佐和口は南の京橋口、西の船町口、北の長橋口とともに彦根城の4つの門のひとつで、表門に通じる入口として、大手門がある京橋口とともに彦根城の重要な城門のひとつでした。現在の彦根城のメインの入口になっています。
佐和口多聞櫓は、その佐和口を守るための防御の要でした。
彦根駅のほうから「いろは松」に沿って進むと見えてくるのが佐和口多聞櫓です。
上の写真の左側が江戸時代から現存する部分です。
右側は明治のはじめに解体されてしまったものを、1960年(昭和35年)に開国百年を記念して復元したコンクリート造りの建物で、開国記念館となっています。
もともとは中央部分に櫓門があったそうですが、これも1868年(明治元年)に解体されています。
犬走りもありますね。
特別公開中の期間だけですが、佐和口多聞櫓には内側から入ることができます。
馬屋のほうから、二の丸駐車場にまわると入口があります。
二階二重の櫓から入ると、内部はこんな感じになっています。
内壁が波を打ってるようになっていますが、これを「真壁造り」と呼ぶそうです。
窓からは「いろは松」も見えます。
彦根城の城下の様子がわかる模型も展示されています。
佐和口多聞櫓の建立について、詳しいことはわかっていませんが、彦根城がおおよその完成をみた1622年(元和8年)までには建てられていたと考えられています。
その後、1767年(明和4年)に城内で発生した火災で類焼し、現在の建物は1769年(明和6年)から1771年(明和8年)にかけて再建されたものだといわれています。
この佐和口多聞櫓は、1951年(昭和26年)9月22日に国の重要文化財に指定されています。
なお、「多門櫓」ではなく「多聞櫓」なのでご注意。