伝もものふ山田(ヤマー)さんは41件のレビューを投稿しています。
検索ページ「現代語訳 信長公記」の地図入り版です。本文中の随所に地名入りの地図が挿入され、場所を確認しながら読めるので分かりやすくなっています。
信長公記は派手な物語とは違い、淡々と記録が記されているのみですが、かなり細かく書かれているので読み応えはあります。淡々とした中にも時折、太田牛一主観の興奮した記述があるのが面白かったです。
巻末には信長の詳細な年表、登場人物の索引があり資料としても使えます。電子書籍(kindle)版で読みましたが、文中を検索でき便利でした。
戦国武将100人の家紋・旗・馬印がオールカラーで掲載されています。
家紋は定紋の他に裏紋も掲載され、由来なども書かれているので勉強になりました。
陣旗・馬印はサイズ感が分かるように人物とともに描かれています。武将により個性あるデザインが面白く、これらの旗がひるがえっていた合戦場を想像するのは楽しいです。合戦絵図を見る際の資料としても参考になります。
信長が関係した主要な合戦について書かれています。
合戦の流れが地図上に書かれており、発生原因、戦況、結果が把握しやすくなっています。流れを理解するには分かりやすい本です。気軽に予習、復習をする用途に向いていると思います。
序章では織田家の系譜について説明されており理解を深めることができました。
★第150回(2013年下期)直木賞受賞作
幕末から明治を生きた女流歌人「中島歌子」を描いた小説です。歌子が残した歌「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」が全てを表現しています。読み終わる頃には、この歌の意味が理解でき感情移入していました。
水戸藩が舞台になっており、烈公(徳川斉昭)、弘道館、天狗党などが出てきます。
天下糖一を目指す織田信長、その忍びとして活躍する「千鳥」を主人公にした4コマギャグ漫画です。
ギャグ漫画ですが、しっかり史実に基づいて物語がすすみ、笑いながら勉強もできます。登場する人物たちの個性が爆発しており、ツッコミ担当「明智光秀」、変態老人「松永久秀」、猛毒料理人「ねね」、覚醒コンビ「朝倉義景・斎藤龍興」など、とても面白いです。
そして一番の見どころは、千鳥カワユイ千鳥♡
アニメでは動く千鳥も見れます。
戦国4コマ漫画「信長の忍び」のスピンオフ作品で、信長が尾張統一を果たすまでを描きます。ギャグ漫画ですが、信長公記などの史実に基づいており、信長の抹香投げかけ、道三との会見などの名シーン?も忠実に再現されています。
全3巻で気軽に読め、笑いながら勉強にもなりました。
「信長の忍び」の主人公「千鳥」も少しだけ登場します(千鳥ファン歓喜♡)
江戸幕府の第五代将軍「徳川綱吉」を題材にした小説です。
将軍になった経緯、綱吉の治世に対する考え方などが描かれます。綱吉の時代には、勅額火事、富士山噴火、赤穂事件などの災害・事件が多く発生しました。天変地異は将軍の行いが悪いからと信じられていた事もあり、綱吉は最悪の時代の将軍として苦悩を重ねていきます。
読後には、犬公方だけでない綱吉を知り印象が少し変わりました。
日本の元号について、改元理由、ランキング、逸話、ゆかりの地など様々な観点から解説されています。
現代では天皇即位による代始改元のみですが、過去には吉兆による祥瑞改元、凶兆による災異改元、60年に1度実施される辛酉・甲子改元などがあり、元号が多い理由がよく分かりました。明和9年は迷惑年になるから、というダジャレ改元もあり面白いです。
巻末には、元号の一覧・改元理由がまとめられ資料としても使えます。
★第162回(2019年下期)直木賞受賞作
明治から大正時代のアイヌ民族を題材にした小説です。白瀬南極探検隊の犬ぞり担当として活躍した樺太アイヌ「ヤヨマネクフ(山辺安之助)」、アイヌ女性と結婚しアイヌ文化を研究したポーランド人学者「ブロニスワフ」、ふたりの生涯を通じてアイヌの歴史・文化が描かれます。
現代においてアイヌ文化を知ることができるのは、ふたりの功績が大きいと感じました。
漫画「ゴールデンカムイ」を題材としたアイヌ文化の解説本です。
丁寧に分かりやすく書かれており「ゴールデンカムイ」を読んだ人にも、これから読む人にも理解しやすいと思います。アイヌの歴史、言葉、信仰、グルメなど様々な観点から解説されています。
