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墨俣城を攻城(3)一夜城の謎

この手の資料館ではだいたい10分程度のビデオ上映コーナーがあるんですけど、墨俣一夜城歴史資料館にもありました。

DSC01049

これを見ると、秀吉がどうやって一夜で築城できたのかがわかります。
(まあ準備も含めると一夜じゃないんだけど)

なぜ一夜で築城できたのか

このへんの話は『武功夜話』(前野家古文書)が元になっていますが、簡単にいうと現代のプレハブ工法を採用したというのが成功のポイントです。つまり加工済みの木材を一気に運び入れて、組み立てたわけですね。 DSC01045 伐採した場所や陸揚げして加工した場所などが地図で示されてましたが、よくもまあ斉藤側にバレなかったなと。 DSC01042 秀吉のすごさは奇抜な発想力とその実行力だけではなく、それを実現する際の情報統制力にあるんでしょうね。 このときも墨俣築城のための行動を、北伊勢攻めのためのものだとウソの情報を乱破(ようはスパイですね)を通じて流させたそうです。 小学校の図書室に置いてあるような歴史マンガだと、美濃領内にある長良川の上流にある山で木を伐採して、それを筏(いかだ)にして蜂須賀小六たちが乗って、川を下り、墨俣で築城する、というような紹介をされてますが、じっさいは犬山城のほうにある山で伐採して、途中でいったん陸揚げして加工してるんですね。 犬山城は1564年の時点で信長が攻め取っているので、準備はすべて織田家の領内で行われたことになります。 これはうちにある「学研まんが」版の織田信長の伝記で紹介されている、墨俣一夜城のシーンです。だいたいこんなふうに記憶されてる方も多いんじゃないでしょうか。 写真 子どもの頃に学んだ歴史をくつがえすようなことがけっこうあって、そういうのを新たに学んでいくことがとても楽しいです。まさに大人の教養ですよね。 この墨俣一夜城に関しても、信長に関する史料として非常に評価が高い『信長公記』にいっさい記述がないことなどを理由に、『武功夜話』も偽書なのかもしれないという話がありますが、ちょうど来月(2月2日)にこんな講演会も開催されるそうです。 じっさいのところはどうなんでしょうね。 つづきます。
   
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