団員のレビューが投稿されている関連書籍をご紹介します。
城の本質を「軍事的な防御施設」ととらえるということが、当たり前のようでいてハッとさせられた。そこを押さえたうえで、「歴史」「地理・地形」「縄張り(構造)」の3つのポイントを視点に、城について、また、城をめぐる戦いについてを豊富なカラー図版とともに紹介してくれる。また、城の基礎知識にもページが割かれ、初心者にもわかりやすいないようになっている。城を知る3つのポイントを知り、基礎知識も得たら、解説されている「戦いの舞台になった城」、「戦国の城」、「近世の城」に出かけて行きたくてたまらなくなる。
戦国時代最後の戦、大阪夏の陣での真田幸村に焦点をあてた歴史小説です。
物語の主要人物、(徳川家康、真田信之、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永)の夏の陣に加わるまでのエピソードを各論で紹介しており、それぞれが描いた夢と想いを叶えるため、タイトルにある”幸村を討て”が色んな形で表されています。
直木賞に選ばれた”塞王の楯”もよかったですが、個人的には本作品のほうが面白かったです。
豊富なカラー写真、縄張り図、イラストを使って解説する総合的な城の入門書。初心者が興味を持ちやすい近世城郭はもちろん、戦国時代の「土の城」「山城」にもかなりのページを割いて、その魅力をアピールしている。また、実際に戦いの舞台となった城の解説では、城の周囲の地形や支城群や陣城、部隊の配置などの図により、歴史のターニングポイントになった戦いのイメージをつかみやすい。
石山本願寺成立から大阪夏の陣までの大阪の成り立ちを、蓮如、信長、秀吉、幸村などの歴史と共に説明しています。元々、大阪城は難波宮の跡地でもあり、蓮如が御坊を築こうとした時、大量の礎石が現れ、阿弥陀如来のお導きと思ったと言う話とそこから石山といわれるようになったと言う話は興味深いものです。最後の章では大阪城の怪談も載っていました。
幸隆、昌幸、信之、信繁の三代とその前の代からの土地との関わりを
地図を交えて説明しています。主に上田、沼田、九度山の説明が充実しており、真田氏の歴史も知ることができます。
大坂城物語ではなく、どちらかと言うと方広寺の鐘銘のエピソードから始まる大坂の陣物語ですね。
豊臣方の動静がメインなので判官びいきの方にお勧めで、特に塙団右衛門の活躍が痛快でした。
クローズアップと題した豆知識も点在していて飽きずに読めました。
豊臣秀吉の姉ともの目線から描かれた長男秀次・次男秀勝・三男秀保らをはじめとする一族とそれを取り巻く人々の物語。
内容が暗いものになるのは一族の末路を考えるとやむを得ない。
でありながら、三人の子供たちの幼少期からのストーリーは他の作品では描かれることも少なく、大坂の陣(豊臣家の滅亡)に至る序章と考えて読むととても興味深いものでした
戦国無双の登場人物・登場ステージ(大坂の陣等)を中心とした解説書ですが、操作方法などの説明もないためゲームの攻略本ではなく、私の中での分類では一冊の歴史の本です。
真田幸村他14人のプレイヤーキャラクター(架空の人物も含みますが)解説29頁・その他の登場キャラクター162人の解説62頁・9つの合戦の登場ステージの解説40頁の3部構成で読み応え十分でした。
キャラクターによって取扱量の差はありますが、井戸良弘・七里頼周はなかなかお目にかからない人選で面白かったです。
桶狭間の戦い~大坂夏の陣までの9ステージの解説には、布陣図と参戦武将が掲載されているのも分かりやすくて良かったです。
宇喜多の捨て嫁を書かれた木下昌樹先生の小説です。
応仁元年1467年からはじまり、
時代を生きた歴史人たちの大きな出来事を十二刻(24時間)単位で描かれてます。
時の将軍足利義政、豊臣秀吉、徳川家康、それぞれの時代に生きた、善阿弥、一休和尚、斉藤道三、長曾我部盛親、毛利元就、竹中半兵衛、などが登場します。
人の思い願いが、世代を超えて受け繋がれていく様は、心に打たれるものがあります。
同タイトルでおわりのときもあるみたいなので読んでみたいです。
豊臣秀吉と柴田勝家の雌雄を決した賤ヶ岳の戦い。この戦いで活躍した、賤ヶ岳七本槍のメンバーのその後の人生と、八本目の槍、石田三成との人間模様を描いた物語です。
福島正則、脇坂安治、片桐且元、平野長泰、加藤清正、糟屋武則、加藤嘉明、7人のひとりひりの小姓時代の呼び名で物語が構成されてます。
それぞれが違う生い立ちの中、豊臣秀吉の小姓として見出され、天下分けめの関ヶ原の戦いで、東軍についたもの、負けるとわかっていても西軍についたもの、その後の世の中の流れを見据えた石田三成が、それぞれ7人に思いを寄せ、奔走した様が描かれており、石田三成の戦旗に記された意味が読み取れます。
本の帯にある通り、この小説を読み終えた時、その男石田三成を、大好きになりました。
竹田城最後の城主、赤松広英の生涯を描いた書籍となります。
