妙喜庵(みょうきあん)は室町時代に創建された仏教寺院で、国宝の茶室「待庵(たいあん)」があることで知られています。
待庵は、日本最古の茶室建造物であると同時に、千利休が作ったと信じうる唯一の現存茶室です。
寺伝には、1582年(天正10年)の「山崎の戦い」のおり羽柴秀吉の陣中に千利休によって建てられた二畳隅炉の茶室を解体し移築したとあります。
「山崎の戦い」後、大坂城を築いて居城を移すまで、秀吉は天王山に築いた山崎城を本拠としており、その頃は(短期間ではありますが)利休もこの地で暮らしたそうです。
待庵の構造は、現在一般化している、にじり口が設けられた小間(こま)の茶室の原型かつ数奇屋建築の原型とされています。
(なお、現在の一般的な茶室より、にじり口は少し大きめにつくられています)
また、柱が表面に見えないように土で塗りまわして壁に隠す「室床(むろどこ)」や、にじりから入った客に少しでも圧迫感を感じさせないよう天井を高くする「掛け込み天井」など、随所に工夫がほどこされています。
待庵を見学するには
待庵を見学するには、およそ1か月前までに往復はがきによる予約が必要で、見学が許可された場合も、にじり口からの見学のみで、内部に立ち入ることはできません。 (畳が抜けるおそれがあるからだそうです)
ハガキの記載事項
往信裏 |
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往信表 | 〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町竜光56 妙喜庵 御中 |
返信裏 | 白紙のまま |
返信表 | 拝観希望者の住所、氏名 |
なお、志納金(ひとりにつき1000円)が必要です。
申し込み人数は、1グループ10人までで、高校生以下の方は拝観できません。
ちなみに徒歩5分弱の距離にある大山崎町歴史資料館には待庵の創建当時の姿の原寸大復元模型が展示されており、近くから見学することができます。
妙喜庵(待庵)の観光情報
住所 | 京都府乙訓郡大山崎町大山崎小字龍光56 |
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開館時間 | 事前に指定された時間に訪問 |
休館日 |
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拝観料 | 志納金として1000円 |
URL | http://www.eonet.ne.jp/~myoukian-no2/ |
国宝の茶室
余談ですが、国宝に選ばれている茶室は3つあり、この待庵のほかに、織田有楽斎がつくり、現在は犬山城に移築されている「如庵(じょあん)」と、京都・大徳寺龍光院にある「密庵(みったん)」です。