読後には、漠然としていた「カムイ」という言葉の意味あいを理解できました。
岩村城の女城主「おつやの方」、武田二十四将のひとり「秋山伯耆守虎繁(善右衛門)」の夫婦の物語です。
戦国の時代において政略結婚は当たり前ですが、ふたりの気持ちが徐々に変化していき、お互いを思いやる姿が素敵でした。
合戦の描写では、岩村城の縄張、周辺支城の位置関係などを確認しながら読むとより楽しめます。
徳川家康の生涯を描いた小説です。
大阪の陣が終わり江戸から駿府に向かう途中、泉頭の地で過去を回想する場面から始まります。一向一揆との戦い、三方ヶ原での敗北、嫡男信康の自刃、伊賀越えの窮地、小牧・長久手での辛酸、多くの出来事が家康の心情とともに描かれます。「家康の考える天下とは何か」が物語の主軸となっており、家康の生き様を感じることができました。
本作品は大河ドラマ「天地人」の原作者でもある火坂雅志氏の遺作になります。
家康の窮地「神君伊賀越え」を題材とした小説です。
物語の前半では、甲州征伐を終えた信長との語らいを通じて「三方ヶ原の戦い」や「長篠の戦い」など過去の出来事が描かれます。後半の伊賀越えでは、巻頭に記された地図で家康一行の足どりを確認しながら読みすすめる事ができました。
伊賀越えにいたる「本能寺の変」の経緯がひと味違う視点となっており、興味深く楽しめました。
マイナーな城の御城印も多く紹介されており、情報量がすごいです。この本だけでも御城印を集めた気分を味わえてしまいます。
御城印のデザインの由来など解説も充実しているので、御城印を集めていない人も楽しめます。
城の写真には提供した団員さんの名前も記載され、攻城団のみんなで作りあげた感が詰まっていて嬉しくなりました。
おなじみ千田嘉博先生の著作です。
織田信長が居城した勝幡城、清須城、小牧山城、岐阜城、安土城について、千田先生の考察をふまえて解説されています。城の歴史等を学べることはもちろんですが、発掘調査、絵図・地図、文書などから築城の背景、信長の意図を導き出していく考え方が勉強になりました。
新書サイズで持ち運びも便利です。お城でばったり千田先生に遭遇した際に、サインを頂けるかもしれません。
ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスと、彼の著書「日本史」について解説されています。
フロイスの鋭い観察力で記された「日本史」は量も膨大で読むのが大変そうですが、本書で雰囲気を感じることができました。フロイス本人についても解説され、日本に来た経緯、信長との関係も知ることができました。
フロイスから見た各戦国大名の印象が面白かったです。(宣教師から絶賛 大友宗麟、デウスの敵 毛利元就など)
日本城郭検定の公式参考書です。
城の歴史・構造、古代の城・チャシ ・グスクまで幅広く丁寧に説明されており、あいまいになりがちな城郭用語を広く正しく学習できます。
図や写真も豊富で分かりやすく、楽しく読めました。検定を受けない人にもオススメです。城郭検定1級対策には、この本の熟読が効果的でした。
日本城郭検定の公式参考書です。
初学者向けの内容で全ページフルカラーになっています。写真も豊富に掲載されており、実物を見る感覚で分かりやすいです。城郭に関する基本的な事項をしっかり学習できます。
お城巡りに興味を持ちはじめた方にもオススメです。攻城前に読んでおくと城の見え方が変わると思います。
武田信玄の他界から長篠の戦いまでを描いた小説です。
武田勝頼、徳川家康、羽柴秀吉の視点で物語が進みます。各章には日付とともに各人の挙動や思いが描かれ、長篠の戦いに至るまでの経過も楽しめました。巻頭には長篠城周辺の地図が記載され、状況を理解しながら読み進めることができました。
この物語の続きは、同著者の「武田家滅亡」で描かれ、あわせて読むとさらに楽しめます。
小田原北条家から上杉謙信の養子となった「上杉三郎景虎」を主人公とした小説です。
渇食の僧として過ごした幼少期、小机への養子入りと突然の離縁、御館の乱での悲しい結末、景虎の短い波乱の人生を感じることができました。この作品の樋口与六(のちの直江兼続)は、なかなかの悪者です、憎き!
