みなさんこんにちは、攻城団のコースケです。
1月8日(金)に兵庫県姫路市に行ってきました。
永続化プロジェクトがスタートしたとき、ぼくがまっさきに思い出したのは姫路市に住んでいる、ある方のことでした。ご縁のきっかけは2年前に参加した「軍師・黒田官兵衛に学ぶ」ツアー。
(参加の様子は当時、攻城団に寄稿しています)
バスの席がとなりになり、話をさせていただくとツアーのアレンジをおこなった方だということがわかりました。そして車中、姫路城や御着城、姫路市についてほんのちょっぴりお話を聞かせていただいた――ご縁といっても、そんな細いご縁なのです。永続化プロジェクトを開始することになったとき、そのときの光景を思いだしたぼくは、SNSをとおして連絡をとりました。
「......といったことをお話させていただきたいんです!」と、お願いをすると「じゃあ、まず聞いてみるよ」とおっしゃっていただくことができ、年明けのアポイントが確定。姫路城へご提案にいけることになりました。
過去の行動が、いつの未来につながるのかは想像しがたいものだなぁと改めて感じますね。
1月8日(金)の朝5時に自宅をでました。例によって早朝のため電車内にはまだ誰もいません。
特急に乗りかえて新大阪駅へ。さらに山陽新幹線を経由して姫路駅に到着。当日「どのくらい時間かかりました?」と質問されましたが、だいたい5時間強で到着します。
姫路駅をでて一直線にみえる姫路城大天守。このロケーションをみるとテンションがあがります。駅前では多くの方がおなじように撮影をしていました。
イーグレひめじ前の駐車場広場で待ち合わせです。駐車場前からみえる姫路城がよく見えたのでさっそく1枚。大天守の屋根に色がすこしつきはじめていました。
場所を移動してランチをとりつつ、今回の訪問の意図と攻城団についてあらためてご説明をさせていただきました。
今回の訪問は
をおこなわさせていただくこと。
これらの話をみなさんに聞いていただいた上で、姫路城(姫路市)が考えてらっしゃるテーマや課題を聞かせていただき、さらには攻城団を活用していただくにあたって、クリアしなきゃいけない宿題をいただくことで「次回につなげられればいいな」とシミュレーションしていました。
前述のツアーに参加したさい、姫路城がかかえている観光面での課題は「滞在時間が短いこと」「宿泊せず、通過型の観光地になっていること」ということは、耳にしたんですよね。
(ドキュメントでも書かれているのを読みましたしね)
たとえば攻城団が提唱するコンテクストツーリズムは、滞在時間の課題をクリアすることができます。いままでがそうであるように、攻城団が今後も「お城めぐりの動機づくり」を視野に入れているかぎり、さまざまな提案ができるのです。
攻城団ならその課題をいっしょにクリアできるはずだ、という自信がありました。ぼくらはたんに広告枠を売りたいわけじゃあないんです(カタチとしては販売してますけどね)。
連携イメージなどを想像していくと、提案内容はきっとズレていないハズだと考えていました。
ランチをしながら、攻城団の背景や、コンテクストツーリズムについてお話をさせていただくと「お城めぐり好きならではの着眼点」があるよねー、という評価をいただきました。
またマーケティングの課題にもなりますが「姫路の名物料理は?」「姫路の定番お土産は?」「姫路城以外に観光はどこにいくの?」といったことが、明確になっていないことも話題になりました。
たとえば姫路城訪問のあと 「西の比叡山」とも呼ばれる書写山圓教寺にはどうやっていけばいいかわかりにくい、といった例があります。また姫路城西の丸横にある好古園に気づかないまま帰られてしまったり、北側の野里にのこる街並みのことは、観光に来られた方にはほとんど伝わっていないんじゃないか(ぼくも当日伺ってはじめて知りました)という話もでました。
伝えていくために改善する余地がおおいにありそうな回遊型観光について――攻城団がもっともとくいとするフィールドかもしれません。もりあがるランチを終えて、姫路城へ向かいます。
こうして事前に話ができると、自信の後ろにちょっぴり残っていた、迷いや不安を飲みこむことができますね。
そして面会場所の『姫路城迎賓館』に到着しました。
姫路城への入城券を購入する場所に、事務所のほかに木造建築物があるのをみた記憶ありますか?『姫路城迎賓館』 はそこにある建物です。
「ここ...なのか......??」
この重厚感ある柱を見てください。こんな素晴らしい場所で話をすることになっているんです。面会場所としてはなかなかない経験なので、ちょっと圧倒されそうになりました。
