歴史に興味のある方はもちろん、そこまで興味がなかった方にも見ていただき、身近な土地の歴史を探ったり、街道歩きなどに活用いただければと思います。
まだ制作途上の地図なのでぜひ情報をお寄せください。みなさまの力が頼りです!
この「れきちず」はまだベータ版、Ver.1とのことで、今後は現在の地図と重ねられる機能なども予定されています。
NHK「ブラタモリ」でもよく土地(地形)には歴史が残ってると紹介されますが、都市部においては開発が進んで地形もずいぶん様変わりしているところも多いですよね。
こうした使いやすい古地図を見ながら街歩きをするのも楽しいと思います。
個人的にも歴史を現代の技術を使って便利で楽しく伝えるサービスが大好きなのですが、攻城団としても「れきちず」を応援したいので少額ですがサポートさせていただきました。
ぜひみなさんも使ってみてください!
江戸時代の現代風マップ「#れきちず」(ベータ版)、関東地方を公開しました!🎉
— 地図とかデザインとか (@chizutodesign) 2023年8月27日
自由に拡大縮小や移動ができます!🗾
🔽下記URLからどうぞ🔽https://t.co/DkQF69aa5b pic.twitter.com/U73kTpudgP