月見櫓は岡山城本丸跡に現存する唯一の櫓で、国の重要文化財に指定されています。
第4代城主の池田忠雄が藩主のとき、1620年代に建てられたそうです。
この隅櫓は一部地下つきの塗籠造り、本瓦葺き2階建ての建物となっていて、城の外側から見ると2層の望楼型の外観ですが、内側から見ると3層の層塔型に見えます。
内側の2階を見ると、東面と西面は雨戸がついており、日常の生活仕様となっています。
月見櫓は岡山城内に35棟あった櫓の中で最新の櫓で、もっとも優美な櫓だとされています。
櫓の平面は東西9.8m(柱間は5間)、南北7.9m(柱間は4間)で、高さは13.8mです。入口は2箇所、1階と地階に設けられています。
国指定重要文化財 岡山城月見櫓
月見櫓は、岡山城本丸を構成する一二三(ひふみ)の段の二段目にあたる中の段の北西角を固める隅櫓で、池田忠雄(ただかつ)が岡山城主であったときの城郭整備に伴い、元和年間から寛永年間前半の時期(一六二〇年代)の建築と判断されています。構造は、一部地下付きの塗籠(ぬりごめ)造り本瓦葺き二階建てで、城外(北西)側から眺めると三層の層塔(そうとう)型の景観を呈しています。規模は、地階と一階が桁行(東西)三十二尺三寸(九・七九メートル)・梁間(はりま)(南北)二十六尺二寸(七・九四メートル)・二階が方形で桁行・梁間とも十六尺五寸九分(五・〇三メートル)、棟高四十五尺四寸(十三・六七メートル)です。
地階は、一階床下の貯蔵場所であり、一階の床板が引上げ式の戸造りとなっていて、有事の際に一階へ通じる作りとなっています。一階は、西面に石落(いしおと)し(俯射装置)付きの唐破風(はふう)造りの出格子窓、北面に石落し付きの片流屋敷の出格子窓を設けて城外側への臨戦の備えをなし、南面西寄りに入口を設けています。二階は、西面の初層屋根の妻部に千鳥破風の格子窓、西壁に引き違い窓、北面の踊場北窓に唐破風造りの武者窓、北壁に引き違い窓を設けて、一階同様に城外側への備えを厳しくしています。
その一方で、二階の城内側の東面と南面には雨戸を立ての手摺付きの縁がめぐり、内側に腰高明り障子を立てており、二階のたたずまいは、城内側が日常生活仕様となっていて、平時にも月見を始めとした四季の眺望と小宴を催すのに格好の構造となっています。
外側から見るとわかりますが、防御施設としてもしっかりつくられています。
月見櫓下の石垣前に設置されている案内板の内容を紹介します。
月見櫓下の石垣
池田忠雄が1620年代に築いた石垣で、上には月見櫓が建っている。隅部は表面を特に平らに整えた方形の割石を配し、その長辺を交互に振り分けた算木積みとなっている。石材は白色度の強い花崗石、瀬戸内海に浮ぶ犬島(岡山市犬島)で切り出されたものとみられる。岡山市教育委員会