さっそく迎賓館のなかに入りました。せっかくなので許可をいただき、なかを撮影させてもらいました。
姫路城が描かれた屏風があります。
黒田官兵衛が織田信長から拝領したと伝わる「へし切り長谷部」のレプリカも飾ってありました。
本日お時間をいただいたのは姫路市観光交流局の岡田さま、大前さま、姫路城管理事務所の石川さまのお三方。16人くらいは座れそうなテーブルに着席しました。
本日持参したスライド一覧。何度か訪問を重ねていくなかで、ご質問をいただく箇所も明確になってきたので、年末にバージョンアップしました。
基本データ掲載や、ビジュアル表現がちょっとだけ進化している2016年1月版です。
盛りだくさんのご提案をさせていただきました。攻城団がどのように使われているのか、スマートフォンを操作しながらの説明もおこないます。
城メモでは「姫路駅からのアクセス」「大手門駐車場」「姫山駐車場」などを写真入りでこまかく記事化していることに、とても感心していただけました。
このあたりはぼくたち自身がお城にいく人として、必要だと感じる情報を整理しているからこそできていることだと思っています。
また「100名城スタンプ」は設置場所を聞きにこられる方が多いそうです(じっさい、このあと表に出るとスタンプを探している女性に出会いました)。
各地の100名城のお城はスタンプ設置場所がどこにあるか、わかりやすくしておくと良さそうですね。
そして本日メインの提案となる『お城資料館の共同設立』のご提案。
資料館については、こうの団長が「攻城団を永続させるために」の記事で、こんなふうに書いています。
攻城団資料館の設立
まずは攻城団の本拠となるスペースを全国どこかの城下町につくりたいと思っています。 それは会社を設立する場所でもありますが、全国各地の団員がいつでも遊びに来れるリアルな攻城団のたまり場でもあります。 ぼくがこれまでに収集してきたお城にかんする書籍や雑誌などが1000冊以上ありますので(なかには「日本城郭大系」のような貴重な資料もあります)、これを自由に閲覧できる資料館をつくれないかという提案をいくつかの自治体や観光協会にしているところです。 ゆくゆくは同様の施設を各地につくっていくことで、城下町のネットワークをつくりたいんですよね。 攻城団では「次にいくお城」を提案するためにバッジなどの仕組みを使っていますが、お城を訪問した方に対面でもやりたいんです。お城めぐりのコンシェルジュとして、その人が楽しめそうなお城を紹介してもらえたらわくわくしませんか。 攻城団を永続させるために(現在、攻城団で進めていること)
たとえば姫路城に特化した資料館施設があることで「どんなことができるだろうか」ということで、ひとしきり話が盛りあがります。そして盛りあがるほどに、クリアしなければいけないこと、調整しなければいけないことが、どのくらいあるのかがわかってきます。
このときの会話で、「このあと、どこを観光すればいいですかね」とか「定番お土産ってなんでしょう。どこにいけば売っているのかしら」といった質問がときおり、事務所に寄せられているということを、石川さんよりお聞きしたことは、「資料館があれば、きっと立ち寄ってもらえそうだなあ」と確認できた気がして、少しホッとしました。
誰でも立ち寄ることができる資料館があれば、そこで姫路市内の周遊観光案内ができます。また姫路城を拠点とした広域観光圏のご案内をする役割も持てるんです。
さらにちょっとした休憩所も併設して、いまめぐってきたお城を眺めつつお茶が飲めたりするといいですよね。
広域観光圏を形成するにはネットワーク構築をおこなう必要がありますが、行政や観光協会ではすすめにくいこともあります。だけど会社法人だからこそできることも多くあると思うのです。
数字情報をとおして姫路城の方向性を伺うこともできました。
姫路市では、グランドオープン後の今年度の姫路城入城者人数を280万人と予測しているそうです。大天守の保存修理がおこなわれる以前は、平均すると年90万~100万人くらいです。
グランドオープンの今年度をピークと仮定すると中期的には年間120~150万人の数値を目標としたいそうで(まだ公式発表じゃありません)、みなさんに姫路城にきてもらうための施策をおこなっていきたいのだとか。
数字だけをみると、30万~50万人増とハードルがけっこうあがっていますね。
「修理が終わったんだから、これくらいは簡単だろう」という声も聞こえそうですが、数値目標を到達するためには、理想と現実の差をはかり、なにをしなければいけないのかを洗い出していく必要もあります。ちょっと想像しただけでも、やれることが、やるべきことが、まだまだたくさんありそうじゃないですか。
