アサヒビール大山崎山荘美術館で開催されている「野口哲哉展 ―野口哲哉の武者分類図鑑―」を見てきました。
東京で開催されてたのをうらやましいなと思ってたのですが、ありがたいことに京都でも開催されたのです。
最初の写真にあるように、鎧武者のフィギュアやイラストなんですけど、シャネルのマークを家紋とした甲冑を身にまとっていたり、ヘッドフォンで音楽を聞いたりアタッシュケースを持ったりする鎧武者がいたりと、現代にタイムスリップした武将というよりは、スーツが存在しないパラレルワールドみたいな不思議な世界になってます。
このブログを読まれてる方なら、じっさいの戦国武将の鎧兜には動物や昆虫をモチーフにした変わり兜をご存知だと思いますが、そういう甲冑の常識を「踏まえてる」部分と、それをおもしろおかしく「逸脱してる」部分とが、見事なバランスで昇華されていて、ほんとにすごかったです。
「まがいものが本物を超えるのは分不相応だから、原寸大では造らない(必ず本物より小さく造る)」という考え方も素敵だなあと思いました。
そしてなにより、解説文を本人が書かれてるんですけど、そこにも創作がたっぷり入ってて、すごいんです。
よくもまあこんな「それっぽい」設定を考えるなあと感心するような文章が、すべての作品に添えてあります。たとえばこれはシャネルの家紋が入った甲冑の作品に添えてある解説文ですが、作品集に同じ文章があるので引用します。
紗練(しゃねる)家概要
開祖である紗練常陸介隆昌(しゃねるひたちのすけたかまさ)、旧姓・桐野高昌が、円保5年の文燕之役での戦功を認められ、主君からシャネル・ブランドのハンドバックと共に紗練姓と紋を許された事に始まるとされている。宣教師によって西洋文化が国内に齎(もたら)された当時、船来品は論功行賞の褒美としても珍重されていたが、紗練家のように船来の高級品をそのまま家名とする事例は稀ではある。
ちなみに、紗練家自体は仏国にある本家シャネルからの公認を受けたものでは無く、直接的な接点も皆無である。また貿易封鎖に伴い、3代藩主・隆経の時に、佐練(さねり)家に改名したために、紗練の名は隆昌、隆芳の二世代間で使用されたのみである。
野口哲哉ノ作品集「侍達ノ居ル処。」P.44(上の写真はP.45)
- 紗練家については、隆昌を初代当主とする説と、彼を開祖とし嫡子・隆芳を初代とする説があるが、本項では後者の説を採用した。
- 紗練姓については、一部講談などで隆昌が南蛮商人の娘を助け、その時贈与されたハンドバックに由来するとの伝承があるが資料的な根拠はない。
- 以上は作者の創作した架空の解説であり、すべての事柄は実在しない。
すごくないですか。
どの武将がモデルだったかなと考えてしまうくらいリアリティがあります。
フィギュアの大きさも手のひらサイズのものから、40cmくらいあるものまであります。
今回の作品展では、新作を含めたほぼ全作品といえる約90点が展示されているそうですので、ぜひ会期中に多くの人に見にいってもらいたいです。
(今回は会場がアサヒビール大山崎山荘美術館ということもあり「GENERAL ASAHI」と題された新作が展示されています)
おみやげには小さなメタルフィギュア(各860円)と絵ハガキ(各100円)を買いました。
メタルフィギュアがめちゃくちゃかわいいんです。
2Fのカフェではリーガロイヤルホテルのケーキセットを食べられるんですけど、今回の作品展にあわせた特製オリジナルケーキがメニューにありました。
この3つなら、やっぱり「黒田蜜柑兵衛(くろだみかんべえ)」ですよね。
ちなみに野口哲哉さんの作品集は本屋さんでも買えます。
めちゃくちゃオススメですし、もちろんぼくも持ってますが、実物はもっとすごいので、ぜひ自分の目で見てみてください!
開催場所 | アサヒビール大山崎山荘美術館 |
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開催期間 |
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開催時間 | 10:00〜17:00(最終入館:16:30) |
入場料 | 一般900円(800円)、高大生500円(400円)、中学生以下無料 |
URL | 野口哲哉展-野口哲哉の武者分類(むしゃぶるい)図鑑-│企画展のご案内│アサヒビール大山崎山荘美術館 |
アサヒビール大山崎山荘美術館ははじめてだったのですが、建物も庭も雰囲気があって素敵でした。
また別の企画展でいってみようと思います。
カフェからの眺めも素晴らしいです。
あと、変わり兜についてはこの本がオススメです。
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