攻城団の各種お知らせ用のブログです。毎月のレポートや新機能のご紹介など、スタッフからのサイトに関するご連絡はここに書いていきます。
先日、諏訪原城についての記事を寄稿いただいた島田市博物館の岩﨑学芸員の講演動画を公開しました。
当初から記事+オンラインセミナーの構成でご相談していたのですが、記事を読んで動画を見る、あるいは動画を見てから記事を読むと、諏訪原城のことをより理解できると思います。
とくに今回は島田市博物館で企画展「築城450年記念 諏訪原城」も開催中なので、こちらもあわせて訪問するとさらに解像度が上がると思います!
なお今回の動画は岩﨑さんの映像が乱れていたり、音声が聞き取りづらい部分がかなりありましたが、これはぼくが依頼時にネット環境について確認不足だったことが原因です。
今後はきちんと事前に確認するようにして品質を改善していきます。
団員の中には「城がたり」というネーミングに反応する方が少しだけいらっしゃるかと思います。
じつはこれを使うのは今回がはじめてではありません。2019年に東京の青山で「城がたり〜マンガとトークでわかる丸岡城〜」という小規模なイベントを開催した際に使用した名称です。懐かしいですね。
「マンガでわかる丸岡城」を描いていただいた大久保先生や、いまもコラムや動画でお世話になりっぱなしの榎本先生に登壇いただいて、丸岡城をテーマに語り合うことを目的にしたイベントでした。
当時はこの流れで「城がたり」シリーズとして、いろんなお城をテーマにしたトークイベントを開催していこうと思っていたのですが、もたもたしているうちにコロナ禍に入ってしまったので一度きりの幻のイベントになっていました。
ぼくはただ講演を聞くでもなく、かといって話題も決めずにフリートークをするでもなく、どうすれば実のあるトークイベントを設計できるかずっと考えていました。
自分が過去に参加したイベントを振り返ると(歴史系にかぎらずビジネス系のイベントも含め)満足度の高かったイベントは質疑応答の時間が有意義だったことに気づきました。自分が質問してもしなくても、いい質問(といい回答)は講演テーマについての解像度を上げてくれます。
自分が登壇者のときも手応えを感じられたのは、質疑応答でのやり取りで高度な応酬ができたときでした。
みんながみんなそうとは思わないけれど、でもきっとぼくと同じような感覚、価値観の人は(少なくとも攻城団の周辺には)多いと思います。
そこで質疑応答をクライマックスに持っていくようなイベント設計はできないものかと考えました。
とはいえ講演を聞いて、その場で質問できる人は少ないと思うので、質問を考える猶予をどう確保するかも重要です。そこでまずゆっくり時間をかけて読める記事を書いていただき、読者から質問を受け付け、それに答えるようなオンラインセミナーを生配信あるいは収録でやるのはどうかと思って、今回岩﨑さんのご協力を得て実践してみました。
質疑応答によってイベントの質が上がることもあれば、質問者の演説がはじまって満足度が下がることもあるので(数少ない参加経験だけど歴史系ではけっこう多い印象)、むしろその場で質問を受け付けるよりも、前もって受け付けたほうが全員にメリットが生まれるとも思っています。
整理すると、
という展開です。
記事は文字数の制限を設けずがっつり書いていただき、その代わり講演は要点を絞ってコンパクトにまとめていただくイメージです。そして質疑応答の時間はしっかり確保すると。
2019年のときは対面での講演しか考えられませんでしたが、いまはオンラインでの講演も増えているし、そのほうが全国どこからでも見れるのでいいですよね。
もちろんこれはひとつのパターンでしかなくて、ケースバイケースで調整はします。
北斗市郷土資料館・時田学芸員による戸切地陣屋の連載では動画配信ができなかったので、記事での質疑応答にしましたが、あれはあれで図版での回答もあり良かったと思います。
(あの回答を口頭で補足説明いただくことが叶えばさらに良かったかもしれません)
ともあれただ聞くだけじゃなく、質疑応答を通じてそのテーマについての解像度を上げる、理解度を増すという試みが「城がたり」が目指すところです。
そしてその手応えは今回の諏訪原城でのチャレンジで実感することができました。あらためて岩﨑学芸員には感謝を申し上げます。
この2ヶ月、時田学芸員と岩﨑学芸員にご協力いただき、立て続けに記事の掲載や講演動画の収録をすることができましたが、そのおかげで(ぼくにとっての)知的好奇心が満たされる、おもしろい企画の方向性ははっきり定まりました。
今後、こうした試みを全国の学芸員のみなさんや、現地でガイドをされている方々などにお声がけして、いろんなお城を紹介していきたいです。
(もし周囲に興味を持っていただけそうなお知り合いがいらっしゃったら、この話を伝えていただけるとうれしいです)
そして「城がたり」は読んで、聞いて、で終わらず、現地ツアーの「城たび」へとつなげていく予定です。こちらのツアー構想も近日中に書きます。
今後の「城がたり」企画にご期待ください。
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