先週末の5月10日(土)に岩崎城で城たび〈ミスターこまなが徹底解説プレミアムツアー「異常な一戦! 史料と現地から岩崎城の戦いの謎に迫る!」〉を開催してきました。
「徹底解説プレミアムツアー」の看板通り、岩崎城のすべてを満喫できる素晴らしい城たびとなりました。
岩崎城は愛知県日進市にあるお城で、模擬天守があるため写真で見覚えがあるという方も多いかもしれません。
ただこのお城は近年、岩崎城歴史記念館の内貴学芸員による積極的な情報発信により大変注目されています。つまり有名な「小牧・長久手の戦い」において、岡崎城を攻めようとした秀吉方の軍勢6000をわずか200余りの守備兵で食い止めた「岩崎城の戦い」の舞台として、歴史的な役割や存在意義が見直されています。
今回の城たびでは(4月に開催した城がたりに引き続き)内貴先生ご本人に案内していただく大変贅沢なガイドツアーでした。
ぼくは1時間ほど早く着いたので模擬天守の最上階へ上がったのですが、続々と団員が集まってきていました。
受付では岩崎城のお城トレカも配っています。
当日はいつ雨が降ってもおかしくない天候だったこともあり、まずは岩崎城歴史記念館の2階の会議室で内貴先生によるミニ講座を開催していただきました。
司会は今回の幹事、priusイワさんです。
「小牧・長久手の戦い」の全体像については先月の城がたりで教わったので、この日は「岩崎城の戦い」と岩崎城の縄張りについて話していただきました。
事前に資料も配っていただいていたので、印刷して持参する人も多く、メモを取りながら聞いてる団員がたくさんいました。
要点としては、冒頭にも書きましたが
という内容で、この20〜30倍の兵力差がありながら足止めできた理由のひとつが、岩崎城の堅固な縄張り、とくに巨大な空掘です。ただし国衆・土豪レベルの規模ではないことから、小牧・長久手の戦いに向けて徳川方が改修した可能性もあるそうです。
ということで百聞は一見にしかず、現地をじっさいに見学します。
まずは岩崎城が築かれた立地、地形の確認です。
櫓台跡、井戸跡を見学。
今回は特別に井戸の裏にある土塁に入らせていただきました。
この土塁の向こう側に巨大な空掘があります。
当時の土橋があった場所に現在は立派な橋があります。
その向こうが二の丸で、ここを馬出しとする研究者もいるそうです。
ただ馬出しとするには規模が大きすぎることから、内貴先生も二の丸ではないかとおっしゃってました。
こういうときに建物があったかどうかがひとつの判断材料になるのですが(建物があれば馬出しではなく曲輪で確定)、ここはのちに畑として利用されたため、礎石があったとしても掘り出され、また開墾されたために一切の痕跡が消されている可能性が高いそうです。
道路に沿って進みます。
空掘です。ここも特別に入らせていただきました。
幅も広いし、高さもあります。
さきほど井戸裏の土塁から見下ろしたとき以上に巨大に感じます。
帯郭です。
駐車場の脇から空堀(土橋を挟んでさっきの反対側)へ向かいます。
この集合写真からも空堀の巨大さはわかるのではないでしょうか。
まだまだツアーは続きます。
続いて西の丸です。井戸跡があります。
ここも畑として使われており、有志の方々による清掃をした際に畝などが見つかったそうです。
今回は徹底解説ということなので、公園を飛び出して、総構えまで城域を隅々まで案内していただきました。
ブラタモリっぽいですね。
この橋のあたりで丹羽氏重は討ち死にされたとか。
最後に搦手から天守を見上げた構図で集合写真を撮ってツアーは終了です。
(広角レンズじゃないと天守まで入らなかったのでちょっといびつです)
その後は、会議室で懇親会(や内貴先生のサイン会)をしました。
さらに「岩崎城の戦い」で守備側の丹羽家が全滅した(実際には数名の生存者がいる)ことにちなんで命名された「全滅クッキー」の特別即売会を開いていただきました。
これは日進市で活動されているまちおこし団体「進盛隊(しんせいたい)」が販売されており、20倍の軍勢に取り囲まれた「岩崎城の戦い」の様子を再現したユニークなお菓子です。真ん中の1枚が丹羽家を表しています。
売り切れだったところ、今回ぼくらが訪問するということで急遽人数分のクッキーを作っていただきました。ありがとうございました。
内貴先生は2時間半、ずっと話しっぱなしでここに書けたのは1割にも満たないと思います。そのくらい充実したガイドツアーでした。
また今回は内貴先生はじめ岩崎城歴史記念館のみなさん、「全滅クッキー」の進盛隊のみなさん、そして幹事のpriusイワさんはじめ内貴先生とともに岩崎城を盛り上げようとされている「ミスターこまなが家臣団」のみなさんなど、地元の方々のおもてなしがとてもうれしかったです。
このように地元のお城を盛り上げるために城がたりや城たびを開催し、全国の団員を巻き込んでいくのはすごく良い取り組みだと感じました。
これはぼくひとりではできないことです。攻城団のサイトでキャンペーンを展開すればそれなりに情報は広まるし、足を運んでくれる人も少なくないと思いますが、その地域やお城の歴史を学び、ファンを増やそうとするなら、地元団員の積極的な協力は不可欠です。
攻城団の規模が大きくなるほど、どんな貢献ができるかと日々考えていますが、みんなで楽しめる城たびはその中心になると思います。
ただ毎月やり続けるのはちょっと大変なので、昨年12月から毎月開催してきた城たびもいったん小休止です。次は10月の利神城ですが、ほかにも開催希望の声をいただいているのでまだ参加したことのない方もぜひご参加ください(もちろんリピート参加も大歓迎です)。
岩崎城での城たびもまた開催していただけるといいですね。
もし攻城団ツアーズ・城たび〈ミスターこまなが徹底解説プレミアムツアー「異常な一戦! 史料と現地から岩崎城の戦いの謎に迫る!」〉が次回開催されたら参加したいという方はご登録ください。
別日程での開催が決まった際にメールでご案内いたします。
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