11月1日(火)、かねてよりお伝えしてた七尾商工会議所、のと共栄信用金庫、攻城団の3者で取り組む「七尾城を中心とした観光開発事業」のキックオフセレモニーが開催されました。七尾城を観光資源として見直し、そこから地域を活性化させていこうという取り組みです。
まず最初は七尾城や城下町のことをよく学び、その魅力を再発見するとともに、学んだことを共有していくために、七尾城観光マップを制作することから着手します。
このマップ制作と発信は、石川県立七尾東雲高等学校に協力をいただくことができました。これから生徒さんといっしょに七尾城や市内をフィールドワークし、マップを制作していくことになっています。
生徒さんと取り組むにあたって目的と目標をより明確にするため、タイトルを「観光振興による地域活性化にむけて~七尾城の魅力発見と発信のプロジェクト~」とし、この日のキッフオフセレモニーを迎えました。
セレモニーのレポートに入る前に、今回東雲高校に協力していただくことになった背景について少し説明させてください。
同校の総合学科というコースのなかに「観光」の授業があります。ぼくたちは、そのことを知らずに「産学共同でご一緒できませんか」と相談に伺ったのですが、「観光」の授業があったというのは、とても幸運なことでした。
そしてマップ制作と発信の取り組みは、学校の「産業連携による人材育成事業・専門家による学校での実践的指導」の一環として位置づけられ、「観光」の授業として取り組むことになりました。また今後も「商品開発」「電子商取引」「総合的な学習の時間」としてさまざまな取り組みを期待(計画)していただいています。
それではレポートです。
セレモニーの会場は東雲高校の大講義室です。東雲高校1・2年生と関係者の総勢90名近くが参加しました。
まずは司会の山森先生より、キックオフセレモニーについての説明です。
その後、本プロジェクトの意義と目的、目標を共有するということで、七尾商工会議所の芝垣さんと、攻城団のこうの団長それぞれから説明をおこないました。
最初に芝垣さんから「なぜ七尾城を観光資源として活用するのか」という背景についての説明です。七尾市の人口予測や、将来的な人口減の対策としての交流人口増といった目標について説明していきます。
現在も全国各地で移住や地方創生にかんする取り組みが盛んにおこなわれています。
「七尾市はどういう状況なのか」「具体的に自分たちはなにに取り組んでいけばいいか」といった話をききました。
地域にふだんから住んでいる人を「定住人口」と呼ぶのに対して、地域外から訪れる人を「交流人口」と呼ぶそうです。
ふだんの生活のなかで「交流人口」といった言葉はなかなか耳にしないかもしれませんね。生徒のみなさんも熱心にメモを取りながら聞いていました。
そして「交流人口」を増やしていく取り組みのひとつとして「七尾城に着目した理由」をみなさんと共有しました。
つづいて、こうの団長がプロジェクトで取り組む内容の説明をおこないました。まずは攻城団のご案内からスタート。
(学校ですから、その場でウェブサイトを確認することはおすすめしませんでしたが、みなさん帰宅してからみてくれたかなぁ)
七尾城を取り巻く環境を、じっさいに攻城された方の声や評価点数の紹介もまじえて「こういう評価がされているお城ですよ」といったことをお伝えしました。七尾城は訪問された方の満足度は高いお城跡なんですよね。
参考事例として、先日訪問させていただいた沼田市や郡上八幡市など、他地域の取り組み例も紹介しました。
こうした情報を前段として、ではなぜ七尾城を訪問する観光客は少ないのかということについて生徒のみなさんといっしょに考えます。
ここではボトルネックを特定するためにマーケティングでよく使われる「AISASモデル」を利用して整理・説明をおこないました。「AISASって聞いたことありますか?」と団長が質問すると、数名の生徒さんが挙手してましたね。
「マーケティング」について学ぶ授業があることは打ち合わせの際に山森先生から伺っていましたが、じっさいに挙手されている姿を見て「高校時代からマーケティングを学ぶ機会があるなんてすごいなぁ」とあらためて感じました(17歳のぼくは、何をしていたかなぁ)。
そして、これから一緒におこなう内容の具体的な説明をおこないました。
みなさん手元の資料にときおり目をやりつつ、話を聞かれていたのが印象的でした。
今回、こうの団長が使用したスライドがこちらになります。
引きつづき、プロジェクトに協力いただいている方々からのご挨拶です。
七尾市教育委員会委員長の近江一芳氏からは、七尾城跡の保全整備計画について伺うことができました。また戦国時代の七尾城の様子が書かれた文献(※京都五山東福寺(臨済宗)の前住持であった彭叔守仙による漢詩文「独楽亭記」)の内容についてもご紹介いただきました。