同著者の「武田家滅亡」と時代背景、登場人物がリンクしており、あわせて読むとさらに楽しめます。
徳川家臣の大久保彦左衛門忠教によって記された「三河物語」の現代語訳版です。
松平初代の氏親から徳川三代の家光までの伝記、大久保家の活躍などが記されています。創作的な内容も含まれており資料としては注意が必要です。例として織田信長の朝倉義景への発言「天下は朝倉殿が持ち給え」は、三河物語のみの記述で真偽不明のようです。
門外不出として記されたためか、徳川家への愚痴なども書かれており大久保彦左衛門の苦労を感じました。
★第14回(2010年)手塚治虫文化賞マンガ大賞 全25巻 読みは「ひょうげもの」
豊臣秀吉・徳川家康の茶頭として活躍した茶人「古田織部」を主人公とした長編ギャグ漫画です。
絵、キャラクター、表現、ストーリー、すべてにおいて「クセがすごい」です。慣れるまで大変でしたが、徐々にクセが「乙」になりました。
古田織部の生涯を、独特な世界観で描ききったこの作品自体が「へうげもの」だと思います。
古文書が気になり始めた人向けの入門書です。古文書自体についての解説は少ないですが、学習するための心がまえ等を教えてくれます。
「モンジョ先生」と「フミオ君」の会話形式で書かれています。途中、脱線ぎみですが、ドラマや小説の時代考証や楽しみかたなどの話は面白かったです。
本書で紹介されていた「古文書解読字典」を入手したので少しずつ勉強したいです。この本を読んで学習意欲がわきました。
名字、家紋について歴史、文化など様々な観点から解説されています。
名字の起源である「源平藤橘」からはじまり、戦国武将の家紋と由来、全国や都道府県別の名字ランキングなど、とても興味深い内容でした。
巻末は家紋図鑑になっていて、デザインごとに分類されています。1000種以上の家紋が掲載され、眺めているだけでも楽しめます。
家紋と名字について、ルーツや歴史を中心に解説されています。
名字については臣籍降下による「源」姓の増加理由などが勉強になりました。天皇を源とする姓に、各武将があこがれ源氏を称する理由が分かる気がします。
他にも、日本の名字ランキング216、レア名字などの豆知識解説、ジャンルやモチーフ別の家紋図鑑など充実した内容で楽しめました。
比較的マイナーな人物に焦点をあてた短編小説集です。
武田牢人衆の那波無理之介、豊臣五奉行の長束正家、直江信綱襲撃の毛利秀広、鬼玄蕃の佐久間盛政、反秀吉茶人の山上宗二、今まで知らなかった人物についても知るきっかけになりました。
本のタイトルにもなっている「国を蹴った男」は、今川氏真と鞠職人との物語です。氏真の鞠足としての無双っぷりが面白かったです。
加藤清正に仕えた城取り(築城家)の物語です。架空の主人公ですが、実在の人物も多く登場します。
安土城の焼失、清正の肥後入国、文禄・慶長の役での名護屋城・倭城の築城、蔚山城での籠城戦、一大事業となる熊本城の築城などが描かれます。築城シーンの描写は千田嘉博先生が協力されており読み応えがありました。
この物語を通じて築城にたずさわった人々の思いを感じることができ、お城の見え方も変わりそうです。
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