現在復元工事中の名古屋城本丸御殿ですが、2013年5月29日から一部(玄関と表書院)が一般公開されています。
ようやく見学することができたので、写真レポートです。
なお、御殿内ではフラッシュ撮影は禁止されていますが、スマホのカメラでも十分撮影できると思います(このページの写真はすべてiPhoneで撮影したものを、あとで補正しています)。
これが外側、いわゆる「車寄(くるまよせ)」と呼ばれる場所で、えらい人や来客専用の玄関です。
家来の人たちはここから入ることは許されませんでした。
中はいわゆるタタキになっています。
車寄から入ってすぐのところは「玄関」で、待合室のような場所でした。
しかし徳川御三家筆頭である尾張藩の本丸御殿ですから、なんとも絢爛豪華な待合室となっています。
ちなみに二条城でも虎の絵が御殿の玄関近くに描かれていますが。これは訪問する人を威圧するためだったといわれています。一休さんもびっくりですね。
(二条城では玄関と呼ばず「遠侍(とおざむらい)」といいます)
また、「床の間」や「違い棚」といった書院造の特徴が見て取れます。
ただし、天井は簡素な造りになっています。
この手の建物では天井の装飾で格付けをあらわすことが基本で、上の写真のような一般的な竿縁天井(さおぶち天井)から、格子状になっている格天井(ごうてんじょう)、さらにはちょっと凹んだ(一段高くなった)折上天井(おりあげてんじょう)などがあって、複雑な構造になるほど格式が高くなっています。
いちばん格が高いのは「二重折上格天井(にじゅうおりあげごうてんじょう)」と呼ばれるもので、これは見てるだけで惚れ惚れする美術品のような天井です。
二条城二の丸御殿や復元された熊本城本丸御殿なども部屋ごとに天井の造りが異なっているので、訪問した際はぜひ天井もチェックしてみてください。
大廊下をわたります。
ここからがいわゆる謁見の場である「表書院」です。
最初の部屋は三之間ですが、天井がさっきとはちがう格天井になっているのがわかると思います。
障壁画には麝香猫(じゃこうねこ)が描かれています。
これは復元されたものですが、本物(重要文化財)も展示されていました。
そのさらに奥にあるのが表書院一之間です。奥に見えているのは将軍が座る上段の間です。
ここの天井も格天井ですが、内部に小さな格子が細工されているのがわかりますね。
上段の間です。壁の装飾もいちばん豪華です。
そして天井も折上げ格天井となっています。
ぼこっと一段高くなっているのがよくわかると思います。
あと上段の間ともなれば、欄間の装飾も少し豪華になっていますね。
ここはまだ表書院なので二重折上格天井は使われていませんが、おそらく今後復元されていくエリアにはあると思うので楽しみですね。
全体的に現存している二条城の二の丸御殿と似ていると思われたかもしれませんが、名古屋城の本丸御殿は二条城二の丸御殿と並ぶ、武家風書院造の双璧といわれていたそうです。
今後のスケジュールとしては、2016年度(平成28年度)に対面所など第二期工事エリアが公開され、2018年度(平成30年度)には全体公開が予定されています。
いまから待ち遠しいですけど、せっかくなので第一期分だけでも見学しませんか。追加料金もいらないので、すごくお得ですよ。
[追記]
「溜之間」には寄付された個人や会社の名前が掲示されていました。
出口のところで柿葺に使用される板の購入(寄贈)を受け付けています。
一口3000円からなので、今後の工事を応援する意味でも寄付してもいいですね。訪問した記念にもなりますし。ぼくは寄付しておきました。
(通常の寄付は一口1000円からでした)
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