攻城団からのお知らせ

高校生のみんなと七尾城をフィールドワークしてきました

12月19日に七尾城跡にて 「七尾城を中心とした観光開発事業(七尾城プロジェクト)」のはじめてのフィードワークを開催しました。

北陸地方の冬というと、曇天模様を想像されると思います。ぼくも前週からとっても心配していたのですけれど、当日は「雲ひとつない!」とはいかないまでもぶじに晴れてくれました。おかげで雨も雪もなくフィールドワークを開催することができました。

七尾城本丸下の駐車場に集合して、事前に説明を受けます。

今回おこなうフィールドワークでは2班にわかれて、それぞれ七尾城址の曲輪や旧道を歩いて説明を受けることになっています。前回のレポートではフィールドワークにむけての役割決めや、質問内容についてなどを決めていました。そのあと学校内でさらに質問をまとめたようで、たくさんの質問が用意されていました。

さぁ、みんなで出発です。

歩いてすぐに「空堀」があるので、その説明を聞きながら歩きます。

「空堀ってなんですか?」「水ないのに意味あるの?」といった質問が聞こえてきました。
たしかに「お堀」というと水をたたえた姿をイメージしますよね。

つづいて「調度丸」前です。
かつてここにどういう設備があったのかとか、目の前の石垣について、ほかのお城、たとえば金沢城の石垣とどうちがうのかといった説明を受けます。

七尾城の石垣は野面積みで、自然石を積み重ねているのですが、「この石はどこから持ってきたんですか?」「川だな」「え? どこの川ですか?」といったやり取りが聞こえました。
「川ってこの辺の?」「石をかついで山をのぼったの?」どうやら山自体に石が埋まっていて切り出したわけじゃなくて、川にあった石を運んで積み重ねられたという説明を聞いて石垣への興味が深まったようです。

ここで本丸方面へいく班と、道をくだる班の二手にわかれます。ぼくは下に向かう班と一緒に行動しました。

さっそく撮影ポイントを教えてもらったカメラ担当の生徒さんが場所を記録していました。

こういう角度で石垣を仰ぎ見ることができます。なかなか迫力がありますよね。

道にそって歩いていきます。
壁をよく見ると当時の石垣が埋まっていること、側溝を流れている水はそのまま市街の川につながっていることなどを聞いて、しきりにメモをとっていました。

みんな熱心に説明を聞いています。

ここまででだいたい20分くらいですが、想像していたより広いのと、普段見なれない景色でテンションが上がっていたのでしょうか、大きな声で話したり、景色に「きれい!」「すごい!」といった声が何度も聞こえてきました。

安寧寺跡にいく途中の道からは市街が一望できます。

市街の向こうに見えるのは七尾湾です。左側は和倉温泉街や能登半島方面で、説明をうけながら「自分たちの学校はどのへんに見えるかなぁ」「あ、あれは○○だ!」と指をさしながら話していました。

ちょっとした小休憩をはさんで、フィールドワークはさらにつづきます。
七尾城の戦いのとき畠山軍と上杉軍が戦ったとされる場所に出ました。みんなは「この場所で!」「こんな大変な道を鎧着てのぼったの?」とびっくりしてましたね。

ここが安寧寺屋敷跡です。

さらにぐるっと回って三の丸跡に到着です。

さらに二の丸跡に向かいます。途中に急角度の階段があるのですが、みんなで何段あるか数えながら歩いていましたよ。もしかするとマップに反映されるのかもしれませんね。

二の丸跡から温井屋敷跡に向かいます。
温井氏というのは城主・畠山氏を補佐していた重臣のことですね。

このまま歩いていくと桜馬場跡を越えて本丸跡のほうにいくのですが、せっかくなので当時のままの石垣を見てみましょうとのことで、道を横に降りていきます。

足元がすこし怖いので、みんな横向きに足をすすめたりしながら慎重に降りていきます。
(写真からもかなり急斜面であることがわかりますね)

降りたところからは、当時のままの石垣を見ることができます。

「この辺の石垣は崩れていないので、当時の石垣が見れますね」
「何年くらいまえのですか?」
「正確にはわからないけど、500年くらい前ですね」
とみんな熱心に聞いてはメモしています。

残念ながらここで時間切れになりました。桜馬場跡や本丸跡付近は次回のフィールドワークに持ち越しです。

最初に歩いた道をもどって、駐車場に向かいます。ちなみにこの付近は「切り割」と呼ばれていて往時は空堀だったそうです。
「本丸ってどこですかー?」と質問している生徒さんがいました。そうです、今日は本丸跡を見学する時間がありませんでした。もうひとつの班は本丸跡から回っていますから、学校に戻ったらきっと情報交換をしあっているでしょうね。

ちなみに写真の右手の壁のうえが本丸跡になります。

駐車場に着いてからも少し時間があったので質問をしていました。

「畠山家の家紋って、どうしてあの家紋なんですか」
「畠山家はどこから七尾にやってきたのですか」
「何代目のときに七尾城ができあがったのですか」
といったような歴史についての質問も、けっこうたくさん出てました。

もうひとつの班も戻ってきたので全員集合です。

地元のテレビ局が取材にきていたので、生徒さんがインタビューされていました。
今回の取り組みはあちこちから注目していただいているようで、石川県のメディアをはじめ、金融機関、商工会議所といった方面からも問い合わせがあるようですよ。

じっさいの放送をテレビで見ましたが、いい経験ですよね。

今日のフィールドワークではたくさん質問して、たくさん写真を撮ってました。
この日の時間だけではすべてをまわりきれなかったので、年明けにもう1回フィールドワークを予定しています。現地案内をするためには、まず自分たちが知らないといけないですしね。情報を整理して、まとめていくことで、どんなマップになるのか楽しみです。

みんなの取り組みを見守っているだけでしたが、七尾城を攻城するにあたっての「事前に知っておいてもらいたい情報満載のマップ」になりそうですよ。
そして知ったことを自分たちが「ガイド」として伝えていくことにも取り組んでいく予定にもなっているので、彼らがガイドをつとめて案内する現地ツアーには団員のみなさんにもご参加いただけるようにしたいなと企画構想中です。

次回のレポートは年明けになりますが、ぜひ楽しみにしていてください!

「七尾歴史たびマップ」の制作は一般財団法人せせらぎ財団の支援をうけています
   
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七尾城プロジェクトのお知らせ
攻城団は七尾商工会議所、のと共栄信用金庫と共同で「七尾城を中心とした観光開発事業」に取り組んでいます。現在は石川県立七尾東雲高等学校に協力いただき、七尾城や七尾市内の観光マップを制作しています。
プロジェクトの様子は随時レポート記事でお伝えしていますので楽しみにしていてくださいね。七尾城へもぜひお越しください!

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