コースケさんは86件のレビューを投稿しています。
検索ページまさに「仕事」としての大名のことが書かれている。領地は我が家のものではなくて「管理運営」を委任されているだけとか、貨幣経済に移行できなかった話とか雑談ネタが超豊富。都内の藩邸跡の案内板にもうちょっと気をつけて、見かけたら撮影しておこうと思った。
いろいろ見聞きした記憶もあった信長の革新性の否定や、朝廷・将軍権力との関係、楽市楽座をはじめとして研究者の方々の主観がまとまって書かれています。旧来の信長像とは違う視点で書かれているので「信長って実は...」とかを聞いたことがあれば、まとめ的な書物なのでとてもおもしろいと思います。松永久秀や松平家康との関係が変化していく様は興味深かったです。
江戸時代の奉行のさまざまなエピソードが列伝として載っていてとてもおもしろい。この人が自分の上司だと嫌だなぁとか、馬が合いそうだなぁとか、それぞれの個性も垣間見えて、江戸時代好きには興味深い話が多いです。「耳嚢」をかいた南町奉行の根岸鎮衛のエピソードが読めてよかった。
姓と名、名字と苗字の起こり。姓から名字の系譜からはじまり、どういう家紋になっていったのかを由来と系統を含めてコンパクトに説明してくれています。聞き齧っていた知識が「こういうことか」とわかった気になりました。
題名に惹かれて「空白の130日」になにかあったのか!と読んでみました。信長公記の天正八年八月十八日から十二月晦日までの約四ヶ月半の信長の記載がごっそり抜けている、ことを指摘したうえで、織田信長のパーソナリティと事実を時系列で追っていくのですが、(当人は鷹狩や馬揃えや相撲で遊んでばかりなのに)部下を酷使し、罰ばかり与えてる。といった類の人格批判の筆が過ぎて、あまりいい気分では読めない本でした。信長公記の記述を後追いする内容も、仮説でなく、人格批判に伴う妄想が多すぎて、久しぶりに酷かった。
寺社、城、富士山、雨、桜、武士、グルメなどなどモチーフ別に有名な浮世絵をちょっとした解説を入れながら、カラーで案内してくれます。浮世絵自体の解説や絵に書いてある文字の説明などもあって、浮世絵に興味あるけどなんだか敷居高そうと思うなら、きっとぴったりです。今でいうお土産物ですものね。
「鬼平犯科帳」がすごい好きなので手に取った本。同作が好きな方なら興味深く読めると思います。火付盗賊改方ができた経緯(北条家の敗残兵が…)から幕末に廃止されるまでを、記録をもとに多くの「火附盗賊改」の業績や人となりを詳らかにしています。エピソードを読むことで人となりも浮かび上がるのが面白いですね。江戸幕府の治安維持の苦心もわかるし、結構物騒な世相だったこともわかります。鬼平犯科帳はかなり綿密に調べて欠かれているんだなぁと改めて思いました。
黒まめさんのレビューに惹かれて購入。ボヤッとしか知らなかった応仁の乱以降の室町時代のことがよく理解できた気がする。こういうの知ると京の街中歩きが、今までと違う楽しみかたが出来そう。政治経済、軍事、人物とギュッと凝縮されてるので、まさに入門書として良さそう。このあと関心あるトピックについて書かれた本を読むと良さそうです。
信憑性はともかくとして面白いです。歴史上の出来事を当時の地形から考察する、という視点が斬新。解釈は著者の想いなので、市井の雑談みたいな感じで楽しめます。半蔵門がなぜ重要な門なのかを地形から考察したり。。トリビアっぽいです。
面白くて一気に読めました。次巻が楽しみ。家康19歳、桶狭間の戦いから物語がはじまります。家康視点で桶狭間を描くと、こうなるのかと。城や地名、登場人物を検索しながら読み進めると現地に行きたくなりますね。信長と出会って流通経済に気づき学ぶなど、経済論的視点からのストーリーも入っています。
様々なテーマで書き連ねられた68のエッセイ(随筆?)が載っています。京都に移り住んだ作者のかたが、さまざまな歴史上の人物についてのエピソードに、いまの想いを重ねれて描いています。こんなふうなことを思い浮かべながら京都で過ごせたらいいだろうなぁと思いました。
幕末期の話しが好きで、新選組に関心のある人ならきっと楽しめるエッセイ本です。例えば清河八郎や芹沢鴨についても思考行動を推察し、歴史事実を追うスタイルなので感情を想像しやすい。舞台として大坂城や淀城が出てくるんですが、淀城は対岸から眺めたらいいかなぁと思いつつ読みました。学術や事件推察を期待すると、ちょっと外れかも。個人的には土方歳三が好きなんだなぁと再認識しました。
ほんとにスラスラ読めます!原文が上段に大きめに書いてあり、下段は現代訳。その次にコメントという構成で、当時の世相や鴨長明のことも頭に入ってきます。疫病や突風、地震に襲われた京の様子が、いまとかぶりました。。無常観に包まれた随筆ですが、平安末期から鎌倉時代はこうした観が世を通じた認識だったのですかね。
