先週末の2月9日(日)に美濃金山城で城たび〈東美濃の山城めぐり・美濃金山城ガイドツアー〉を開催してきました。
現在、攻城団で展開中のタイアップ企画「東美濃の山城を制覇せよ!」の一環で開催したので今回はぼくが幹事です。
ガイドは「美濃金山城おまもりたい」に依頼しました。
今回は予想外の大寒波が到来して、高速道路が通行止めになるなど、想定外の状況が発生しましたが、地元団員からの情報共有と、参加者の臨機応変な対応のおかげで無事に開催することができました。
(ぼくもクルマで向かう予定を取りやめて急遽新幹線に変更しました)
なお当日は今回もすごい晴天に恵まれました。
13時スタートの予定で、12時半から受け付けをということだったのですが、みんなけっこう早く集まってくれて、12:40には全員集合してました。
なので少し前倒しでの城たびスタートです。
参加者がひとことずつ挨拶をしたあと、美濃金山城おまもりたいの水野さんからガイドツアー全体の説明をしていただきました。
この日は2班に分かれての見学となるため、事前に10人ずつ団員をグループ分けしておきました。
森長可・蘭丸の兄弟にちなんでそれぞれ「チームながよし」と「チームらんまる」と命名したのですが、水野さんにも喜んでもらえました。
年長の水野さんが「チームながよし」のガイドを、三宅さんが「チームらんまる」のガイドを担当していただくことに。
本来はここから歩いていくのが一般的なルートなのですが、比高差177mもある上に、山麓のほうは遺構も残っていないので、途中までクルマを使いました。
まずは蘭丸広場の駐車場まで移動して、出丸下の石垣を確認します。
この斜面に植えられている木々は桜で、春には満開になるとか。
いまは葉が落ちているので、石垣も下からよく見えて良かったですが、春の様子も見に来たいですね。
さらにクルマで移動して、今度は大堀切へ。
高さ10mを超えるそうで、三浦正幸先生(広島大学名誉教授)が日本一だとおっしゃっていたとか。
これが人工というのはたしかに驚きますね。
またクルマに乗って出丸駐車場へ。
クルマで訪問される方はここ(比高220m)まで来れますが、今回ぼくらが回ったように蘭丸広場と大堀切に寄ることをオススメします。
なお最近この出丸駐車場に新しい城址碑ができました。
最初の記念撮影はここで撮りました。
以降は「チームながよし」と「チームらんまる」に分かれての行動になります。
(ぼくは「チームながよし」に所属していたので、そっちの写真が増えます)
少し階段を降りると蘭丸広場から見上げた石垣を間近で見ることができます。
では登っていきましょう。
美濃金山城の見どころのひとつが「破城の様子がよくわかる」ですが、たしかに登城路のあちこちに巨石が転がっています。
さらには間詰石や裏込石と思われる小さな石もたくさんあります。
なぜここまで明瞭に残ったのかというと、この山が良質なヒノキが採れるということで江戸時代は尾張藩領の「留山(とめやま)」となり立入禁止で、さらに明治以降も官林(国有林)だったためだそうです。
神君家康とは関係ないものの、背景としては先月の城たび開催地である小牧山城と似てますね。
その山が払い下げになったことを記念した石碑があります。
地元で生まれ育った水野さんがおっしゃるには木を売って町は儲かったそうですよ。
石碑の奥に曲輪があり、本丸を見上げることができます。
ご存知の通り、初期の石垣は高く積むことができなかったので、段々になっています。ここも少なくとも三段(あるいはそれ以上)の石垣があったとか。
「チームらんまる」も三宅さんのガイドを真剣に聞いてますね。
日陰の部分はまだ雪が残ってました。
二の丸から大手枡形虎口を見上げています。
この石段は当時のものではなく、整備されたものです。
ちょうど上に見えている「チームらんまる」のみんながいるあたりに薬医門があったのではないかと考えられています。
近世城郭の枡形虎口というと一の門は高麗門で、二の門が櫓門であることが一般的ですが、そういうフォーマットが完成する前の時代だからでしょうか。
以下の写真は水野さんが作成された合成写真を撮影させてもらってる様子です。
こういうシーンは城たび独特な感じがして、ほんとにいいなと思います。
「チームながよし」も大手枡形へ進みます。
二の丸の南腰曲輪の石垣などを見て、本丸へ進みます。
本丸跡の城址碑前で2枚目の記念撮影。
なお本丸の虎口ですが、以前はここが天守の穴蔵だと考えられていたそうです。
(このへんは動画を撮影してて写真を撮れなかったので、参加してくれた団員が撮影した写真を使わせてもらいます)
