江戸大名のお引っ越し (新人物ブックス) 単行本(ソフトカバー)


こーたさん

映画「引っ越し大名」、皆さんもう観ましたか? 私は倹約のため地上波放送されるまで耐えます(悲)。「清須会議」も待ちに待ちました。
さて、表紙には「12回引っ越した家もあった!?」とアオリがあるのですが、本文では結局どこで触れていたのか読み飛ばしたのか……。検索したところ、結城秀康(徳川家康五男)の長男松平直基を初代とする越前松平家が、12代直方の代に上野前橋で廃藩となるまで12回国替えになったとのこと。そのうち7回を2代の直矩が占めており「引っ越し大名」と言われるわけです。
関ヶ原における減封・論功行賞を除外しても、2代秀忠~5代綱吉の間に180以上の「引っ越し」があったと。 なんと「四方領知替」なるものまで! 下総古河(松平信祝)→三河吉田(牧野成央)→日向延岡(三浦明敬)→三河谷(本多忠良)→下総古河という国替え。支店長4人の同時転勤、しかも家来ごとですよ。現代だって千葉・愛知豊橋・宮崎・愛知刈谷の引っ越し、イヤ過ぎます。そんな事例が古文書に基づく詳細なプロセスで紹介されています。
第3章では、大名の家格が転封決定の基準になっただろうとして、『土芥寇讎記』(どかいこうしゅうき)全42巻から、243大名の序列を12ページにわたって表にして載せています。3万石以下になると「居城」でなく「居所」と書かれているものが増えてくることも。かといって陣屋イコール居所ではないと述べています。奥深いですね。しかし家格はともかく、石高のバランスがとれないじゃないですか。飛び地を加減したりして調整したんですかね。
引っ越しによって大名の財政を苦しくさせる狙いが主目的だったのでしょうが、次の城の縄張りを知ることができ、御家門・親藩にとっては、太平の世になっても戦を忘れさせず経験値を保させる狙いもあったのでしょう。盤石の幕藩体制を構築した驚くべき「引っ越しシステム」です。

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書籍の情報

タイトル 江戸大名のお引っ越し (新人物ブックス)
著者 白峰 旬
出版社 新人物往来社
発売日 2010-10-13
ISBN
  • ISBN-10 4404039255
  • ISBN-13 9784404039255
価格 1512円
ページ数 190ページ

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