創建当時の本丸御殿は、現存する二の丸御殿にほぼ匹敵する規模をもっており、内部は狩野派の障壁画で飾られていましたが、1788年(天明8年)に起きた天明の大火によって焼失してしまいました。
その後、本丸御殿は再建されませんでしたが、幕末に15代将軍・徳川慶喜の住居として再建されました。
しかしこの御殿も1881年(明治14年)に撤去されました。
現在の本丸御殿は、京都御苑今出川御門内にあった旧桂宮邸の御殿を、1893年(明治26年)から1894年(明治27年)にかけて本丸内に移築したもので、国の重要文化財に指定されています。
この旧桂宮御殿は京都御所にあった当時、今出川屋敷と呼ばれていました。
仁孝天皇の皇女和宮が政略結婚で14代将軍・家茂に嫁がれる前、約1年8カ月にわたって妹君と住まわれた建物で、1854年(嘉永7年)に内裏が炎上したときにも延焼を免れ、孝明天皇の仮皇居に使用された由緒深い建物です。
御常御殿は江戸期にしては珍しく3階建てとなっています。
天守台から見た本丸御殿です。
天守台からはとくに本丸庭園に面した御常御殿がよく見えますね。