太平記は未読なのですが、全40巻を読むのは躊躇していたので、ビギナーズという名前に惹かれて購入。各巻のあらすじと原文、訳文を並べてあって、太平記の大まかな話しがわかります。ピックアップされてるのはクライマックスらしいので、あらすじはかなり簡略化されているようですが、後醍醐天皇即位から室町幕府で細川家が管領になるまでわかりやすく読めます。何となく戦国以前の時代に興味があるなら、ちょっとした読みものとして手に取りやすいはずです。ちなみに戦記物と思って読んでいたのですか、魑魅魍魎やら鬼やらが登場します。当時の世界観というか、人の心のありようを神仏鬼に仮託して表現しているのかなぁ。
奈良時代から昭和に至る歴史上の有名人の身長や体形、持病、死因などを一人1ページで130人分くらいをまとめた本です。超ライトに読めます。徳川家歴代将軍の身長とおなじ位牌が岡崎市にあるのを初めて知りました。
雑学的知識なのですが、「この人こんなに大きかったんだ!(小さかったんだ!)」と知れると、なんだかみんな身近に感じます。
「江戸名所図会」の風景を史実資料にもとづいて再現したイラストが満載です。たとえは鬼平犯科帳の長谷川平蔵の屋敷や千葉周作道場なども載っていて、時代小説好きには、想像を補完してくれる本です。
いまのイラストですので、色彩豊かで、A4大型本ですので、ページをめくって眺めているだけで楽しいです。第3冊目らしいので、ほかの冊子も購入しようと思っています。
この手のは江戸モノが多いのですが、京都洛中や大坂版も見たくなります。
安部龍太郎さんの「下天を謀る」を読んだあとに読むと、なおいいかも。藤堂高虎の足跡を追いながら、江戸幕府の体制が固まっていく様子を描いています。築城の目的や織豊時代からの城の特徴の変化、都市計画のあり方など面白い話が盛りだくさん。業績もさることながら、今でいうキャリア的にも、もっと知名度が上がってもいい人だなぁと思う。
この本の内容を題材に雑談したら、さまざまな視点が集まるだろうなぁ。戦国時代がなぜ収束したか、を信長を題材に、鎌倉幕府、室町幕府を例にしながら書いてあります。国文学ではないので、心理推察描写はありません。氏の考える国の構造に関する講義を受けている感じに近いかな。
1998年に上梓された「明智光秀―つくられた「謀反人」」の文庫本です。合併後に地名を変更したり誤植を訂正した状態で発売されています。一次二次資料を引用しながら明智光秀の事歴を丁寧においつつ、心理を推察しながら本能寺の変の要因について論を述べています。研究が進んだせいなのか、なんとはなしに論の根拠が古い印象、通説の明智光秀を丁寧に説明した本、という印象をうけます。二次資料を否定したと思えば、別章ではずいぶん時代が下った資料を持ってきて断定したり。ちょっと首を傾げる箇所もチラホラ。(アップデートされた明智光秀像が読みたい。
信長が道路整備をおこない、領地内の関所撤廃を実施したなどは有名ですが、そうしたエピソードをいくつも取り上げて「国力=経済力」としたうえで、織田政権の経済力の構造を紐解いています。一次資料を元に書いたわけではない部分も多く、全体的に推論と仮説による組み立てで構成されています。にしても、この頃から経営とは収益・資金調達力なんだなぁと、妙に感心しました。
織田家家臣の人脈、地縁、縁戚関係を考察してる本です。また方面軍といわれる家臣がもつ内部の人脈構成も考察してて、誰が出世しやすかったとか、なぜなかなか表にでてこなかったとかも考察しています。大企業の派閥人脈を明らかにしている感じで面白いです。文体は硬いのでリラックスして読めるわけではないですが、これをテーマにして雑談したら面白そう。
映画観たいけど、行けないなぁと考えてたときにレビュー読んで、即買い。テンポ良くスラスラ読めました。タイトルどおりに資金周り視点から、忠臣蔵が成立するに至る話です。文献というかネタ元になった本も読みたくなりました。
上巻につづき、「禁中並公家諸法度」の制定や「紫衣事件」などの江戸幕府の朝廷支配に対抗する後水尾天皇と「天皇の隠密」を描いています。。。が未完で終わってしまい、消化不良。超伝奇エンタメ歴史小説ですので、史実をなぞった小説を期待するかたには不向きです。
後水尾天皇が京都弁でまくしたててます。江戸幕府の御所支配に対して抗おうとする朝廷と公家を中心にした伝奇小説です。著者の本はほぼ、網野史学がいうところの非農民層がベースになっているので、この本もそいった視点から読んでいくと、網野史学にも関心が湧いてくると思います。
好悪はあるでしょうが、葉隠を原典にした「武士道」を描いているエンタメ小説です。ちなみに上下とも舞台は佐賀鍋島藩。著者が描きたい、好みとしている武士像がよくわかります。
「葉隠」を原典にしたエンタメ小説なのですが、読後に生きること・死ぬこととについてちょっと考えるきっかけをくれるような感じです。思想を具現化して生きた人がいるとしたらこんな感じなのかなぁと思います。
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