攻城団からのお知らせ

映画『影武者』を見ました

伊賀上野城について調べていると「黒澤明監督の映画『影武者』のロケ地になった」というのを見つけて、いったいどこのお城の代わりに使われたんだろうと気になっちゃいました。
DVDはけっこう前に購入していたものの、3時間の超大作ということで尻込みしていたのですが、せっかくのゴールデンウィークですし、一気に見ることにしました。

image

いやー、見て良かったです。めちゃくちゃおもしろかった。
3時間はたしかに長いんですけど、1980年(昭和55年)に公開されたとは思えないくらい楽しめました。

いきなりこの固定カメラのシーンが6分以上もつづいたのはびっくりしましたけどね。 image
東宝『影武者』(1980年)
武田信玄の弟である武田信廉(逍遙軒)が見つけてきた男が、信玄の影武者として生きる運命を背負わされるというストーリーです。 野田城攻めのシーンでは熊本城が使われてました。宇土櫓のところですかね。 image
東宝『影武者』(1980年)
この西上作戦で信玄は亡くなるのですが、入れ替わった影武者を子ども(信玄の孫)にいきなり見破られるなど、「身内はダマせないよなあ」と妙なリアリティを感じました。 でもたとえばいまの時代でも大きな会社だと社長の顔なんて年に何度も見ませんから、ある日こっそり影武者に入れ替わったとしても気づかないかもしれませんね。 姫路城も使われてました。 image
東宝『影武者』(1980年)
さすがに岐阜城の代わりとしては無理があったと思うんですけど、信長の存在感を出すにはいいのかな。 あと野田城のシーンでも使われてました。 image
東宝『影武者』(1980年)
ここもたぶん姫路城だと思います。 信玄を撃ったという男が家康たちに説明しているシーンです。 そしてこの映画を見るきっかけになった伊賀上野城は高天神城の代わりとして使われてました。 image
東宝『影武者』(1980年)
image
東宝『影武者』(1980年)
image
東宝『影武者』(1980年)
あの30mもある高石垣をのぼったのかと思うとびっくりしますけど、エキストラで出てみたかったなあ。 それから信玄の訃報を上杉謙信が聞くというシーンで、一瞬だけ春日山城が映るんですけど、これは彦根城じゃないかなあ。 image
東宝『影武者』(1980年)
たぶん南西側から見た天守だと思うんですけどね。 ちょうど似たような角度から撮った写真があったので比較してみますけど、たぶんここですね。 DSC02655
東宝『影武者』(1980年)
たしかに彦根城のあたりはよく雪が降るので雪国の城の代わりになると思いますが、そもそも春日山城に天守があったのかって話ですよね。 ただ、エンドロールには彦根城が出てなかったので、ちょっと自信がないです。 image
東宝『影武者』(1980年)
映画の話に戻りましょう。 3時間の長編でも飽きなかったのは、次から次にいろんなことが起きる脚本の良さもありますが、それを見事に演じきっている役者のチカラも見逃せません。 信玄と影武者の二役を演じた仲代達矢さんはもちろん、信廉役の山崎努さん、勝頼役の萩原健一さん、織田信長役の隆大介さんなど、山岡荘八の小説が好きな人ならしっくりくる配役だと思います。 (個人的には大滝秀治さんは山縣昌景より馬場信春のイメージがありますけどね) クライマックスの「長篠の戦い」のシーンでは、北海道厚真町の原野に全長400mになる馬防柵をつくって撮影したそうです。たしかにすごい迫力でした。 image
東宝『影武者』(1980年)
image
東宝『影武者』(1980年)
躑躅ヶ崎館も現存する古絵図をもとに、1億円をかけてオープンセットが建てられたそうです。 そのくらいお金がかかってる映画なのですが、制作費は当時としては破格の9億円だったものの、黒澤監督は12億円必要だと主張したため、一時企画そのものが流れかけたそうです。 そしてそのことを聞きつけたフランシス・コッポラとジョージ・ルーカスが協力して、20世紀フォックス社との世界配給契約を制作前の段階から取り付けて、なんとか制作が実現したということなのですが、ここに出てくる名前だけでこの作品のすごさが伝わりますよね。 いろんなエピソードがある映画ですが、なかでもいちばん有名なのは当初の主役は勝新太郎さんだったという話でしょうね。 けっきょく黒澤監督と衝突し、降板したらしいんですけど、勝新太郎版も見てみたかったですね。
   
サポーター募集
攻城団は無料で利用できますが、その運営にはたくさんのお金がかかります。5年後も10年後もその先も維持するために、このサイトを気に入ってくださった方はぜひご支援ください。何卒よろしくお願いいたします。 サポーター制度のご案内
この記事のURLとタイトルをコピーする
これからあなたが訪問するお城をライフワークとして記録していきませんか?(過去に訪問したお城も記録できます)新規登録(登録は無料です)

最新記事

城たび〈黒田涼さんとめぐる江戸城ガイドツアー〉を開催しました

  • 城たび
  • 開催レポート

12月8日(日)に城たび〈黒田涼さんとめぐる江戸城ガイドツアー〉を開催しました。2018年以来、6年ぶりの開催となりましたが、黒田さんのわかりやすい案内で今回も楽しく江戸城を学ぶことができました。参加できなかった方のために当日の様子をレポートします!

つづきを読む

東美濃の城たびを開催します!(美濃金山城・岩村城・苗木城)

  • お知らせ

来年の2月に美濃金山城、3月に岩村城と苗木城で城たびを開催します! 東美濃歴史街道協議会と攻城団によるタイアップ企画「東美濃の山城を制覇せよ!」の締めくくりとして多くの団員の参加をお待ちしています!

つづきを読む

明知城にチラシが置いてあります

  • チラシ設置報告

岩村城の城主・遠山景朝の子、遠山景重の居城である明知城にも攻城団のチラシを置いていただきました。大正村観光案内所と恵那市観光物産館「えなてらす」で入手可能です。

つづきを読む

マイページのヘッダーをカスタマイズできるようにしました

  • お知らせ

みなさんのマイページ(公開用プロフィールページ)のヘッダー部分について、背景色を指定したり、ヘッダー画像を設定できるようにしました。

つづきを読む

攻城団レポート(2024年11月)

  • 月次レポート

毎月恒例の月次レポートを公開します。師走の由来が「お坊さんが走り回る」というのはどうやら間違っているようですが、現代人にとって忙しい月であることはまちがいないので、みなさんも健康に気をつけて、良い一年の締めくくりにしてください!

つづきを読む

記事の検索

あなたのお城巡りをより便利に快適に、そして楽しくするためにぜひ登録してください。

新規登録(登録は無料です)

フォローしませんか

攻城団のアカウントをフォローすれば、SNS経由で最新記事の情報を受け取ることができます。
(フォローするのに攻城団の登録は不要です)

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する

トップへ
戻る