園部城と亀岡城を攻めてきました。
京都市内からクルマだと1時間もかからずにいけますし、電車でもJRを使えば同じくらいの時間でいけます。
まずは園部城。
いきなり模擬天守がありますが、これは園部国際交流会館です。 そもそも園部城には天守はなかったですし、三重櫓があった場所は裏山(小麦山)の山頂なので位置も構造も異なりますけど、クルマで向かっているといい目印になってました。 お堀がプールになっていたりして、模擬天守を見上げながら泳ぐのも楽しそうですね。 ちなみに、園部城は明治時代に入ってから完成した、日本で最後のお城といわれています。 幕末期には外国からの脅威に備えて、松前城(北海道)や石田城(長崎)など海岸警固用にいくつかのお城が築かれていますが、園部城の場合は京都の治安が悪化したことを受けて、いざという場合に天皇が避難できるように、それまで陣屋だったものを園部城として大幅に改修しました。 この改修されたときに建てられた門や櫓の一部が現存しています。 この櫓門は京都府立園部高等学校として現在も使われています。 そしてこれが巽櫓です。 (高校の中に入れてもらう必要があったので、事務室で見学の手続きをしました) まだ150年ほどしか経っていないので、ずいぶんきれいに見えますね。 ふだん見学しているのが築400年とかの建物ばかりなので、感覚がおかしくなりそうです。 あとはクルマで20分ほどのところにある安楽寺に太鼓櫓が移築されています。 ここには次に向かう亀岡城にあった太鼓が収納されているそうです。 軒瓦には小出氏の「替え紋(かえもん)」がありました。 いわゆる家紋というのは「定紋(じょうもん)」を指すのですが、小出氏の場合は「額に二八文字」と軒瓦に描くにはむずかしい図柄のために、こうしたシンプルな替え紋を用いたのだと思います。 で、これを見てすぐに出石城を思い出しました。 園部藩は出石城より移封された小出吉親が立藩していますので、両方に小出氏の家紋があるのは当然なのですが、こういう軒瓦ひとつで大名の転封の記録がわかるというのはおもしろいですね。 つづいて亀岡城に向かいます。 先に千代川小学校に立ち寄りました。 園部城は城門が高校の校門になっていましたが、亀岡城の場合は小学校の校門になっています(ただしこちらは移築)。 城門に「交通安全」のノボリが立っているのはなかなかシュールな図ですね。 そして亀岡城へ。 亀岡城(当時は亀山城)は明智光秀が「本能寺の変」の際に、この城から京都に向かったことで知られていますね。 近くのイオンにクルマを停めて、駅にある観光案内所でパンフレットをもらって、城址まで歩きます。 駅から歩いてすぐのところにあるのが、この南郷公園です。 階段を降りたところにある南郷池は当時、亀岡城の外堀として使われていました。 よく「日本でいちばん攻略がむずかしい城」として、100名城に選ばれている北海道のヲンネモトチャシや、標高1760mと日本一高所にある贄川城などが挙げられますが、じつはこの亀岡城も「行きづらい城」として有名です。 その理由は城址が宗教施設になっているからで、受付で「天守台が見たい」といえば見学可能ですし、みなさんとても親切だったのですが、かつてないほど緊張していたのも事実です。 たぶん日本城郭検定を受けたとき以上に緊張していたと思います。 受付を済ませ、本堂のようなところでお祓いをしていただいて、ようやく天守台に向かいます。 これが天守台です。 残念ながら江戸時代から残っているものではなく、積み直されたものです。江戸時代の石垣なら大型の石を切込み接ぎで積んでいるはずですからね。 ただし下段のほうの一部は当時のまま残っているそうです。 天守台に上がることはできませんが、天下普請でつくられた城ということもあり、石垣の刻印を見ることができます。 ひとりでいくのは不安かもしれませんが、誰かと一緒に見学するといいですね。 亀岡は城下町がそれなりに残っていて、観光案内所が運営する町家カフェもあったりするので、ぶらぶらと歩いて散策するといいと思います。 町のあちこちに案内板も設置されているので、親切ですよね。 そうそう、現地の案内板ではすべて「亀山城」もしくは「丹波亀山城」と表記されていて、こだわりを感じました。 あと、じつは今回の目的のひとつに「亀岡城から京都市内(当時の本能寺)まで歩けるか」を確認するというのもあったのですが、歩道がないところが多くて、むずかしそうでした。 「本能寺の変」を再現すべく、歩いてみようかなと思っていたんですけどね。先週土曜日に「攻城団歴史講座・城がたり〈よくわかる小牧山城〉」を開催しました。今回は小牧市の学芸員・鈴木さんを講師にお招きして、発掘調査を通じてわかってきた小牧山城と城下町のことを教えていただきました。とてもおもしろかったです。
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