ただ天守へ入るにしてはその手前のスペースが狭すぎるし、そもそもこの位置では山麓の城下町から見づらいので、三浦先生によればここではないだろうと。
現在、天守跡と考えられているのがこの見晴らしの良い位置です。
このあたりの話は美濃金山城の天守を犬山城へ移築したとされる「金山越し」の講演会で三浦先生が話されたのですが、団員ブログにごましおさんが詳細なレポートを書いてくださっているのであわせてお読みください。
あとは搦手から下山します。
こうした階段も「美濃金山城おまもりたい」のみなさんが整備してくださっています。
ぼくは水野さんと最後尾を歩いていたのですが、行軍っぽい感じのいい写真が撮れました。
搦手から降りると米蔵跡にたどり着きます。
水野さんが子どもの頃はここで天然氷を作ったりしていたそうです。当時は竹藪があり、それを伐採するとこの石垣が出てきたと。
この見事な石垣の前で最後の記念撮影です。
三脚をセッティングしながら、この構図に既視感があったのですが、ブログを書いていて思い出しました。
オリンピックの表彰式ですね。団体競技のメダル授与がこんな感じで、まさに今回の城たびはガイドのおふたりも、参加した団員のみんなも金メダルでしょう。
これでガイドツアーで見るべきポイントはすべて見学できたので、可児市観光交流館に戻ります。
全体で3時間ちょっとでしたが、非常に充実したガイドツアーでした。
その後、道の駅 可児ッテまでクルマで移動して、短時間でしたが懇親会を開催して解散しました。
今回歩いたコースをざっとGoogleマップに落とし込みました。
山中のルートはかなりいい加減なので、地図を当てにせず現地の状況を優先してください。美濃金山城は順路がわかりやすく整備されているので、迷うことはないと思います。
また本ツアーの再開催を希望される方は末尾のフォームで希望を出しておいてください。
正直ぼくも(次は団員幹事で)開催してほしいです。
当日撮影した360度動画も埋め込んでおきます。
今回も地元団員を中心にみなさんの自発的かつ積極的な協力があって大変助かりました。
あらためてお礼を申し上げます。
城たびでは地元ガイドに案内をお願いすることが多いのですが、その地で生まれ育った方ならではのお話がとてもおもしろかったです。
まさに生き字引として50年前(あるいはそれ以上!)の様子を直接聞けるわけですからね。水野さんは80歳を超える年齢でしたが本当にお元気で、城めぐりは健康的な趣味だなとあらためて実感しました。
美濃金山城といえば破城跡、というくらい有名ですし、また昨年末に収録した「城がたり」でも松田さん(可児市・歴史資産課)からたくさんお話を伺っていたのですが、やっぱり自分の目で見ると迫力がすごいですね。
ぼくはもしかすると日本一、お城の写真を見ているかもしれませんが、スケール感については現地で見ないと伝わらないなと思います。
余談ですが、もしこれから美濃金山城を訪問される方は、予習として「城がたり」のYouTubeもご覧になっておくことをオススメします。
さらに余談ですが、今回は犬山市の瑞泉寺から里帰りした移築門を見れたのはラッキーでした。
(3月に正式なお披露目の式典があるそうです)
この門がどういう門かを知りたい方はぜひごましおさんのレポート記事をお読みください。
戦国山城ミュージアムの前にありますので、忘れずにチェックしてくださいね。
館内には美濃金山城、久々利城の精巧なジオラマがあるので必見です。
たなとすさんが年末に書いてくれた美濃金山城のガイド記事の写真と比べても、石垣の雑草などがなくなっていて(冬で枯れただけではなさそう)、「美濃金山城おまもりたい」のみなさんがすごくきれいにしてくださっていることがよくわかります。
水野さんからは城域内の各所にある案内板なども御城印の売上で整備されていると伺ったのですが、とても感謝されていました。
御城印が理想的に活用されているすごく良い事例ですよね。こういう話を聞くととてもうれしいです。
今後も左近屋敷跡など(この近辺に石切場があるとか)、美濃金山城はまだまだ整備されていくそうですので、定期的に訪問する楽しみが増えました。
みなさんもぜひ訪問してください。
はつみんさんとワタナベさんが団員ブログにレポートを書いてくれました。参加者目線のレポートはとてもいいですね。
もし攻城団ツアーズ・城たび〈東美濃の山城めぐり・団長と行く、美濃金山城ガイドツアー〉が次回開催されたら参加したいという方はご登録ください。
別日程での開催が決まった際にメールでご案内いたします。
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