話を聞きながら、往時の七尾城や城下町の様子をよりイメージしやすくするために、マンガ(2次元)や模型(3次元)で表現して伝えていくこともできたらいいな、と考えていました。
つづいて登壇された七尾商工会議所会頭/のと共栄信用金庫理事長の大林重治氏からは「七尾城を毎年数回、徒歩で登城している」といった話や、本プロジェクトによる七尾市への交流人口増を期待すると同時に、これらが将来に向けた取り組みの第一歩であることをお話いただきました。
最後に東雲高校の川内校長より、取り組みの意義をふくめて、生徒のみなさんには学んだことをぜひさまざまなことに活かしてほしいと力強いお言葉をいただきました。
キッフオフセレモニーの最後は全員揃って記念撮影です。団長がとびぬけて長身なのがわかりますね。
(当日は新聞社もいらしていましたので、石川県内のかたは北國新聞や北陸中日新聞に掲載された記事でご覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんね)
こうしてキッフオフセレモニーが終了しました。この日を迎えるまでに何度も打ち合わせを重ねてきましたが、いよいよ本格的な活動がはじまりました。
じつはこの直後には、休憩時間をはさんで、七尾城観光マップづくりに参加する「観光科」の生徒さん(を含む2年生全員)とともにグループワークに取り組みました。
グループワークでは
をお題に、グループで話しあってもらい、代表者に発表してもらいました。
このグループワークの狙いは自分たちが「何を知っていて」「何を知らないのか」を理解することです。ふだんの生活で自分の住んでいる街のPRポイントを意識することってほとんどないと思うのです。また知らないからこそ、観光で訪れた方や、市外の人から「住んでいる街って何があるの?」と聞かれた時に、つい「いやぁ~なにもないよー」って答えてしまうんですよね。
昨日の団長のブログにもありましたが、ぼくたちはこの取り組みで、まずこういう状態の解消にむけた活動もおこないたいと考えています。
取り組みのサブタイトルが「七尾城の魅力発見と発信のプロジェクト」となっているのは、こうした『学び』と『伝えていくこと』を目標とするという意味が込められています。
グループワークがはじまると、いろいろ話しながら手元に書き出しをはじめていました。
団長が机のあいだを歩いています。陣羽織が目立ちますねー。
ぼくもみんなが話しあっている言葉に耳を傾けてきました。
実施する前に想像していた言葉と、まったく想像していなかった言葉がとびかっていて、なかなか興味深かったです。
そしてグループの代表者から発表がありました。
マイクを使って、みんなの前で発表するのって、なかなか照れくさいものですよね。
それぞれの言葉で、話し合ったことを発表してもらいました。
今日の時点では「学ぶ前の知識を共有」したので、これからフィールドワークや、授業で学び、整理し、マップ掲載情報を選択し、マップをつくりあげていくことになります。
そして作っただけで終わりにするのではありません。「発信」という言葉が掲げられているように、情報を発信・共有していくことにも取り組んでいく予定です。
まずは市民のみなさんと学んだことを共有します。そしてツアーを組んで一緒に七尾城を訪れてみることをはじめたいですね。ガイドをじっさいに経験することは観光課のみなさんにとってもいい経験になると思います。
また市外県外の観光客の方に七尾城に足をはこんでもらい、楽しんでもらうための取り組みもおこなっていくつもりです。
今日のグループワークでは、観光科以外の生徒さんにも参加してもらいました。
このプロジェクトが「七尾城を観光する人が増えたきっかけは、この日だったなぁ」といつか思い出してもらえるようになるはずです。そしてその場に自分も参加していたことを誇りに感じられる日がくることを願っています。
こうしてグループワークまでを含めたキックオフセレモニーは終了しました。
プロジェクトは、最初に七尾商工会議所の芝垣さんと話をはじめたときよりも、大きな動きになってきました。そして、本当に「観光振興による地域活性化」への取り組みとして、この活動が動き出していく雰囲気をとても感じました。
今後もフィールドワークやマップづくりなど、さまざまな活動レポートをシリーズとしてどんどんお伝えしていく予定です! ぜひ楽しみにしてください。
もちろん、七尾以外の街でもこうした取り組みをどんどん進めていきたいと考えています!
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