先週末の3月9日(日)に美濃金山城で城たび〈東美濃の山城めぐり・苗木城ガイドツアー〉を開催してきました。
前日の岩村城に引き続き、2日連続開催の2日目となります。
岩村城のある恵那市と苗木城のある中津川市は隣接していることもあり、ぼくを含めて2日とも参加した団員は恵那駅周辺のホテルに泊まりました。
(攻城団は旅行業免許を持っていないので)ホテルは各自で手配していただくことになりますが、今回のように数ヶ月前から日程が確定していれば示し合わせて同じホテルに泊まることもできますし、一緒に食事をしたり、クルマで来ている団員に相乗りさせてもらって移動できるなど、個人旅行でも団体旅行でもない、城たびならでのスタイルができつつあるように感じました。
できないことを考えるのではなく、今の状況でできることを考えて、ベストを模索していくというのは攻城団のポリシーでもあるので、今後も団員ごとのいろんな事情を考慮しながら、より完成度を高めるように取り組んでいきたいです。
当日は見事な快晴で、絶好の城たび日和となりました。
苗木遠山史料館前に集合、9時半から受付開始で10時スタートの予定でしたが、この日もすぐに全員が揃ったので、少し前倒しでのスタートです。
20人中17人は前日と同じメンバーでしたが、あらためて自己紹介からはじめます。
ここでサプライズ!
城がたりにも出演していただいた千早先生がぼくらのために駆けつけてくださったので、急遽予定を変更して、史料館の展示について30分ほど説明していただきました。
これはみんなが早く集合してくれて時間に余裕があったことも幸いしましたし、臨機応変に対応いただいたガイドや史料館の方々にも感謝しています。
館内の撮影は一部を除いてNGですが、案内していただいている様子を撮影することは特別に許可していただいてます。
千早先生は「これも紹介したいけど時間が足りない」と何度もおっしゃっていましたが、それでも苗木城の特殊性、苗木藩に残る貴重な資料(史料)の数々、遠山氏の歴史と魅力についてすごい熱量で話していただきました。
みんなも熱心に聞いていたし、次回は午前中は千早先生の講演を聞いて、午後に現地見学といった二部構成にしてもいいかもねと話してました。
史料館の見学を終えて、2班にわかれてガイドツアーのスタートです。
この日は森長可に城を追われたものの関ヶ原の戦いで城主に復帰した初代苗木藩主・遠山友政から取った「チームともまさ」と、その直前に苗木城主だった河尻秀長から取った「チームひでなが」と命名しました。
「チームともまさ」のガイドは曽我さん、「チームひでなが」のガイドは古田さんでした。
ぼくは「チームともまさ」で参加しました。
わずか1万石の藩ということもあり、苗木城は天守台代わりに使われた巨石をはじめ、岩盤など自然地形をなるだけそのまま活かした構造になっています。
おそらく土木工事を減らすためだと思いますが、地形に沿った曲線の石垣などが見られるのも特徴です。いわゆる枡形虎口ではなく、食い違い虎口っぽい感じ。
最初のビューポイントがこの足軽長屋跡です。
石垣の矢穴もたくさん確認できます。
風吹門は史料館の中に展示されていた門で、それがここにありました。
三の丸の入口です。
大矢倉跡の周囲を歩きます。
山城なので水の確保は重要です。
苗木城には石垣造りのため池がありました。
しかもなぜか横矢掛りのような形になっています。
(理由はわからないそうです)
曽我さんはため池の背後、北門跡から少し登ったところからの眺めがオススメだとおっしゃってました。
そのまま坂を降りていきます。
このあたりにも草に隠れた石垣がたくさん残っています。
竹門跡から、駈門跡へ登っていくと、大矢倉跡に戻ってきます。
奥に見えているのが埋門です。
大矢倉跡の石垣も見事です。
城がたりで千早先生から説明がありましたが、ここにあった大矢倉(三重櫓)は当時「鳩小屋」と呼ばれていました。
この石垣は途中まで登ることができます。
上から見るとこんな感じ。
下からだとこんな感じ。
苗木城は周囲のいろんなところから天守台が見えるのですが、この日は時間がたっぷりあるからとまっすぐ天守台へ向かわずに周辺を案内していただきました。
