10月から榎本先生の連載「江戸時代のお家騒動 40選」をブログで公開していきます。
この連載も過去に出版された『身につまされる江戸のお家騒動』をもとに再編集したものです。
お家騒動は江戸時代の風物詩――とまでは言いませんが、そう珍しいことではありませんでした。
ちょっと乱暴な説明をするならば、それは現代における企業内での派閥争いや、それにともなう社長や重役の追放劇などがわりとよくあるニュースとして受け止められているのに近いと思います。
すでにぼくは原稿を読ませていただきましたが、江戸時代に起きたお家騒動40件(そんなにあるの?)について、その背景や顛末についてとてもわかりやすくまとまっています。
伊達家や黒田家など、誰もが知っている大名家も出てきますし、「○○騒動」という名前だけ聞き覚えがあった事件についてもよく理解できました。
お家騒動の入門書、というジャンルがあるのかどうかわかりませんが、もしあるならばまちがいなくこの連載がその役を担えると思いますので、ぜひ楽しみに読んでくださいね。
最後に榎本先生からコメントをいただけたのでご紹介します!
来年の2月に美濃金山城、3月に岩村城と苗木城で城たびを開催します! 東美濃歴史街道協議会と攻城団によるタイアップ企画「東美濃の山城を制覇せよ!」の締めくくりとして多くの団員の参加をお待ちしています!
つづきを読む岩村城の城主・遠山景朝の子、遠山景重の居城である明知城にも攻城団のチラシを置いていただきました。大正村観光案内所と恵那市観光物産館「えなてらす」で入手可能です。
つづきを読むみなさんのマイページ(公開用プロフィールページ)のヘッダー部分について、背景色を指定したり、ヘッダー画像を設定できるようにしました。
つづきを読む毎月恒例の月次レポートを公開します。師走の由来が「お坊さんが走り回る」というのはどうやら間違っているようですが、現代人にとって忙しい月であることはまちがいないので、みなさんも健康に気をつけて、良い一年の締めくくりにしてください!
つづきを読む日本三大山城のひとつに数えられ、おつやの方が女城主をつとめたことでも知られる岩村城にも攻城団のチラシを置いていただきました。岩村歴史資料館と岩村まち並みふれあいの舘、さらに恵那市観光物産館「えなてらす」で入手可能です。
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お家騒動、という言葉をご存知でしょうか。時代劇などでよく題材として登場するので聞いたことがある、という方も多いかもしれません。
言葉の意味を簡単にまとめると、「(特に江戸時代の大名家・諸藩において)一族内部の家督争いや、家臣団の主導権争い・派閥闘争が事件化したもの」ということになるでしょう。
有名なところでは各種フィクションの題材にもなった仙台藩の伊達騒動や、猫化け騒動という伝説を生んだ佐賀鍋島藩の鍋島騒動などがあります。
ほかにも徳川家康の孫にして御三家に続く家格を誇った大名が改易に追い込まれた越前松平家の越前騒動、名君として知られる上杉鷹山や細川重賢が改革を進める中で遭遇した藩内トラブルなど、興味深いケースは数多く存在します。
実は、このような内乱・内紛は別に江戸時代の大名家に絞らずとも歴史上数多く見ることができます。そもそも大名たちの先祖である戦国時代の戦国大名・戦国武将たちは、地域や勢力の主導権をめぐり、あるいは自らの領地を守るために激しく争っていたのですから!
本来の地方支配者である守護が、その補佐役であったはずの守護代や、地付きの小規模武士でしかなかった国人・土豪によって打ち倒される「下剋上」(武力によって主家を打ち倒し、取って代わること)は戦国時代にいくらでも見られた例です。
日本全体を治めていた室町幕府や、名目上はその上にいた朝廷がすっかり力を失って各地で争いが続いていた(そして、大名たちがほかの勢力を押さえ込む一番の近道は幕府や朝廷を担ぎ上げることだった)ことを考えれば、戦国時代とは巨大な「お家騒動」の時代だった、とさえ言えてしまえそうです。
とはいえ、やっぱり「御家騒動」というイメージで出てくるのは江戸時代。そこで、今回から始まる連載では、江戸時代に巻き起こったお家騒動から主要なものをピックアップして紹介します。
しかし漫然と紹介しても意味が薄いため、お家騒動事件を先に紹介した特徴をもとに9つに分けます。
①「江戸幕府=徳川家のお家騒動」というべき江戸時代初期の内紛・政争。
②仙台藩の伊達騒動。お家騒動の特徴を一通り備えたサンプルケースとして紹介する。
③織豊時代から江戸時代初期にかけて、「主家」が入れ替わったケースを紹介。
④大名権力の強化が図られ、お家騒動にならず収まったケース。
⑤大名権力の強化が図られるも失敗し、お家騒動化したケース。
⑥門閥重臣の存在が問題となり、激しい争いに発展したケース。
⑦中央政権である江戸幕府が藩の問題に介入したケース。
⑧藩内部の問題を解決するため、「押込め」が試みられたケース。
⑨成り上がりの改革派と譜代の保守派が対立したケース。
これらのケースそれぞれのお家騒動、すなわち事件を紹介します。また、本連載は2012年の拙著『身につまされる江戸のお家騒動』(朝日新書)を底本とし、修正・追記・再構成したものであることをご了解ください。