福山城の鐘櫓は「近世城郭で唯一本丸内に位置する鐘櫓」とされますが、往時は「鐘突堂」と呼ばれ、御台所門と火灯櫓とを結ぶ多聞櫓(枡形門)に設置された鐘楼でした。
廃城後に周囲の多聞櫓が取り壊される中で鐘撞堂の周囲のみが残され、単独で建つ姿となってから「鐘櫓」と呼ばれる世になりました。
L字型の構造を持つのもこうした経緯のためです。
現在建っている鐘櫓は昭和54年(1979年)に修理・復興されたもので、残念ながら内部は公開されていません。
また、鐘楼部のみ、市の重要文化財に指定されています。
福山市重要文化財福山城鐘櫓
昭和54年10月26日指定
築城当時より城下や近隣諸村に"時の鐘"をつげた遺構で江戸期には鐘と共に緊急時武士を招集する太鼓も備えていた
当初は柿ぶきか桧皮ぶきであったが明治以後荒廃が激しくたびたびの補修のため原形をとどめない状況であった 昭和54年銅板ぶきとし旧規に復したものである
城地内に鐘櫓が所在するのは全国的に例がなく貴重な文化財である福山市教育委員会
毎日、6:00、12:00、18:00、22:00の4回、鐘が鳴るそうです。
福山市重要文化財 鐘櫓
この鐘は、全自動装置によりつぎの時間にそれぞれ4回鳴ります。
午前6時・正午・午後6時・夜10時
1985、創立18周年記念
2000、創立33周年記念(全面改修)
贈 福山中央ライオンズクラブ