実現のためのひとつの機能として、攻城団とお城資料館をぜひ活用していただきたい! きっと役に立つはずです、と姫路城で話していると、なんだか気分も高揚してきます。
また、岡田さま、大前さま、石川さまみなさんが、互いの話にそれぞれうなづかれていた様子がとても印象的だったのが「姫路城プラス1(ワン)」というフレーズです。フレーズの背景には「姫路城をみたら、帰ってしまう問題」があります。
滞在時間をのばしていただくために。もっと滞在してもらえるための観光モデルの提案を今後は積極的にやっていかなければいけない。「姫路城プラス1(ワン)」という表現で こうした趣旨のことを姫路市長が、いつもみなさんに話しているのだそうです。
こうしてひとしきりお話や情報を共有させていただくなかでお伝えしたのは、攻城団こそが「お城めぐりで出かける人」たちに情報を伝えることができる唯一の存在だということです。
「同じようなサービスってあるのかな」と聞かれますが、「お城めぐりをおこなった記録(想い出)を残せるサービス」は攻城団だけです(見落としていたら申し訳ありません!)。
「お城めぐりで出かける人」が知りたいのは、お城訪問の予習となる情報コンテンツです。お城ごとの情報、歴史、うんちく、名物料理。訪問する際に必要となる駅からの道順や駐車場情報、山城だとしたら、トイレ事情も知っておきたいですよね。
熱く語ってしまいました......。
つまり攻城団はサイトに広告出稿をお願いしているわけではないのです。いや、お願いしてますけども。
攻城団に広告を掲載する、記事を掲載する、公式バッジのスポンサーになっていただくことは、観光に「行く目的」を、利用者のみなさんに提案していくためのツールなんですよね。
とはいっても攻城団はスタート(を模索して活動)しはじめたばかりです。まだまだ実施例も少ないため、姫路市役所のみなさまにはまず事例の先駆けとなっていただけるよう、いくつか具体的なご提案をさせていただくことお願いいたしました。
(採用されるかどうかは今後次第です!)
ひとしきり話が終わったところで、修理工事がはじまっているリの一渡櫓・リの二渡櫓の保存修理工事を「せっかくなので、ぜひ見ていってください!」とご案内していただくことに。
道すがら、保存修理現場を見ていってもらいたかったんです、といっていただきました。「姫路城迎賓館」を面会場所として設定してくださったのは、そのためだったのかとわかり、感動して胸が熱くなりました。
保存修理工事は見学コーナーが設置されています、近くに寄って見ることができます。
瓦は2万枚強あるそうで、すべて修理されるとか。
見学コーナーは高さが2~3mくらいありますので、ふり返ると、いつもとちょっとちがった角度から大天守、小天守を眺めることができます。
踊り場からは、(おそらく見たことのない)瓦が見えます。
管理事務所のかたがたも「なんだろう?」と思っていたそうですよ。ぜひ現場にいって確認してみてくださいね。
修理工事現場の見学というサプライズに興奮しつつ、姫路城をあとにしました。
帰りの車中で、「これからいくつかドキュメントをつくったり、具体的にいろいろと取り組めるようにしなきゃなぁ」と、ぼんやり考えていました。
するとメール通知が。
届いたのは、「イベント・お知らせ告知欄に掲載できるので、データ提供をお願いします」とお願いをしていた『リの一渡櫓、リの二渡櫓 保存修理工事』の告知データでした。こんなにはやくいただけるのは、とてもうれしいものですね。
さっそくクリップに投稿。姫路城のページ上部にも掲載されています。
(こんなふうにイベントやお知らせの告知を無料でおこなうことができますので、各地のお城関係者のみなさん、ぜひ広報にご活用ください!)
初詣ならぬ城詣での第一弾が、姫路城になるとは想像していませんでした。
これからご提案させていただいた内容を、着実に進めていくためにいろいろ動いていきます。また進展があればご報告させてください。
今月はあと4つのお城に訪問する予定がはいっています。エントリーも多くなりますが、活動を率直にお伝えしたいと思っていますのでよろしくお付き合いください。
きょうも最後まで「永続化プロジェクト」のレポートを読んでくださってありがとうございます。
本年もたのしく攻城しながら、永続化については着実に進めていきたいと思いますので、応援してくださいね。
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