集合写真を撮るために「チームひでなが」が待つ天守台へ向かいます。
天守台で撮るのは難しかったので、その下で記念撮影。
天守台は懸造で復元された展望台になっており、とても見晴らしがいいです。
馬洗岩です。
以前は近くまで行けたそうですが、いまは危険なので手前にロープが張られています。
たなとすさんがここから天守台を見上げるのも良い構図だと教えてくれたので、「チームともまさ」だけで記念撮影。
三の丸に戻って、城址碑前で集合写真を撮りました。
ちょっと逆光だったので大矢倉跡の石垣でもう1枚。
あとはそれぞれのチームにわかれて残りのエリアを見学しながら戻ります。
ぼくらは二の丸へ。
まだ木がけっこう残っているので、整備したいとおっしゃってました。
そして曽我さんたちが整備してくださった、最高のビューポイントへ向かいます。
高森神社の近くに作ってくださったこの場所からは見事な絶景を見ることができます。
最後に風穴を見学しました。
ここは苗木藩が幕府に献上していた特産品「氷餅(こおりもち)」の保管場所だったそうです。
苗木遠山史料館に戻ると、みんなで懇親会へ向かいました。
当日撮影した360度動画も埋め込んでおきます。
千早先生に史料館を案内していただくなど、とても贅沢な城たびとなりました。
史料館の見学後、出発前に千早先生から「ガイドは苗木城のことは詳しいけれど、全国のお城についてはそうでもないから、ぜひみなさんからもガイドのふたりにいろいろ教えてあげてほしい」というお話があり、まさにこれはぼくらとガイドの方々との「ゆるやかなギブ・アンド・テイク」だなと思いました。
それに応えるように「これは○○城と似ている」といった会話がたくさん聞こえてきました。
城たびはガイドの邪魔にならない程度に自由に会話ができるのも良い点で、お互いに感想を述べあってる様子も伺えました。
ぼくからもガイドに質問する際はほかの仲間にも聞こえるように大きな声でとお願いしていたので、1チーム10人での知識のシェアがうまくできたと思います。
また個人的な関心事項である「対話型鑑賞」がちょっとできていると感じるシーンもありました。
埋門はどんな用途で使われていたのだろうという質問があり、それぞれが意見を述べていて、そばに牢屋があることから不浄門として死者や罪人などを運び出す目的で使われたんじゃないかとか、いいディスカッションができていました。
目の前の遺構を見て、思ったこと、感じたこと、考えたことを自由に話して理解を深めていくのが対話型鑑賞ですから、こういう会話をもっと増やしていけるとより楽しくなるかもと手応えを感じました。
先月の美濃金山城、前日の岩村城、そして今回の苗木城と、東美濃エリアの3つの山城を短期間に訪問したわけですが、どれもぜんぜん似てなくて、それぞれに異なる魅力がありました。
ガイドのみなさんの地元愛もすごく、とても幸せな時間を過ごすことができました。今後も継続的に開催したいので希望者はお知らせメールに登録しておいてください。また幹事の立候補もぜひお願いします。
最後に、もしこれから苗木城を訪問される方は、予習として千早先生に出演いただいた「城がたり」のYouTubeもご覧になっておくことをオススメします。
ワタナベさんがレポートを書いてくれました。
もし攻城団ツアーズ・城たび〈東美濃の山城めぐり・団長と行く、苗木城ガイドツアー〉が次回開催されたら参加したいという方はご登録ください。
別日程での開催が決まった際にメールでご案内いたします。
先月、みなさんに投票をお願いした「お城トレカ総選挙」の投票結果を集計しました。結果を踏まえて松本城や姫路城など13枚のお城トレカを製作します!
つづきを読む「競馬」バッジの取得対象となるお城を修正(追加)しました。公開当初の「現在開催されている城レース」ではなく「過去も含めて開催されたことのある城レース」のお城を対象とすることに変更します。
つづきを読む毎月サポーター限定の機能ですが、検索結果で表示されるお城をさまざまな条件で並べ替えたり、絞り込んだりできるようにしました。
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