信長、秀吉、家康と、戦国時代に人生を翻弄されながら、天下泰平を夢見て、但馬竹田地区の治水事業、漆器作りを奨励し、結果家具づくりの名産地に仕立てました。
江戸時代以降の政治の思想の手本となる学問を確立した、藤原惺窩と無二の親友で、その働きは、文化人としても十分評価されます。
赤松広英をモデルとした書籍は少なく、
残月―竹田城最後の城主、赤松広英
水嶋 元 (東洋出版)
壮心の夢
火坂 雅志(徳間書店)こちらは、短編集
と読み比べました。
共通して言えるのは、民を重んじ、平和を心から願っていた方であり、尊敬の念を抱かされ、ますます好きになりました。
石田三成、荒木村重、赤松広英、池田輝政ほか14名の、俗っぽいシーンもありながら、それぞれの生き様を描いた短編集です。
名前だけ知っていて、詳しく知らなかった人物が、この小説を読んで、自分の中で、色づいてきました。
お城の描写は少ないものの、別の視点から城めぐりをしたいと思います。
お気に入りは、池田輝政、姫路城の長壁神社のことが書かれている。おさかべ姫です。
神社の存在、関係性など、何も知らずに、姫路のゆかたまつりに行っていました←
以下あとがき引用します。
戦国とは、壮心、すなわち胸に野望を抱いた者たちの時代であった。尾張の農民の小せがれが、天下の支配者になるまで駆けのぼる世の中である。その男―豊臣秀吉のまわりには、かれの出世とともに、野心を持った多くの異才たちが群れ集まってきた。
タイトル通り竹田城最後の城主赤松広英の生涯を描いた書籍です。
播磨の国、龍野城を争うことなく明け渡し、戦国時代に人生を翻弄されながら生涯を終えた武将です。
仁政をしき、他人を蔑むことなく、民を慈しみ、
理想の桃源郷をつくろうとする様が描かれております。
朱子学の祖、藤原惺窩の無二の親友で、広英が亡くなったあと、「赤松広通以外の武将は是ことこどく盗賊であった」といわしめました。
自費出版に近い形で出版されているので、多少読みにくさはありますが、たくさんお城と信長、秀吉、家康など著名な武将もでてきます。
目からウロコの旅の友です。お城を巡り始めてから半年を越えたのにいまだ基礎知識がなかった2017年夏、コンビニでふと手に取ったら一から十まですべてが目からウロコでした。ただ残念なことに4回読んだところで列車の座席に置き忘れてそれっきりです。
今でも覚えているのは「防御の要として切岸が見直されている」ということと、筆者が熱く豊前長野城を推していたことくらいですが、知らず知らずのうちに本の内容が血肉となっていたような感じがしています。
攻防戦の激しさ・面白さ・時代的意義を基準に選んだ「戦う城」を歴史小説作家が分析。戦国時代から幕末にかけて攻防戦が行われた26の城の歴史的背景から立地や縄張りまで紹介する。人物の評価など著者の主観が強く書かれた部分もあるが、エッセイあるいはガイドとして読むなら気にならない。それぞれの城や合戦についてよく調べられていて文章も臨場感があるので、実際に城を訪れた時により深く味わうことができると思う。2014年発行
とても生き生きと描かれています。肥後国人一揆の様子など、単に城郭だけでなく、戦闘を想定している絵もあり興味深かったです。阿波に畑山城なんてあったんですね。お城がかつて機能していたことを改めて認識させられる本です。
現存しない織田信長の安土城、豊臣秀吉の伏見城、大阪城、聚楽第、名護屋城など、天下人の城郭が堪能できます。ここの主役は加藤清正、黒田官兵衛、蒲生氏郷の築城3名人。蒲生氏郷の会津若松七重天守見たかったなあ。倭城もしっかり網羅されており,機会があればそちらも見たいと思いました。漆黒の城郭が満載の一冊です。
滝山城や飯盛城等、山城の紹介や縄張り図が多数掲載されており、実際に訪問の際に持っていっても役立ちそうです。
また、お城に関する基礎知識(石垣の積み方等)もあり、初心者の方にもお勧めです。
香川さんの城郭イラストが存分に楽しめます。
すべてのページがA3サイズの折込みとなっているので、イラストがページ綴じ部で分断されることなく楽しめます。自宅等でひとつひとつの作品をじっくり味わうような、そんな見方に適した1冊だと思います。
(逆の言い方をすれば、実際攻城する際に携帯するには向かないですね)
当時のそのお城の歴史や、動きが解る立体城郭図とでも言っておきましょうか、現地に行って写真を撮り、そのあとに比べて見ると再現度が非常に高い事が解る鳥瞰復元図です。
最近では、香川元太郎先生の鳥瞰図は全国の資料館などでも見掛けることが多くなりました。
少しお値段の方は高いですが、納得できる一冊です。
香川さんが描かれた全126点の鳥瞰復元図が見れるだけでもすばらしいのに、A3の大きさで印刷されているので細部の描き込みまではっきりわかります。けっして安くはないのですが、それだけの価値がある1冊です。
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