アサヒビール大山崎山荘美術館は、加賀証券の社長など多くの会社経営を行い、大日本果汁(現・ニッカウヰスキー)創業にも参画した実業家・加賀正太郎が建てた英国風の山荘の建物を復元整備し、1996年(平成8年)に美術館として開館されました。
建物は加賀正太郎が昭和初期の1932年(昭和7年)に完成させた3階建てのイギリス・チューダー様式の山荘である本館と、それとは別に隣接して地下に作られた安藤忠雄設計の地中館(「地中の宝石箱」)、同じく安藤忠雄設計の山手館(「夢の箱」、2012年開館)となっています。
館内は撮影不可ですが、各所に木やレンガの温かみが感じられる本館と、安藤建築の代名詞ともいわれるコンクリート打ち放しのの新館が見事に調和しているとてもくつろげる美術館で、年間約9万人が訪問します。
美術館のコレクションの中核は、朝日麦酒株式会社(現・アサヒビール)の創業者として知られる関西の実業家・山本為三郎の収集したコレクションで、モネの『睡蓮』などが展示されるほか、さまざまなテーマでの企画展も開催されています。
また大正時代、この山荘には夏目漱石が訪問したことがあるそうです。
夏目漱石の山荘訪問
文豪・夏目漱石が大正四(1915)年四月一五日、桜花爛漫の大山崎山荘を訪れた。予てより山荘の名前を有名人に名付け親になってほしいと願っていた加賀正太郎の招きによっての訪問である。漱石一行は国鉄京都ステーションから山崎駅まで汽車で向かい、下車後夏目先生と奥方は籠に揺られて山荘の門をくぐった。正太郎は夏目一行を歓迎し、広い庭で昼食に「関東煮」や「おしるこ」を御馳走した。
その後、隣にある宝積寺に行った一行は、住職から寺にまつわる面白い話や宝物を見せてもらい楽しい一日を過ごした。漱石一行は正太郎との再会を楽しみに山荘を後にした。
後日、漱石から届いた礼状に、「宝寺の隣に住んで櫻哉」の一句が添えられていた。当時の山荘には「憩いの桜」という見事な枝振りの桜があり、漱石もその桜に魅了され一句をしたためたのであろう。 大山崎町役場 経済環境課
アサヒビール大山崎山荘美術館の観光情報
住所 | 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字銭原5-3 |
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開館時間 | 10:00〜17:00(最終入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合、翌日) |
観覧料(常設展示) |
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URL | http://www.asahibeer-oyamazaki.com/ |