名古屋城の北西エリア、御深井丸(おふけまる)と呼ばれる場所の北西隅に戌亥隅櫓(西北隅櫓)が現存しています。
3重3階の大きな櫓で、平面規模は桁行8間、梁間7間、高さは約16.3mあります。
規模としては宇和島城天守(高さ約15.7m、桁行6間、梁間6間)を上回り、3重5階の高知城天守(高さ約18.6m、桁行8間、梁間6間)には高さでは及ばないものの平面規模では凌駕する大きさとなっています。
また、この西北隅櫓は、1611年(慶長16年)に清洲城(清須城)天守または小天守を移築したものと伝えられているため「清洲櫓」とも呼ばれています。
解体修理の際には、移築や転用の痕跡も見つかっているため、じっさいに清須城から移築されてきた可能性も指摘されています。
1930年(昭和5年)、国宝保存法に基づき当時の国宝に指定、1950年(昭和25年)に文化財保護法施行にともない重要文化財に指定されました。