二の丸庭園は小堀遠州の代表作として挙げられることも多い桃山様式の池泉回遊式庭園です。
別名「八陣の庭」と呼ばれており、国の特別名勝に指定されています。
特別名勝二条城二の丸庭園
池を中心とした書院造庭園であり、庭には三つの島を置き、四つの橋を架け、西北隅に滝を落とし、池の汀に多くの岩石を配した景観は、変化に富んで秀麗であり、豪壮な趣(おもむき)がある。
庭園は大広間の西、黒書院の南に位置し、主として大広間からの観賞を想定して造られているが、寛永三年の後水尾天皇行幸の際、行幸御殿が庭園の南側に建造されたことから、南方からの観賞も配慮して、庭園南部の石組に変更を加えた形跡が見られる。
作庭年代については、記録や作風から推察して一六〇三年(慶長八年)の二条城築城の際にその建築に調和させて造営されたもので、後水之尾天皇の行幸の際に、数多くの名園を手がけた小堀遠州によって一部改修が加えられ、今日に至ったものと考えられる。
桃山末期から江戸初期に大成された書院造りの大建築に伴う庭園の特徴をよく示しており、現存する歴史的庭園の中でも最も優れた作品の一つに数えられている。
神仙蓬莱の世界を表現したとされ、池には3つの島が浮かび、中央にあるのが蓬莱島、その左右に鶴島と亀島を配し、4つの橋をかけ、西北隅に滝を設けています。
亀島は亀の形に、鶴島は鶴の形にそれぞれ名前のとおりに石が組まれていますが、蓬莱島は亀島とともに見えるアングルからは鶴の形に、鶴島とともに見えるアングルからは亀の形に石が組まれていて、常に鶴亀の一組を表現する趣向となっています。
池の南に広がる芝生の部分は、1626年(寛永3年)の後水尾天皇の行幸の際には行幸御殿が建てられていた場所です。
こちら側が庭園の第1正面となり、第2正面は東側(大広間側)、第3正面は北側(黒書院側)という三正面式の設計となっています。
春には桜が美しい庭園です。